◎「ぶた入りラーメン」八〇〇円
…先週金曜日。
漸く此処へ来て、雨が続き、気温も下がり、凌ぎ易く成って来たが、
汗っ掻き、夏嫌いにとっては、未だ油断成らない日が続く。
タオルを忘れた日にゃ、地獄が待っている…。
もう、デヴにタオル、ホームレスに段ボールは、切っても切り離せない。
夏以降、仕事中に昼御飯は殆ど食べる事は無いのだが、休日に成ると、
ストレス解消とばかりに、狂った様に呑み喰いしているので、
体重が減ったんだか、増えたんだか分からないが、体重計には乗らない。
確実に、窶れて来てはいるが…。
さて、犬と同じ速度で歳を取っている僕だが、話は遡って、先週金曜日。
珍しく、朝から蟹工船には乗船せず、池袋の漁協へと出向き、
網の修理や、蟹の出荷の段取りをしたり、残務を熟し、一先ず昼休憩。
池袋と来れば、最近は専ら此方だ。
店に着けば、最近では多い部類の一〇人程の待ち。
まあ、此方は回転が早いので、大して時間は掛からない。
尤も、一人で丼一杯を食べられない餓鬼が居なければの話だ…。
五分強で店内に入り、券売機で何時も通りの食券を購入し、来るべき時を待つ。
食券の提示を求められ、麺の硬さを訊かれ、温い水を汲み、十五分弱で着席。
厨房内は前回同様三人体制で、レツゴー三匹と同じ編成。
誰が三波春夫かは不明だが…。
程無くして、無料の乗せ物を訊かれ、「野菜、脂で」と告げる。
丼を受け取り、すっかり顔馴染みと成ったラーメンと九日振りの対面。
最早、此の安定感、安心感はホッとする。
さあ、蓮華を手に取り、先ずはプースーから啜ろう。
おおっ、此の日も乳化度は中程度で、円やかさと醤油ダレの味わいが絶妙。
立て続けに何口も啜ってしまい、胃袋もホッとさせてやる。
矢張り、此の味は、直系でないと味わえないのだと痛感。
野菜の茹で加減も素晴らしく、卓上の醤油ダレをドレッシング感覚でぶっ掛け、
背脂の塊も一緒に味わい乍ら、簡単に遣っ付ける。
野菜の盛りは、余り良いとは言えないが、「増し増し」にする程でもないか。
此の麺に魅せられていると言って良かろう。
喰らい付き、啜れば、唸りを上げる様な力強さが有るが、小麦の風味も有り、
腰、弾力、張り、何れを取っても最高で、麺硬めにしなくても十分に、
噛んで愉しい麺を堪能出来、何度頂いても飽きない麺だ。
豚はと言うと、此れも又、大きなブレは無く、或る意味、安定している。
蕩けて軟らかいと言う感じも無く、程好い噛み応えと脂身の入り方、
確りとした味の染み込み、嫌味の無い弾力が秀逸だ。
豚増しにしなくても事足りるが、何だか、豚増しにしたく成ってしまう豚だ。
週に一度、此のラーメンを頂きたくなってしまう程、虜に成っている…。
