◆「TRITON PIZZA」【日進】
…昨晩。
三連休の中日の昨日は、成人病検診を終え、「らあめん 満来」で念願の、
「チャーシューらあめん」を頂き、年末年始の人員調整が終わらない為、
会社に出向き、無給で上役と調整をし、十六時前に退勤。
夕方から家に籠るも、晩御飯は如何しようかと思案する。
豚レバーも生での提供が禁止されそうなので、其の前に鱈腹頂くも良し、
近所にザーピー専門店が出来ているのを発見したので伺うも良し。
さんざっぱら悩んだ結果、後者に決定。
先日、偶さか通り掛かったら、近所に素敵なザーピー専門店を見付ける。
小さな街でも、定期的に探検しないと、入れ替わり、移り変わりが激しい。
ザーピーフェチとしては、現場に急行しない手は無い。
あっ、「ザーピーとか幾つだよ!」とか掲示板に書かれる前に申し上げよう。
「来月で三十九だよ、放って置けよ!」。
店に入り、持ち帰りか店内かを訊かれ、店内で頂く旨を伝え、奥に通される。
厨房内は男性店主一名と女性二名の三人体制で、よめきんトリオと同じ編成。
あれは一人はオカマだったっけか…。
カウンター席と、テーブル席が有り、空いているのでテーブル席に陣取る。
◎「生ビール」三九〇円
…先ずは、成人病検診終了の祝杯も兼ね、ルービーを発注。
日進で一番安いであろう麦酒は、ジョッキではないが、ちゃんとした物。
僕が普段呑んでいる、朝鮮民主主義人民共和国の密造酒の様な物とは違う。
歴とした「アサヒスーパードライ」。
バリウム塗れの胃袋に、キューっと染み渡り、花金の始まりのスタートだ。
◎「14ヵ月以上熟成サンダニエレ産生ハムにパルミジャーノレジャーノ
スライスを添えて」九〇〇円
…さて、メニューを食い入る様に眺め、摘みを発注しよう。
伊太利亜料理で言う酒の摘みを、アンチパストと言うんだったっけか。
其の中で先ず気に成ったのは、生ハムとズーチー。
特に、ズーチーの中でパルミジャーノレジャーノが好きなので。
其の名の通り、生ハムにズーチーが添えられ、橄欖油、黒胡椒が塗される。
生ハムはしっとりとして、むっちりとした肉肉しさ、豚の旨味が良い。
水分を完全に抜き取る為、もそもそとした食感だが、其れが又良い。
塩気、コク、風味、全てに於いて宜しく、葡萄酒が呑みたくなる。
◎「本日の新鮮カルパッチョ(北海道産あぶりタコとホタテ)」六五〇円
酒を呑むに当たり、刺身、生魚が無いと嫌なので、此れは必須だ。
日替わりの様で、此の日は北海道産の炙り蛸と帆立貝との事。
レタス、水菜、赤茄子の野菜に、炙った蛸と帆立貝が入る。
味付けは簡素で、橄欖油を用いた酸味の有る、さっぱりとした味わい。
蛸は茹でた物を頂くのが専らだが、生蛸を炙ると言うのは珍しいな。
嗚呼、益々、葡萄酒が呑みたくなって来た。
◎「ロッソ ポンペイアーノ」二八〇〇円
…と言う訳で、麦酒は一杯にし、葡萄酒を瓶で発注。
赤白十六種類が取り揃えられており、庶民は赤の一番御手頃な物を…。
葡萄の品種は、ピエディロッソとシャッシノーゾとの事で、
カンパーニャ州の物と言うが、葡萄酒に関してはちんぷんかんぷん。
メニューの能書きには、「フルーテーな風味と、口当たりの良い、
店主氏が持って来て呉れ、ピザ屋には大抵置いてある定番と説明して呉れる。
注いでみると、炭酸の泡が僅かにシュワっており、見た目は「ファンタ」。
いざ頂けば、此の微炭酸が心地好く、甘過ぎず、様々な料理に合いそう。
いやはや、此れはクイックイ呑んじゃうぞ…。
◎「クアトロフォルマッジ」一五〇〇円
…さあ、葡萄酒も整った所で、主役のザーピーを頂こう。
ザーピー、ズーチー好きとして、以前から気に成っている物が有る。
「クアトロフォルマッジ」。
クアトロ=「四」、恐らく、四種類のズーチーを使ったザーピー。
ゴルゴンゾーラ、リコッタチーズ、モッツァレラ、グラナパダーノ、
此の四種類を使用しているが、現物を見ると、ゴルゴンゾーラのみ判別可能。
其れにしても、ズーチー祭りで嬉しくなってしまう。
御好みで、蜂蜜を掛けて頂くと言うのも、気掛かりな理由だ。
先ずは其の儘頂けば、おおっ、何とも濃厚なチーズの風味が押し寄せる。
店の入口側に設えられた白い大きな窯で焼かれる本格的なザーピー。
褒めたいのは生地で、モッチリとして、生地だけで旨いから困っちゃう。
山本リンダじゃなくたって、困ってしまうよ。
試しに、蜂蜜を掛けて頂いてみれば、初めて味わう不思議な感覚。
蜂蜜は当然甘いのだが、チーズの塩気と何だか巧く調和する。
甘い食事は苦手だが、此れならば有りだが、蜂蜜無しでも最高に旨い。
◎「マルゲリータ」一二〇〇円
…葡萄酒は捗るし、ザーピーは旨いし、完全に火が点いてしまう。
もう一枚行っちゃうか、花金だし。
ザーピーと言えば、定番のゲリマル、あっ、マルゲリで。
マルゲリだけで八種類が取り揃えられているが、一番基本の物、
「マルゲリータ(バジル、モッツァレラ)」を頂いてみよう。
矢張り、見た目は安心する、正に定番のザーピー。
赤茄子のテレレの赤、モッツァレラの白、合法ハーブの緑。
伊太利亜の国旗を表していると、見聞した事が有る。
実食すれば、うん、間違い無い!
永井秀和じゃなくたって、「間違い無い」と言いたくなる。
嗚呼、最高だ。
薄いパリパリの生地も良いが、程好く厚味が有り、モッチリした生地、
僕は非常に好みで、何だか、嬉しく、愉しく成ってしまったよ、小父さんは。
◎「国産牛100%粗挽きボロネーゼ」一三〇〇円
…葡萄酒、ザーピーと来れば、ゲッティーも頂きたくなってしまう。
もう、此れは自然の流れ、最早、此れは必然だ。
如何せん、炭水化物を摘みに呑むのが滅法好きなので。
ゲッティーは三種類が用意されている。
「えび、ブロッコリー、アンチョビのペペロンチーノ」、「自家製!
安納芋のニョッキ ゴルゴンゾーラソース」も有るが、腕白中年は此れ。
「国産牛100%粗挽きボロネーゼ」。
三十八歳児は幾つに成っても、ミートソース的な物が大好き。
だって、見た目からして蠱惑的で、此れは反則だってば。
麺はやや太目で、一.八ミリメートル程か。
此の麺が、博多ラーメンで言う所の「バリカタ」で腰が効いている。
テレレは牛肉の旨味、風味がふんだんに出ており、高級感が有る。
此れに粉チーズ、パルミジャーノパウダーだろうか、絶妙に絡み合う。
黒胡椒も味をキュッと引き締めていて、ヒリリとした辛味が爽やか。
此のゲッティー、延々と食べて居たい…。
すっかり満足、酩酊し、御馳走様で終了。
持ち帰りも出来る様なので、伴天連正月の酒宴に添えようと思ったが、
伴天連正月の予約は混雑しているのか、小心者なので訊けずに退店…。
人見知り、小心者は此れだから困る。