前日の第一夜の余韻も冷めやらぬ内に、二日目にして最終日。
第一夜はB’zと言う、知らない人は居ない程の知名度と派手さで持って行かれたが、
第二夜は玄人好みと言った陣容で、期待が持てる…。
●松本 隆 作詞活動50周年記念 オフィシャル・プロジェクト「風街オデッセイ2021」
@日本武道館(第二夜・十一月六日)
1.A面で恋をして(ナイアガラ・トライアングル)/鈴木 茂、伊藤銀次、杉 真理
2.Do You Feel Me/杉 真理(Gt、Cho:伊藤銀次)
3.CAFE FLAMINGO/安部恭弘
4.STILL I LOVE YOU/安部恭弘
5.バチェラー・ガール/稲垣潤一
7.スローなブギにしてくれ(I want you)/南 佳孝
8.スタンダード・ナンバー/南 佳孝
9.ソバカスのある少女/鈴木 茂、南 佳孝(Drs:林 立夫)
10.砂の女/鈴木 茂(Drs:林 立夫)
11.微熱少年/鈴木 茂(Drs:林 立夫)
12.しらけちまうぜ/小坂 忠
13.流星都市/小坂 忠
14.ミッドナイト・トレイン(ザ・スリー・ディグリーズ)/星屑スキャット
16.代官山エレジー/藤井 隆
17.フローズン・ダイキリ/冨田ラボ・冨田恵一feat.クミコ
20.真冬物語/冨田ラボ・冨田恵一feat.堀込泰行、畠山美由紀、ハナレグミ
25.FUN✕4~我が心のピンボール~風立ちぬ~雨のウェンズデイ(メンバー紹介)/風街ばんど
26.SEPTEMBER(竹内まりや)/EPO
29.花いちもんめ/はっぴいえんど(Vo、Gt:鈴木 茂、B:細野晴臣、
Drs:松本 隆)、鈴木慶一(Key)
30.十二月の雨の日/鈴木慶一(Vo、Key)、はっぴいえんど(B:細野晴臣、
Drs:松本 隆、Gt:鈴木 茂)
31.風をあつめて/はっぴいえんど(Vo、A.Gt:細野晴臣、Drs:松本 隆、B:鈴木 茂)、鈴木慶一(Key)
ー風街ばんどー
音楽監督、Key、Acc:井上 鑑
Key:中西康晴
Gt:土方隆行
Gt:今 剛
A.Gt:吉川忠英
B:髙水健司
Drs:山木秀夫
Per:三沢またろう
Cho:高尾直樹、佐々木久美、藤田真由美
Tp:中野勇介
Tb:村田陽一
Sax、Fl、Cl:竹野昌邦
Vn:金原千恵子、栄田嘉彦
Vla:古川原裕仁
Vc:笠原あやの
十七時半の定刻より少し遅れ、前夜と同じく「砂の女」で始まると思いきや、伊藤銀次、
杉 真理を伴って、鈴木 茂が登場し、此の日の幕開けは「A面で恋をして」。
NIAGARA TRIANGLE Vol.2の楽曲で、大滝詠一を鈴木 茂が、
佐野元春を伊藤銀次が夫々の持ち場を歌い、ナイアガラサウンドで始まる。
松本 隆が監督を務めた自著『微熱少年』の映画の劇中でも使用された、
杉 真理の「Do You Feel Me」を、伊藤銀次と共に披露。
一九八二年のデヴュー当時、鈴木雄大、此の後に登場の稲垣潤一、そして、音楽監督、
井上 鑑と共に「ニューウェイヴ4人衆」と謳われた安部恭弘が二曲。
爽やかでお洒落なシテーポップ、デヴュー二枚目のA面、B面を。
其の四人衆の一角、稲垣潤一が前回同様、師匠提供の「バチェラー・ガール」、
一〇枚目のアルバム『Self Portrait』でカヴァーの「恋するカレン」。
「ウーウォンチュウ~」と溜め乍ら、更に粘度が増した南 佳孝は、今回は嬉しい事に、
薬師丸ひろ子「メイン・テーマ」の男性版「スタンダード・ナンバー」も演って呉れる。
そして、鈴木 茂、林 立夫を呼び込み、「ソバカスのある少女」。
大病をされて闘病中の小坂 忠は、名盤『HORO』から二曲を。
ザ・スリー・ディグリーズに提供の「ミッドナイト・トレイン」を艶やかに歌う、
ギャランティーク和恵、ミッツ・マングローブ、メイリー・ムーの星屑スキャット。
原田真二のデヴュー曲「てぃーんず ぶるーす」は元キリンジ、堀込泰行。
松本 隆プロデュースのアルバム『ロミオ道行』から、藤井 隆は「代官山エレジー」。
前夜の亀田誠治に続き、プロデューサーコーナーは冨田ラボ・冨田恵一。
恥ずかし乍ら、お洒落な若向けのふわふわした此の系統の音楽は実に疎い…。
松本 隆✕「マクロスF」と言う漫画動画の組み合わせの「星間飛行」。
「キラッ!」におぢさんは遣られてしまう…。
作詞・松本 隆、作曲・筒美京平の「綺麗ア・ラ・モード」の中川翔子は可愛らしいナァ。
そして、山下達郎の「いつか晴れた日に」を歌うのは、さかいゆう。
度肝を抜かれたのは、「SWEET MEMORIES」のカヴァー。
壮大な編曲に、バックの化け物バンドを随えての熱唱、熱演は此の日一番の出色。
涙が乾かない儘、メンバー紹介に移り、竹内まりやの「SEPTEMBER」を、
前回に続いてEPOが歌うが、帰りに若者の会話で、「イーピーオーって誰?」って…。
海外のバンドの略称じゃないんだから、時の流れ、時代の違いは恐ろしい。
残すは御待ち兼ねの吉田美奈子女史。
画面に「瑠璃色の地球」と出た時は、「マヂかよ!?其れは狡いよ…」と。
其の歌唱力、表現力、説得力に涙腺決壊し、金が取れる歌手とはこう言うものだ。
そして、前回初めて聴いて魂消て、音源を買い求めた「ガラスの林檎」を今回も。
ダイヤモンド製の毒林檎の様な破壊力は凄まじく、座り小便して馬鹿に成りそう…。
二日間の最後の最後、大團圓は勿論、はっぴいえんど。
「花いちもんめ」はイントロで一度、鈴木 茂が止めたのは御愛嬌。
前日は曽我部恵一がヴォーカルを執った「十二月の雨の日」は、今回はと言うと、
はっぴいえんどに入りたかったと言う、遠目から見ると渋沢栄一の鈴木慶一。
「大滝さん御免!僕の冥途の土産に」と、はっぴいえんどを随えての歌唱。
オーラスは、細野晴臣が生ギター、鈴木 茂がベースに持ち替えての「風をあつめて」。
夢か現か分からない様な二日間の饗宴も、あっと言う間に終わってしまい、
生きる希望が無くなってしまった、燃え尽き症候群のポンコツおぢさん…。