続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「ステーキ 宮」【館林】

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◆「ステーキ 宮」【館林】

 ◎「宮ロースランチ(150g)」一四九〇円

 …週末の土曜日は仕事の催しが有った為、BOOK厚木へ休日出勤。
  朝は五時半起きで向かうと、矢張り、眠い…。
  其の日はずっと立ち通しで、売れない売春婦の様に疲れてしまう。
  日曜日はゆっくりと休み、夜は拙宅で、御近所さんと懇親会。
  歌謡曲を聴き乍ら、日本酒をしこたま呑み、二十三時半に御開きに。
  酒浸りで、乾涸びて重たい身体を擡げて始まった今日は、
  土曜日の休日出勤の代休に充てていたので、ゆっくりと午前中を過ごす。
  風呂に入り、身を清め、全うな人間に戻り、十一時に動き出す。
  外は暑い位の良い天気で、デヴ症、もとい、出不精の僕でも、
  ちょいと出掛けてみようかなと言う気持ちに成ってみる。
  行く先は特に無いが、館林に芝桜が咲いていると言う情報を受け、
  取り敢えず、暑そうな街、館林を目指す。
  一時間半程で到着し、先ずは昼御飯を摂る事にする。
  勿論、ラーメン店を検索し、館林市で一番評価の高い「米屋」を目指す。
  が、昼間の営業時間が十二時から十三時半と極端に短く、
  時間には間に合うが、混雑していたり、忙しなく啜るのは嫌なので回避。
  偶さか見付けた、北関東では御馴染み「ステーキ 宮」に飛び込んでみる。
  深谷出身の僕としては、ビフテキと言えば「ステーキ 宮」。
  育ち盛りの学生時分は、三〇〇グラムをぺろりと平らげたもので、
  味に関しても、「宮のたれ」は勿論の事、肉質も宜しく、贔屓にしていた。
  然し、大宮周辺には店舗が無く、二〇一三年二月十一日に川越で頂いて以来。
  久し振りなので心躍り、喜び勇んで店内に入る。
  席に案内され、先ずはメニューを眺める。
  昼時のメニューとは言え、豊富に肉類が取り揃えられている。
  ハンバーグや鶏肉も有るが、此処は矢張り、ビフテキだろう。
  一押しと思われる「宮ロースランチ」にしてみよう。
  発注の際、焼き加減を訊かれるが、ミディアム、ウェルダンの二択のみ。
  基本的にはレアでないと嫌なのだが、「宮ロース」はレアは不可と言う。
  何でだろう、何でだろう、何でだ、何でだろうと疑問に思っていると、
  「インジェクション加工肉」を使用しているからと言う。
  ん!?「インジェクション」って何だ?
  杏里は「気ままにInjection」だったっけか?
  否、あれは「気ままにReflection」だったな…。
  良く理解しない儘、其の儘、発注し、テレレは「宮のたれ」で御願いし、
  御飯か麺麭が選択出来、勿論、御飯で。
  出来上がる迄、飲み放題のプースーを取りに立つ。
  数種類用意されているが、此方では決まって「コーンポタージュスープ」のみ。
  懐かしい記憶を呼び起こす様に、プースーを啜る。
  そして、一〇分足らずで、自棄に早くクーニー登場。
  思わず、間違いじゃなかろうかと考えてしまう程…。
  女中さんの方でテレレをぶっ掛けて貰ってから、配膳して貰う。
  ヂウヂウ言っていて、肉は矢張り、心を豊かにして呉れるわぃ。
  ナイフとフォークで不器用にも切り刻むと、うん!?、妙に軟らかいぞ。
  軟らかいのは結構だが、肉らしい感覚が手に伝わって来ない。
  一通り切り刻み、先ずは一口頬張ってみる。
  ん!?、何だ此りゃ。
  赤身と思いきや、脂身っぽく、赤身と脂身の中間の様な感じ。
  然も、肉肉しさが無く、肉の繊維や、噛み締めたく成る様な食感が丸で無い。
  何だか、ブルンとして、引き締まった感じが無く、僕の出っ張った腹の様…。
  其の場で、「インジェクション加工肉」と言うのを調べてみる。
  要するに、牛肉に油脂を人工的に注入した、成型肉の様だ。
  「な~に~!遣っちまったナァ!」と心の中で大きく叫ぶ。
  肉質の硬さであるコラーゲン線維をアミノ酸に分解し、旨味に変えると言う、
  食肉用軟化剤と和牛牛脂を用い、其れ等を四十八度前後と言う、
  肉質が変化するギリギリの温度管理で注入、ボールの様に膨らませて、
  冷蔵して作る製造法も有ると言い、考えただけで旨そうではない…。
  技術の進歩は良い事だが、こう言う風に使用されるのは何だかナァ。
  其れにしても、加工肉の割りに、一四九〇円と言うのは高いのでは。
  此れならば、別の店に行けば、ちゃんとした牛肉が食べられたのに…。
  激しく後悔し、良い印象しか無かった「ステーキ 宮」に対し、
  一気に好感度が無く成り、悪い印象しか持てなくなってしまった。
  学生時分に味わった肉の旨さと、近所に店舗が無く、行く機会が減ってしまい、
  其の事に因って募った憧憬が、一挙に音を立てて崩れ去った…。
  然し、「宮のたれ」だけは掛け値無しに旨い。
  原材料は玉葱、大蒜、醤油、酢のみで、約三週間も熟成されると言い、
  じっくり寝かせる事で、香ばしい味が完成すると言う謳い文句は伊達じゃない。
  テレレは最高に旨いのに、肝心のクーニーが駄目じゃ、がっかり此の上無い。
  まあ、食べられなくはないので、御飯の御替わりもして平らげるも、
  此の肉を使用している限りは、再訪は無いなと固く心に誓う。
  此れをメニューとして出すと決定した事に驚いてしまう。
  矢張り、チェーン店は所詮、チェーン店なのだと痛感した…。

~御負け~
「ザ・トレジャー・ガーデン」の芝桜。
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