◆「らーめん つけめん 鶏の穴」【池袋】
◎「ままま」八二〇円
…金曜日。
五連勤の四日目で、世間様は花金と浮かれ狂う金曜日。
只、其れは、飽く迄もブルジョワジー様だけの話。
こちとら、翌土曜日も仕事だし、何より、来週二〇日から九連勤の予定が、
休みが取れなくなってしまい、十一連勤へと延長決定!
猛烈に死にたく成って来た…。
本当、其の内、血尿を噴射して、ラリパッパの様に狂って、死ぬんじゃないか。
相変わらず、酷い肩凝りが快方に向かう気遣いは丸で無く、
パーソナルなコンピューターと睨めっこでの仕事中も、常に肩を揉んでいる。
どうせ揉むなら、他の物を揉みたい…。
さて、此の日は午後から流刑地・台場に行かねば成らず、昼御飯は池袋で。
普段、昼御飯を頂く事は滅多に無いのだが、月に一度の御愉しみが有るのだ。
そう、此方での月替わりの限定ラーメンを頂いて置かないと。
今月も、今年の過去の限定メニューを振り返ってみよう。
一月「カレーとチーズのらーめん(カリーぱみゅぱみゅ2015ver.)」、
二月「生姜風味でぽっかぽか~ クロマニョン人ジャー」、
三月「鶏白湯の担々麺」、
四月「アサリとニンニクのらーめん ボンゴレチョップ」、
五月「バジルのらーめん 中華そバジル」、
六月「たらこの和えつけ麺 タラちゃん」、
七月「中細麺のあっさりつけ麺 ゆじゅ」、八月「冷やしラーメン 夏、投入」、
九月「酸味と辛味のハーモニー さんらーたん。」と来て、
今月は、より一層訳が分からなくなり、「ままま」と書いてある。
貼り紙には「秋刀魚で取ったスープに細麺を使った食べ易いラーメン」と。
「ま」が三つで秋刀魚ね。
はい、駄洒落で~す。
生憎、店内は待ちが発生しており、券売機前にも二名が溢れている。
霧雨降る中、此の日しか頂く機会は無いので、我慢して待ち、食券を購入し、
中に入り、食券を手渡し、五分程で着席出来、事無きを得る。
此方は案外、女性一人で来る客が結構居り、女性にも敷居が高くない様だな。
それから十五分弱の後、今月の限定ラーメンが遣って来る。
おっ、鶏白湯と思いきや、澄んだプースーに驚く。
然も、余計な事に、人参が入っており、些か凹んでみる…。
気を取り直し、先ずは蓮華でプースーから啜ってみよう。
基本は鶏ガラ、鶏清湯なのだろうが、其処に秋刀魚出汁を合わせているのか。
秋刀魚と言えば、一時代を築いた「麺屋 武蔵」が、秋刀魚節を使用し、
濃い味の醤油ダレに、魚介の味わいでパンチを効かせた物が流行ったが、
其れとは掛け離れ、薄味、あっさり、さっぱりとした装いだ。
澄まし汁の様な、和風な感じで、欲を言えば塩気が欲しいと感じる。
とっとと、人参を鼻を摘んで遣っ付けてから、麺に取り掛かる。
麺は中細の物で、極めて緩やかな縮れが有る感じで、啜り心地が良い。
さあ、具に目を転じてみれば、今月は此方の売りである鶏は一切入っていない。
何しろ、秋刀魚押しだから…。
灰色の団子は、秋刀魚の摘入で、恐ろしい程にふわっふわ。
魚の摘入特有の生臭さは有るが、今が旬の秋刀魚をこうして頂くのは乙だ。
そして、紫蘇、大根卸、人参に加え、蒲焼風の焼き秋刀魚が入る。
流石に、焼いた秋刀魚が入ったラーメンは、無駄な三十九年の人生でも初だ。
香ばしく、秋の味覚としての存在感を醸し出している。
何だかんだ、最後迄、何らかの物足り無さを抱えた儘、プースーを飲み干す。
来月は何かなと愉しみで帰る道中、橘家圓蔵師の訃報に接し、落ち込んでみる。