◎「ラーメン」八〇〇円
…火曜日。
御盆時期が過ぎたからと言って、暇な訳ではない。
夏休みと称して、浮かれ狂い、遊び呆けている人間は佃煮にする程居る。
即ち、蟹工船の様な暮らしは未だ未だ続く…。
肩凝りが滅法酷く、首を傾けると肩に痛みが走り、ガッチガチに凝っている。
腰もヘルニア再発の気配が出ており、満身創痍で暮らしている。
嗚呼、按摩に揉んで貰いたい。
序に、桃色の按摩にも、核燃料棒の凝りを解して貰いたい…。
そんな、按摩に掛かる暇も金も無く、正に、貧乏暇無し。
此の日は朝一で会社に出社し、午後に移動し、夜迄仕事しっ放し。
午前中は残務を熟し、十三時前に昼御飯を摂りに出る。
前日に続き、二日連続で昼御飯を食べるだなんて、一ヶ月振りか。
人間らしい暮らしがしてみたい…。
さて、「らーめん つけめん 鶏の穴」の月替わりの限定ラーメンも頂いたし、
此れと言って、食べたい物が無いので悩んでしまう。
取り敢えず、悩んだ時は、此方にしておこうかね。
店に着くと、隣の「馳走麺 狸穴」も珍しく行列が無いので、一瞬迷うも、
初志貫徹で、此方の木戸を開けて中に入る。
券売機で食券を購入するが、言わずもがな、「東池袋大勝軒」直営なので、
「もりそば」が売りなのは間違い無いが、彼方此方に暖簾分け店も多く、
些か食傷気味なので、最近は此方の「ラーメン」の味にも嵌っているので、
暑い中ではあるが、敢えて「ラーメン」にしてみる。
カウンター席の合間に挟まり、小さくなり、ヂッと出来上がりを待つ。
周りは「もりそば」を啜る客が殆どだが、「ラーメン」は出来上がりが早い。
先に入った客の「もりそば」の麺を冷水で〆ている間に出て来るので助かる。
四月に頂いて以来、四ヶ月半振りの御対麺だが、熱熱で良いな。
見るだけで汗がヴァっと噴き出して来るが、冷凍倉庫の中で頂きたいものだ…。
先ずは蓮華でプースーから啜ろう。
表面は油層に覆われ、熱熱だが、相変わらず、魚介系と動物系の出汁が、
ガツンと効いており、パンチが有り、力強さを感じる。
無化調も良いのだが、こうした化学調味料のヴィンヴィン効いたのも旨い。
身体に悪いと知り乍らも、たった一度の人生、食べたい物は食べたいし。
「酒も煙草も女も遣らず 百迄生きた馬鹿が居た」、そんな間抜けは嫌だ…。
麺を手繰って啜れば、重みが有り、確りとした腰が良いわね。
噛むとミシっと音がしそうな感じで、ゲッティーをも髣髴とさせる。
量も有るので食べ出が有り、勢い良く啜りたい。
具の麺麻も量が多く、麺麻を御数に麺を啜ると言った感じで行ける。
叉焼は腿肉で、ムチッとした感じが有り、人間と一緒だな…。
最近、膨よかな女性に興味が湧いて仕方無いのだが。
其れは兎も角、汗だくで食べ終え、夜迄の仕事の糧とする駄目中年…。
