…昨晩。
約二ヶ月振りに「大宮酒場 もつ焼きエビス参」で肉刺し的な物とホッピーを、
其れなりに満喫し、翌日からの三連休を前に、此れは〆ないとイカンガーと、
何処にしようか思案した結果、斜向かいの此方が、偶さか行列も無く、
直ぐに入店出来そうだったので、道路を渡るだけで移動完了で、いざ入店…。
◎「ビンビール」五〇〇円
…券売機で一通り食券を購入し、カウンター席にヨッコイショーイチ。
味も大して分からないので、銘柄の拘りは丸で無いが、何と無くの気分で、
「ヱビス」で御願いし、瓶とコップを受け取る。
手酌で仕上げの麦酒を呷れば、普段は滅多に呑み付けない本物の麦酒の味に、
流石の僕でも、呑み慣れた密造酒の様な酒との違いに唸ってみる。
◎「チャーシューつけ(魚介)」一一五〇円+「中盛」無料
…さて、〆の晩餐は奮発して、叉焼てんこ盛りのつけ麺にしてみる。
つけ麺は柚子風味と魚介風味の二種類が有るが、「魚介」の方が無難か。
叉焼は四種類用意されており、内、二種類は二枚ずつ入ると言い、
何れが良いか訊かれ、「ローストポーク」、「煮豚バラチャーシュー」で発注。
麺麻は「穂先」、「極細」、「極太」の三種類の中から「極太」で。
麺の量は中盛り迄が無料と言うので、酔った勢いで御願いする。
麦酒を呷り、すっかりヘベのレケに成った所で、つけ麺の御出座し。
十五分程経過しただろうか、既に店外には待ちが発生している。
具は別皿で提供され、豪華さを演出して呉れるが、洗い物が増えて大変だなと、
要らぬ心配をしてしまい、麺の上に乗せて呉れても良いのになと…。
つけ汁に叉焼を始め、具材一式を移動したら、麺を手繰り、いざ啜ろう。
つけ汁は粘度が高目の魚介豚骨で、所謂一つの「またおま」系。
最近は面白味に欠けるので回避していたが、偶には良かろう。
魚粉も投入され、ドロッと濃厚だが、調子付いて麺をどっぷり浸すと、
あっと言う間につけ汁が無くなりそうなので、元々の量は少な目。
欲を言うなら、余計な心配をせずに、美味しく頂きたい。
麺は綺麗に梳かして盛り付けられており、枯山水の玉砂利の砂紋の様で美しい。
冷水で確りと〆られ ポキポキとした腰が効き、しなやかさも感じられる。
表面はややツルっとしているが、つけ汁がべっとりと絡んで来る。
さあ、具沢山の叉焼に取り掛かろう。
先ずは二枚で御願いした「煮豚バラチャーシュー」から。
味付けしたバラ肉を吊るし焼きにして、自らの脂で燻した肉本来の旨味と、
燻製の香りが楽しめると言い、香ばしさと煤けた風味が馨しい。
同じく二枚の「ローストポーク」は、此方の一押しと言う。
真空低温調理を用い、肉の旨味を閉じ込めたと言い、ムニッとして肉感的。
一枚の「炭焼きチャーシュー」は、脂身の肩ロースを二時間以上茹で、
特製のタレに漬け込んで炭火で炙った物で、此れ又、香ばしくて肉肉しい。
そして、「しっとり鶏チャーシュー」は、低温調理でしっとり仕上げた胸肉に、
秘伝のタレを塗って炭火で炙ったと言い、潤いを保ち、パサつきは無い。
極太の麺麻は食べ応えが有り、一口噛むと、麺麻の旨味が拡がると言う触れ込み。
他には海苔と貝割れ大根。
流石に此処迄来ると腹がくちく、些かの後悔を感じなくはないが、
二〇一五年二月二十九日以来、二年六ヶ月半振りの味を堪能し、
最後はつけ汁を飲み干し、臨月の様な腹を抱えて店を出るポンコツおぢさん…。