続・ROCK‘N’ROLL退屈男

続・ROCK‘N’ROLL退屈男 B面⇒https://twitter.com/RandR_taikutsu

「風街レジェンド2015」@東京国際フォーラム

イメージ 1

遂に此の日が遣って来た。
一番最初の応募抽選では外れ、コンパクトディスクの購入者特典から応募し、
運良く当選し、此のコンサートを観る為だけに生きて来た。
松本 隆作詞活動四十五周年記念「風街レジェンド2015」。
大滝詠一師匠の音楽を知り、其処から枝葉の様に分かれた音楽を聴き漁り、
はっぴいえんど、そして、昭和を代表する大作詞家にぶち当たったのは二十一年前。
其れ以来、教典の様に崇め奉り聴いて来た音楽を、生で聴けるとは…。
もう、死んでも良いかもね。

●松本 隆作詞活動45周年記念「風街レジェンド2015」@東京国際フォーラム
 1.夏なんです/はっぴいえんど細野晴臣、松本 隆、鈴木 茂)
 2.花いちもんめ/はっぴいえんど(鈴木 茂、細野晴臣、松本 隆)
 3.はいからはくち/佐野元春はっぴいえんど細野晴臣、松本 隆、鈴木 茂)
 5.てぃーんず ぶるーす/原田真二
 6.タイム・トラベル/原田真二
 7.シンプル・ラブ/大橋純子
 8.ペイパー・ムーン/大橋純子
 9.三枚の写真/石川ひとみ
10.東京ららばい(中原理恵)/中川翔子
11.セクシャルバイオレットNo.1(桑名正博)/美勇士
13.赤道小町ドキッ/山下久美子
14.誘惑光線・クラッ!/早見 優
15.風の谷のナウシカ/安田成美
16.シューベルト「冬の旅」より現代語訳「菩提樹」/テノール・鈴木 准、
   ピアノ・河野紘子
17.シューベルト「冬の旅」より現代語訳「辻音楽師」/テノール・鈴木 准、
   ピアノ・河野紘子
18.君は天然色大滝詠一)/伊藤銀次、杉 真理
19.A面で恋をして/伊藤銀次、杉 真理、佐野元春
20.バチェラー・ガール/稲垣潤一
21.恋するカレン/稲垣潤一
22.スローなブギにしてくれ(I want you)/南 佳孝
23.ソバカスのある少女/南 佳孝、鈴木 茂
24.砂の女/鈴木 茂
25.しらけちまうぜ/小坂 忠
26.流星都市/小坂 忠
27.Woman❝Wの悲劇より❞(薬師丸ひろ子)/吉田美奈子
29.スピーチ・バルーン~カナリア諸島にて(メンバー紹介)/風街ばんど
31.卒業/斉藤由貴
32.September(竹内まりや)/EPO
33.さらばシベリア鉄道太田裕美
34.やさしさ紙芝居/水谷 豊
35.ルビーの指環/寺尾 聰
EC1.驟雨の街/はっぴいえんど細野晴臣、松本 隆、鈴木 茂)
EC2.風をあつめて/はっぴいえんど、全出演者

ー風街ばんどー
音楽監督、Key:井上 鑑
Gt:松原正樹
Gt:今 剛
A.Gt:吉川忠英
Drs:林 立夫
Drs:山木秀夫
Per:三沢またろう
Cho:比山貴咏史
Cho、Org:佐々木久美
Cho:藤田真由美
Woodwinds:山本拓夫
Vc:笠原あやの

結論から申し上げると、四時間ぶっ通し、休憩無しの怒濤の攻撃に御腹一杯だ。
演者のギャランティーが、一体どれ位掛かるのか不安に成る程だが、
一二〇〇〇円と言う切符代でも、十分に御釣りが来る程の価値。
開演前の場内には、名曲の数々が流れ、其れだけで酒が呑める。
十七時の開演と同時に、はっぴいえんどの四分の三が壇上に。
もう、其れだけで涙が溢れて来た。
憧れ続けた人達を、こうして生で観られるとは、長生きはしてみるものだ…。
細野晴臣、鈴木 茂の夫々が作曲した曲の後は、亡き大滝詠一師匠の曲。
此の曲を歌うのは、三人の総意で決めたと言う佐野元春
此の場に師匠の姿が無い事が辛く、悲しく、一昨年の大晦日の衝撃を思い出す…。
松本 隆の傑作と言って良い「木綿のハンカチーフ」が行き成り登場する。
デヴュー曲を提供された原田真二は、声量は落ちたが、客弄りが巧いな。
大橋純子の圧倒的な歌唱力は相変わらず。
会場から現れたイモ欽トリオは、初めてフルコーラスで歌うと言うが、カラオケ…。
確かに、あの打ち込みの細野氏の曲をバンドで演るのはね…。
小学校二年生の時、テレヴィヂョンで観た、小麦色のスラっと伸びた長い脚、
其れに衝撃を受け、甘酸っぱい思いをした早見 優は、矢張り美脚だったナァ~。
そして、今日のみの出演と成ったのは、何と、あの安田成美。
久し振りに歌うと見え、相当の緊張の様子だったが、必死に歌う姿が可愛かった。
申し訳ない乍らも、シューベルトの現代語訳の合間に雪隠に行き、後半戦に備える。
何せ、大滝詠一師匠の曲が続くからだ。
画面には、「松本 隆作品の中で大瀧詠一は❝共作者のひとり❞だが、
大瀧詠一作品に於いて❝共作者❞と呼べるのは<松本 隆>ただひとりである」、
と言う在りし日の師匠のコメントが映し出され、会場がどよめいた後、
「A LONG VACATION」のアルバムジャケットが映ったと同時に、
バンドのチューニング音から、僕が此の世で一番好きな曲のイントロが…。
其の時点で警戒水位を超え、僕の涙腺は脆くも決壊する。
まさか、夢に迄見た此の曲を、生のバンドの音、然も、師匠のアルバムに参加した、
日本のスタジオミュージシャンのギャラの高い順みたいな錚錚たる顔触れが奏でる。
此れを歌うのは、弟子の伊藤銀次と、ナイアガラトライアングルの杉 真理。
如何か、此の時間が終わらないで呉れと、切に願わずには居られなかった…。
「A面で恋をして」では、佐野元春が加わり、捩れナイアガラトライアングル完成。
其の余韻を引き摺りつつ、稲垣潤一の登場。
師匠のセルフカヴァーでも御馴染みの「バチェラー・ガール」と、
稲垣潤一がアルバムでカヴァーした「恋するカレン」と、涙が乾く暇が無い。
南 佳孝も渋くて良かったナァ。
今回の中で、歌で観客の心を掻っ攫って行ったのは、何と言っても吉田美奈子
持ち歌ではないが、「Woman❝Wの悲劇より❞」では歌唱力に涙が流れたわ…。
勿論、曲自体の良さは有るが、歌唱力で泣かされたのには参った。
そして、松田聖子の「ガラスの林檎」は大胆なジャズアレンジで、此れも又、
素晴らしいとしか言い様が無く、松本 隆の詞、細野晴臣の曲の良さを壊さず、
斬新、奇抜なアレンジで、全く別物、自身のオリジナルの様に歌い上げ拍手喝采
インストで師匠の「スピーチ・バルーン」、「カナリア諸島にて」に乗せ、
名うてのバンドメンバーが紹介されるが、其れにしても、凄い顔触れだ…。
「さらばシベリア鉄道」、此れも泣かせて呉れる。
アレンジもオリジナルに忠実で、ジャカジャカと吉川忠英松原正樹は大忙しだ。
「十二月の旅人」に成ってしまった師匠も、天国で音の壁を聴いているだろうか…。
大物、水谷 豊は今日のみの登場で「やさしさ紙芝居」を。
右京さんの登場に、会場はどよめくわね。
そして、本編のトリを飾るのは、寺尾 聰。
格好良いとしか言えず、会場が一番沸いた。
高水健司、今 剛を呼び寄せ、「ルビーの指環」を渋く、愉しげに歌う。
アンコールの最後では、全出演者が登場し、「風をあつめて」を大合唱。
最後に花束を持って、松任谷由実が登場すると言うサプライズも。
こんな面子が揃う機会はもう無いだろうな。
と言いつつ、五〇周年を期待せずには居られないが、誰も欠けない事を願う。
此の場に師匠が居ないと言う事がこんなに辛く、切ないとは…。

~御負け~
イメージ 2
御負けとして配られた「木綿のハンカチーフ」。