続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「ITALIAN PASTA そふりっと」【王子】

◆「ITALIAN PASTA そふりっと」【王子】

 …昨日。
  待ちに待った、念願の、待望の休日を迎える。
  夜中に悪夢で魘されたり、花粉症に因る鼻詰まりで起こされるのは変わらず…。
  明け方四時に目が覚めてしまってからは、何だか寝付けず、
  朝の七時半過ぎにうとうとし始める有り様だが、八時半には起き出す。
  ぐっすり寝てみたい…。
  其れはさて置き、偶の休日、天気も良いので外に出てみよう。
  十数年振りに、都電荒川線に乗車し、沿線をぶらりする散策に出る。
  高崎線上野駅に出て、地下鉄日比谷線三ノ輪駅に移動し、
  思わず、シャボンの匂いがする方向へ行きたく成るも、初志貫徹で三ノ輪橋へ。
  車内で一日乗車券を購入し、町屋駅前荒川遊園地前と下車して散策し、
  十二時半を廻ったので、王子駅前に移動し、先ずは昼御飯。
  当ても無いので、一頻り彷徨うと、国鉄のガード下に飲食店が軒を連ね、
  其の中に、ゲッティーとザーピーが頂けそうな店を見付け、透かさず入る。
  混雑していたが、程無く席も空き、案内され、さあ、腹拵えだ…。

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 ◎「サッポロ生(中)」五八〇円
 …さてさて、先ずは、花粉症の消毒をしないといけない。
  葡萄酒にも大いに惹かれたが、此の先も散策が有るので、麦酒で堪えよう。
  と言っても、普段、家で呑んでいる密造酒の様な代物とは訳が違う。
  本物の御麦酒様だ。
  昼間っから、外が見える陽の射し込む席で、麦酒を呷るのが堪らなく幸せだ。
  生きていると実感出来る、唯一の時間と言っても良いのではなかろうか…。

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 ◎「ウニとイクラ」一二〇〇円
 …メニューを眺めて、吃驚したのはゲッティーのメニューの多さ。
  数十、否、三桁は有るかしらと言う程、此れ又、大いに悩んでしまう。
  赤茄子のゲッティーも良いが、「ウニ」と言う文字を見付けてしまったら…。
  「ウニ」のみでも良いのだが、様々な具が合わさった物が有り、
  其の中から、プリン体フェチはイクラが宜しいわね。
  麦酒が半分程に成った所へ、ゲッティーが運ばれて来る。
  綺麗な橙色をしたゲッティーは、腹っ減らしのポンコツ中年を誘惑して来る。
  堪らず、フォークを持ち、不器用に巻き乍ら、ゲッティーを啜る。
  わおっ、クリーミーだ。
  鼻からは雲丹の風味が抜け、高級感が感じられる。
  本物の雲丹の姿は無いが、瓶詰めの雲丹の様な感じでも、十分に美味しい。
  其処へ、イクラのプチプチが加わり、より一層、ブルジョワ感が有る。
  麺は特筆すべき点は無いが、気軽に啜れるゲッティーと言った趣き。
  此れは良いわぃ。

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 ◎「ピッツァ マルゲリータ」八八〇円
 …ゲッティーから少し遅れて、ザーピーも遣って来る。
  伊太利亜料理店で見られる様な薄い生地に、赤茄子のテレレが塗りたくられ、
  申し訳程度にモッツァレラチーズが乗っていると言う物ではなく、
  生地は分厚く、チーズはモッツァレラチーズではなく、
  一般的な蕩けるチーズが乗っており、此れも庶民的で好印象だ。
  とは言え、赤茄子や合法ハーブも乗っており、確りとしている。
  生地はカリッとして香ばしく、麦酒に合いそうな感じだ。
  そして、チーズが濃厚で、此れ又、焦げ目が香ばしく堪らない。
  本格的な薄っぺらい生地の物も良いが、こう言う昔乍らのが落ち着く。
  王子と言う土地柄、昔からの味と言う点で、好感が持てる味わいだ。
  他のメニューも気に成るし、再訪は大いに有るな…。

~御負け~
趣きの有る三ノ輪橋停留所。
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