◆「天下一品」【大宮】
◎「こってり中華そば(並)」七二〇円
…昨晩。
上野での呑み会を終え、大宮駅に辿り着き、ぶらり途中下車の旅をしたくなり、
「立ち飲み日高」で仕上げをし、未だ、終電車迄は時間が有るので、
折角なので、仕上げの〆をして帰ろうかな…。
呑んだ後の〆は、矢張り、ラーメンと相場が決まっている。
中々、「富士そば」じゃ締まらない気がして。
と言う訳で、桃色繁華街、南銀座商店街のとば口に在る此方へ、
客引きや娼婦には目も呉れずに向かい、サッと入店。
カウンター席の一番奥、厨房寄りに腰掛け、とっとと発注。
何時も通り、鉄板の「こってり中華そば」を。
麦酒を呑みたいのは、グッと堪えてみる。
少しは堪え性が有る時も有る様で、此れが何時もじゃないのが困るが…。
さて、五分程で丼が酔っ払いの前に差し出される。
いやはや、毎度乍ら、安心安定の佇まいに、心が落ち着くわぃ。
いざ、蓮華を手に取り、プースーから啜ろう。
何度頂いても、此の一口目の衝撃、旨さは何とも言えない感慨だ。
鶏ガラと野菜を炊き出した此のプースー、恐るべき破壊力だな。
口内、舌を優しく包み込む様にして、まったりとした濃厚さが来るのだが、
諄くなく、執拗くない、何ともすっきりとした味わいが病み付きだ。
滋味深い味わいと、滑らかな口当たりに惹かれてしまう。
麺はと言うと、加水率高目のツルっとした中細麺。
ツルツルしているが、べっとりとプースーが纏わり付き、持ち上げも良い。
茹で加減や腰、弾力は目を見張る物は無いが、此れ又、安定している。
叉焼はムチッとした腿肉の様な感じで、脂身は少ないが、豚臭さも無い。
麺麻も及第点で、九条葱が此のラーメンには頗る良く合う。
高血圧治療中と言えども、此のプースーを飲み干さずに帰る勇気は無い。
確りと、残さず養分を吸い取るかの様に、全て飲み干し御馳走様。
安心して、終電車に乗り、危うく寝過ごしそうに成る駄目中年…。