続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「ジャンプ」【一ノ割】

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◆「ジャンプ」【一ノ割】

 ◎「ラーメン(並)」七八〇円+「豚増し」二〇〇円

 …つい此の間、マッカーサーが来たと思ったら、もう皐月も終盤。
  時の流れが早いのか、其れを早く感じる程に歳を取ってしまったのか…。
  僕の中では、厄年で死んじゃう予定なので、後三年有るか無いかだが、
  毎日こんなに、のんべんだらりんと暮らしていて良いのかしら。
  まあ、逆子で産まれた、拾い物の様な人生だから、致し方無いか…。
  喰い過ぎで腹が出っ張った儘じゃ、棺桶の蓋が閉まらないかしらと、
  多少の不安が無くは無いが、此れだけ油脂が付着していれば、燃え易いだろう。
  肝臓も酒浸りだし、尚更だろう。
  そんな終活めいた事を考えつつ、今日は特別休暇の消化に充てる。
  昨年の夏休みが、未だ四日も残っているので…。
  朝は何だか四時半に目が覚めてしまい、其処から夢と現の間を行き来し、
  八時に起き出し、休日を開始させるが、デヴの所為か、身体が重たい。
  肩凝りが酷いのも有ろうが、寝起きなのに、ぐったりとしている。
  然し、休日と言うだけで、気分的には随分と楽だ。
  毎朝恒例の吐き気、嘔吐きも軽く、然程、涙ぐまずに済む。
  午前中は極めて自堕落に過ごし、一〇時半過ぎに家を出る。
  昼御飯を食べに。
  目的地は五月十一日に突撃しようとするも、途中で定休日だと気付き、
  敢え無く断念した此方で、数日前から、訪店する事だけを生き甲斐に暮らす。
  平日の東京環状の渋滞に巻き込まれるも、開店時間の三分前に到着。
  先客は四名と少なく、ホッと、Aカップの胸を撫で下ろす。
  十一時半を少し廻って開店し、店内に入り、食券を購入する。
  此方では絶対に「ラーメン」だが、最近は歳の所為で食べられないので、
  大人しく並盛りにし、「豚増し」は欠かせないのでポチっとな。
  冷水を汲んで着席し、食券を提示し、期待にAカップの胸を躍らせる。
  厨房内は店主氏、男性助手氏、女性助手氏と、HISと同じ編成。
  あっ、細野晴臣忌野清志郎坂本冬美の組み合わせね。
  其れはさて置き、一〇分一寸で、三月十三日以来、二ヶ月半振りの御対面。
  相変わらず、食べ手の期待感を裏切りゃしないさと言う自信に満ちた佇まい。
  高く聳え立つ野菜の山は、神々しく、神秘的な霊山の様で拝みたくなる。
  蓮華を手に取り、丼一杯に満々と湛えるプースーを、零さない様に啜る。
  「あ゛~っ」と思わず、声を発しそうに成る程に、舌を撃ち抜き、
  食道を悠然と通り過ぎ、胃袋へと落ち、五臓六腑に染み渡る。
  待ち侘びたラーメン程、旨い物は無く、此の世で此方のラーメンが一番好き、
  そう瞬時に思う位に旨味が強く感じられ、くらくらとして心を奪われる。
  動物系の出汁がどっしりとしていて、胃袋にドスンと伝わるのだが、
  鶏白湯の様な重さは丸で無く、こってりとして濃厚なのだが、嫌味が無い。
  大き目の背脂がたっぷり入り、其れだけを頂いても甘味が有って旨い。
  矢張り、脂は旨いのだな。
  こんな旨い物を我慢して迄、長生きしたいとは到底思わないな…。
  野菜はと言うと、言わずもがなのシャキシャキとクタクタの中間で、
  歯触りが良く、卓上の醤油ダレをぶっ掛ければ尚の事旨い。
  時折、葱のシャリっとした食感と風味が混ざるのが何とも心地好い。
  野菜が粗方片付いた所で、麺に取り掛かろう。
  緩やかな縮れの効いた極太の平打ち麺は自家製麺
  プースーをたっぷりと吸い込んだ麺は、旨味を増し、啜る箸が止まらない。
  むっちり、もちもちとした腰が効いて、張りが有り、弾力が感じられる。
  麺に刻み大蒜が纏わり付き、一緒に啜れば、鼻腔から大蒜の香りが抜ける。
  此れが幸せな瞬間だったりもする。
  野菜の山に埋もれてしまったが、豚に会いに来たと言っても過言ではない。
  決して大きくはないが、三枚も乗ると、御大臣に成った気分だな。
  相も変わらず、綺麗な「@」をしている。
  先ずは円の中心の赤身の部位から噛り付けば、外縁の脂身の部位が崩れる程。
  赤身の繊維に沿ってホロっと解れ、味付けも宜しく、適度な弾力と軟らかさ。
  脂身の部位はプースーの熱で蕩け出し、箸で持ち上げればプルンプルンと、
  小向美奈子の「車欠孚乚」の様に揺れており、想像力を掻き立てて喰らい付く。
  嗚呼、正に此れぞ「ネ申月豕」で、此れ以上の豚はそうそう無いだろう。
  「ジャンクガレッジ」の旧き良き時代を思い出してしまう。
  味付け玉子も箸で持っただけで半熟度合いが判別出来る程にぷるっぷる。
  黄身は濃厚で、とろりと嫌らしく垂れ、此れならば顔面で受け止めても良い…。
  プースーの表面に浮かんだ固形物は殆ど頂き、汗だくで御馳走様。
  家から遠い事を除けば、此方が僕の中での一位で文句は無かろうな。