◆「居酒屋 やず」【宮原】
…月曜日。
今月は何とか人並みに休日の確保が出来ており、此の日も飛び石の休日。
終日予定も無く、昼間は「ジャンプ」で暴力的なラーメンを頂き、
大蒜も摂取し、英気を養い、午睡に興じ、晩に成り、徐に動き出す。
休日の晩は、呑みに出ないと気が済まない。
と言う訳で、此の日は、一〇月十三日以来、二ヶ月振りに此方へ。
◎「ホッピー」四五〇円
…店に入り、マスター、女中さんに挨拶を済ませ、カウンター席に腰掛ける。
最近、外で呑む時、一杯目に麦酒と言う事も無くなり、手っ取り早く酔う為に、
ホッピーから入るのが専らで、此れが良いのか悪いのか…。
気の抜けた麦酒の様な此の感じが良いのだ。
御通しは大根の煮物。
◎「とり唐あげ」四五〇円
…さて、摘みは如何しようかと、メニューを眺める此の瞬間が好きだ。
御薦めが記された白板に見入り、グッと長考に入る。
すると、他の客が発注した鶏の唐揚げを、目の前でマスターが調理している。
テレレに漬け込まれた鶏肉に粉を塗して揚げる工程を見て、此れに決める。
其の唐揚げはと言うと、味付けは薄味で、生姜の風味が強めか。
カリッと香ばしく揚がり、添えて貰ったマヨネーズを塗して頂けば、
薄味も補完出来るので、一石二鳥の旨さだ。
◎「白菜漬」三八〇円
…続いては、さっぱりしようと、白菜の漬物を。
普段、漬物を食べないので、偶には良かろう。
以前から、此方では、有れば此れを発注する事が多い。
勿論、味の素多目で御願いする。
醤油を少し垂らして頂けば、柚子と昆布の風味が微かに感じられる。
茎の部位は甘味が有り、シャキシャキとして旨いな。
個人的に、白菜の漬け物は葉の部位が好きで、野沢菜は茎の部位が好き。
◎「豚ネギ天」五八〇円
…気に成ったので、此れも続け様に発注。
天麩羅だろうと言うのは想像出来たが、豚肉が入るとは珍しかろう。
掻き揚げの様な感じで、マスターが調理をし、揚げ始める。
此れを天つゆで、大根卸と卸生姜を投入して頂く。
葱は甘味が有って香ばしく、そして、豚肉のムニッとした食感が加わる。
鶏肉の天麩羅は頂いた事が有るが、豚肉は初めてかしら。
◎「電氣ブラン」
…さて、ホッピーを三杯、濃いのを頂いた後は、電氣ブランに替えよう。
呑み方は勿論、ロック・アンド・ロールで。
甘ったるい香りが何とも心地好く、其れだけで癒される様な感覚だ。
此れを頂けば、食道を焼く様にして、四〇度の酒が胃袋へ転がり落ちる。
隣に居合わせた、同じく「電氣ブラン」を瓶保管する同志の方とも話をする。
◎「ベーコンエッグ」四〇〇円
…摘みはと言うと、今度は此れにしよう。
前回もそうだが、「電氣ブラン」をチビチビ飲り乍ら、ベーコンエッグ。
此れが良いのだ。
ベーコンはカリカリに香ばしく焼かれ、玉子が二個割り入れられる。
残念乍ら、黄身が割れてしまっているが…。
醤油を掛けて頂けば、粗挽き胡椒も相俟って、此れは地味だが良いわぃ。
予てより、目玉焼き、ハムエッグ、ベーコンエッグを肴に呑める人こそ、
真の酒呑みだと言う思い込み、憧れが有るので。
◎「うどん」六四〇円
…一頻り酔い痴れ、呂律も怪しく成って来そうなので、今回は、
此方で〆て帰ろうと、マスターに炭水化物が出来ないか相談をする。
ゲッティーでもカレーでも饂飩でも良いと言うと、饂飩が出来ると言う。
御任せで御願いすると、豆腐と野菜が入り、鰹節が掛けられて出て来る。
〆にホッと一息吐ける様な、優しい一杯。
ホッピー三杯、「電氣ブラン」数杯を呷り、千鳥足で帰宅するポンコツおぢさん。