◆「らぁめん ほりうち」【新橋】
◎「チャーシューざるらぁめん」一一五〇円+「大盛」無料
…月曜日。
狂乱の黄金週間も終わり、心身の疲労の極限は疾うに過ぎ、ずたぼろの状態で、
ヘルニア再発の為、腰には確りと補装具を巻き付け、動かない身体に鞭打ち、
週末の二連休だけを生き甲斐、生きる支えに、歯を食い縛って労働する。
話は遡って月曜日。
黄金週間の最終日、一日だけ何とか休み、翌日からは又、蟹工船。
休んだ気が全くしない心身の状態で、朝は池袋に出向き、午後から漁港に。
十三時半に池袋を立ち、昼御飯を摂りたい気持ちも起こらず、一先ず、
丸い緑の山手線に乗車し、バシシンに降り立ち、十四時半前だが、
此処で食事を摂らないと食べ損なうので、此方に御邪魔しよう。
地獄の様な黄金週間を乗り切った御褒美にと、「チャーざる」を頂こう。
二月二十四日以来、二ヶ月半振りの訪店。
時間も時間なので、店内は閑散としており、券売機で食券を購入し、
すんなりとカウンター席に腰掛け、食券を提示し、「大盛りで」と御願いする。
厨房内は男性二人体制で、コント山口君と竹田君と同じ編成。
冷水を呷り、疲労した身体で項垂れ、ぐったりとして出来上がりを待つ。
一〇分程で、疲労感を一瞬でも忘れさせて呉れる「チャーざる」の御出座し。
手元に下ろし、割り箸を割り、いざ啜らん。
麺を手繰り、浸す余地の少ないつけ汁に何とか浸して啜る。
前回、つけ汁に酢を入れ忘れられたのではと疑りたくなる位、以前よりも、
酸味が随分と感じられない物だったが、ん!?今回も同じ様な感じだ。
以前は「らぁめん 満来」由来の酸味の効いたつけ汁だった様な気がするが、
味が変わったのか、僕の記憶が不確かなのか、将又、馬鹿舌なのか…。
鶏ガラと豚骨をふんだんに使った、昭和時代のあっさり醤油味を謳うだけあり、
滋味深い、何とも言えない優しみの溢れた、じんわりと来る味わいは其の儘。
一味唐辛子の辛味は感じられ、かと言って、卓上の酢を入れるのは我慢する。
麺はと言うと、其の日の気温や湿度に因って、生地の状態が変わる為、
伸び難い中太の多加水麺を使用し、毎日茹で時間を変えて、
麺の状態にとことん拘って作っていると言う力の入れ様。
厨房内には「中西食品」の麺箱も有り、恐らくは外注なのだろう。
ツルツルとした麺は、刻み海苔が纏わり付いて食べ難いが、
三五〇グラムと言う量を感じさせない、スルッと入る麺。
冷水での〆、水切りも抜かり無く、確りと施されているのも素晴らしい。
さて、叉焼はと言うと、今日も今日とて、ふわふわとした軟らかさも有り、
且つ、程好い噛み応えも兼ね備え、正に「ネ申月豕」認定。
時折、パサついた、硬めの物に当たる日も有るが、今回は大当たり。
脂身もプルンとして、黄金週間の激務も報われる旨さだ。
此れで、豚肉の疲労回復作用が、もっと即効性が有ると、尚の事良いのだが…。
最後はつけ汁も全て飲み干し、ヴィタミンB壱は余さず摂取する。