◆「フレンチバル セゾニエ」【宮原】
…土曜日。
ヘトヘトで十九時に大宮へと帰還し、晩は此方で打ち上げをしようと決定。
三月二〇日に訪れたばかりだが、すっかりお気に入りで、三度目の訪店。
「麺屋 六文銭」系列で、費用対効果、味も勿論抜群だ。
◎「サッポロ生ビール」三二四円
…早朝、新幹線で缶麦酒を一本空け、夕方、会津若松駅構内で電車を待つ間、
取りも直さず、麦酒で仕切り直し。
何だか、日頃のストレスの所為か、胃がキリキリと差し込む様に痛むが、
御近所さんから胃薬を貰い、呑む前に飲んでから、グイッと呷る。
冷えた麦酒は心地好く、炭酸が爽快感を連れて来る。
◎「オードブル盛り合わせ(3名様分程)」一二八〇円
…発注は御近所さんに御任せしよう。
僕にはそんな大それた権限は無い…。
そして、出て来た物の豪華さに吃驚だ。
五種類の摘みが盛り合わさっており、此れは嬉しく成ってしまうね。
パテ・ド・カンパーニュ、真鯛のテリーヌ、自家製スモークサーモン。
おぢさんには分からない横文字も有るが、何れも美味しく、質が高い。
◎「ニューワールドワイン」一六二〇円
…本日の御薦めが記された黒板の中から、御近所さんが葡萄酒を発注。
智利や加州の葡萄酒の中から、御薦めを出して呉れる様だ。
此れは「センデーロ・シャルドネ」と言う智利産の白葡萄酒。
安天須の麓に広がる広大な畑から厳選したシャルドネを使用した、
優美な辛口の葡萄酒で、パイナップルやパパイヤを想わせる、
熱帯産果実の華やかな芳香が特徴と言うが、馬鹿舌には分からない…。
◎「本日鮮魚のカルパッチョ仕立て」八二〇円
…矢張り、酒を呑むに当たり、個人的に生魚が無いと駄目な口で。
身分が低い癖に、御近所さんに歯向かって、発注をさせて貰う。
此の日は真鯛と言う事で、迷わず御願いする。
因みに、前回は「平鯛」、前々回は「真鯛の昆布〆」だったな。
阿利襪、赤茄子、二十日大根、葉っぱ等も乗り、実に小洒落ている。
価格も良心的で、「ナントカキッチン」の様に、三〇〇〇円も取られない…。
◎「殻付きカキのオーブン焼き」六九四円
…此方では過去二回、共に頂いている牡蠣を発注。
時期の所為なのか、多少値上がりしているが、旨けりゃ問題無い。
檸檬を搾り、勿体無いので、一口では頬張らない。
プリッとした牡蠣の食感と、自然の磯の香りと塩気、エシャロットの風味、
夫々が絶妙で、此れが白葡萄酒に合わない訳が無い。
◎「生うにオムレツ」七〇二円
…此れ又、御薦めの黒板の中に、何とも素敵な文字列を発見してしまう。
何と、生雲丹を使用した西洋の玉子焼きが七〇二円と言う。
嗚呼、長生きはしてみるものだ…。
ふわふわに軟らかい玉子の中には、雲丹がゴロゴロ入っている。
玉子の円やかさに、雲丹の濃厚さが加わり、此れは堪らない。
赤茄子のテレレ、粉チーズ、バターの風味も何たる旨さか。
◎「フランスボルドー金賞受賞ワイン(ボトル)」二七五〇円
…今度は、同じく黒板に記された葡萄酒を御願いし、見繕って貰う様だ。
今度は赤葡萄酒らしい。
仏蘭西は波耳多産の「シャトー・ボー・ピュイ」と言う代物らしい。
肉付きの良い果実味に、均整の取れた優美な味わいと言うが、何のこっちゃ。
馬鹿舌、貧乏舌には勿体無いが、ファンタ感覚で美味しく頂く。
◎「熟成牛の角切りステーキ」一二四二円
…クーニーも食べたいわね。
今回は熟成牛と言うのが有り、わくわくしてしまう。
何に於いても、熟成された方が良かったりする…。
適度な噛み応えが肉肉しさを感じさせて呉れる。
テレレも粒辛子が入っているので、仄かな酸味と辛味が加わる。
じゃが芋、茄子、ブロッコリー、椎茸が入る。
◎「和牛レバーのグリル トマトと新たまねぎのマリネ」七七七円
…クーニー序に、内臓も行っちゃいたく成ってしまう。
普段、焼きとんで豚の肝臓は頻繁に頂くが、牛の肝臓は御無沙汰だ。
貧乏なので、焼肉屋にも行けないので…。
其れにしても、此方の料理はどれを取っても御洒落だな。
レバーは表面がカリッと香ばしく焼き上がり、中はしっとりとしていて、
牛レバー特有の風味が鼻腔を駆け抜け、赤葡萄酒と良く合う。
赤茄子と新玉葱がさっぱりとさせて呉れ、然も、此の御値段だもの。
◎「魚介類のトマトソース」七六〇円
…さて、名残惜しいが、〆のゲッティーは毎度の此れ。
三回連続だが、此の費用対効果は素晴らしい。
こんなの、余所で頂いたら間違い無く一〇〇〇円以上は取られるし。
此のもっちりとした、今迄に味わった事の無いゲッティーの弾力が秀逸。
浅蜊、海老、烏賊、蛸、帆立がゴロゴロ入り、具沢山で嬉しい限り。
すっかりヘベのレケで、カラオケへ雪崩れ込み、翌日も御近所さんと呑む約束をし、
解散する駄目中年…。
~御負け~
ロイシーな鶴ヶ城。