大晦日。
毎年恒例、此の日は「鮨処 いっしん」で寿司を握って貰い、
家で「紅白歌合戦」を観乍ら酔い潰れると言うのが僕の過ごし方だ…。
二十七日に店に御邪魔した際、十五皿分を御任せで御願いしてあった。
年末で河岸が休みで、潤沢に魚が入荷しないので致し方無い。
スーパーマーケットで「ストロングゼロ」の五〇〇ミリリットル缶を四本、
口開け用の麦酒にと、三五〇ミリリットル缶を一本購入し、
寿司を取りに行き、十九時十五分の開始と同時に栓を開ける。
先ずは缶麦酒で、一年の労を労う。
自分で自分に「御疲れさん…」と、口に出して言ってみる。
麦酒の摘みに鶏の唐揚げを購入したので、「ダイショー味塩こしょう」を塗し乍ら、
塩分補給もしっかりし、染み出す脂を堪能し、麦酒を空ける…。
さて、缶酎ハイに移行し、寿司に取り掛かろう。
「ぼたんえび」、「赤貝」、「いくら」、「中トロ」、「煮穴子」二皿、「うに」。
正に、僕の好みを射た絶妙な選択。
甘い物が嫌いな僕なので、玉子は入っていないのが嬉しい…。
寿司を摘み、缶酎ハイを呷り、テレヴィヂョンを観、パーソナルコンピューターを弄る。
時折、酒を呷り乍ら、酔っ払い、寂しさに押し潰されて号泣してみたり、
只の性質の悪い酔っ払いと化す…。
此の動作を繰り返している内、何時の間にか炬燵で寝入ってしまい、
目が覚めれば二十三時四〇分。
寿司も残っており、ショボショボする目を擦り乍ら、午前零時を跨いで寿司を食べ続ける。
歳取ったな、僕…。
実に脆弱だ…。