◆「ジャンプ」【一ノ割】
◎「ラーメン（並）」七八〇円＋「豚増し」二〇〇円
…昨晩は「鮨処 いっしん」から「Ｋｅｎ’ｓ ｋｉｔｃｈｅｎ」へ雪崩れ込み、
午前二時過ぎ、すっかりヘベのレケに成る迄、ベロンベロンに酔っ払う。
帰宅後は居間の絨毯に寝っ転がり、其の儘、轟沈する駄目中年…。
本当、呑むとてんでだらしなく、普段、抑圧された心を解き放ちたくなる。
こうやって馬鹿を出来ているから、何とか、心が壊れずに持っているのだろう。
普段は根っからの後ろ向きの癖に、こう言う理屈だけは前向きに捉えてみる…。
土曜日に休日出勤をした為、其の代休を今日の月曜日に充てる。
決して、サボタージュではないので悪しからず…。
酒浸りの重たい身体を九時過ぎに擡げるが、昨日の様な二日酔いは無い。
昨晩は比較的、綺麗な酒だったのだろうな。
風呂に入って身を清め、怠さから横たわってみたり、極めて自堕落に過ごす。
明日は仕事の為、最後の休日を満喫しないといけない。
先週末に引き続き、暴力的なラーメンを頂き、大蒜を摂取したくなる。
十一時半前に家を飛び出し、暑さの中、一路、春日部を目指す。
週明け、然も、六月の一日と言う事も有ってか、東京環状は大渋滞。
一時間以上掛かり、店に着けば、店外に待ちは無く、駐車場も空きが有る。
店内に入り、一名の待ちが有るが、先ずは食券を購入。
先週と同じく、「ラーメン（並）」と「豚増し」の釦をポチっとな。
長椅子に座り、助手氏に食券を見せ、程無くして席が空いて着席。
冷水を呷り、ぼんやりと出来上がりを待つ。
一〇分程で無料の乗せ物を問われ、「全増し、味玉で」と告げる。
銀の盆に乗った、ずっしりと重たい丼を慎重に受け取る。
蓮華を手に取り、先ずはプースーから啜る。
嗚呼、旨いとばかりに、我慢出来ずに五口続けて啜ってしまう。
矢張り、此方のラーメンが今、一番旨いかな。
動物系の出汁が確りと出ている、濃厚且つ、濃密なプースーは最高だ。
乳化していると言う感じとは違った、円やかで、コクの有る味わい。
醤油ダレの酸味も感じられ、すっきりとした感じも有り、諄さは無い。
野菜に取り掛かれば、こんもりと古墳の様に盛り上がって、聳え立っている。
茹で加減は相変わらず絶妙で、シャキシャキとクタクタの中間で旨い。
此れに大量の背脂がぶっ掛けられ、卓上の醤油ダレもぶっ掛けてみる。
黙々と、只管に喰い尽くし、続いては麺を啜ってみよう。
縮れの効いた自家製麺は、太くて力強さが漲っている。
啜れば、唸りを上げる様に、ブルンと音がしそうだ。
強靭な腰、弾力、張り、艶、何れを取っても質が高い。
豚はと言うと、ふさふさと肉の繊維が毛羽立っている様な物が三枚。
赤身の部位から齧れば、うん、適度な噛み応えと軟らかさが際立っている。
外縁の脂身の部位は蕩けて、プルンとした感じが堪らない。
此の豚も然り、秀逸だわさ。
刻み大蒜もたっぷりとプースーに溶け出し、此の夏場には必須だ。
辛味が有るが、元気に成った様な錯覚を起こさせて呉れる。
味付け玉子も漏れ無く素晴らしく、非の打ち所が無い。
完食するが、歳の所為なのか、暑さの所為なのか、身体が弱っているのか、
流石に苦しく、暫くは食べなくて良いかなと思ってしまった…。
明日に成れば、又食べたくなるに違いないのだが。
其れにしても、暑くて駄目だ。
もう、真夏だよ、此れじゃ…。
