…昨日。
今週も何とか土日の休日を確保出来、ホッと一安心だが、来週は土曜日出勤で、
流刑地最後の業務と成り、夜遅く迄掛かるだろうな…。
さて、此の日は、晩は大山で呑み会の為、どうせ都内に出るのだから、
用事を一遍に済ませてしまおうと、伸び切った頭髪を切り落としに出掛ける。
十四時の予約を前に、ちょいと軽く一杯飲り、ラーメンを頂こうと、
最近は専ら、此方がお気に入りで、表参道への経路は面倒だが、まあ良かろう…。
…店に着くと、流石は学生の街だけあり、スーパーフリー構成員の様な、
今時のチャラチャラした、室内でシャッポを脱ぐと言う礼儀も知らない様な、
ゆとり世代が溢れており、略、満席に近い状態に一瞬怯む。
取り敢えず、券売機で一通り食券を購入し、嫌だが、其の隙間に挟まり着席。
大陸系と思しき女性店員氏から瓶麦酒とコップを受け取り、手酌で注ぐ。
グイッと呷れば、チンカチンカに冷えており、駅から歩いて火照った身体に、
スーッと染み入る様で、昼間と言う背徳感も相俟って、実に痛快だ。
店主氏から「摘んで下さい」と、例の御通しを受け取る。
叉焼の切り落としにテレレをぶっ掛けた物と麺麻。
…さて、ラーメンはと言うと、此方では鶴ヶ島時代からつけ麺が素晴らしく、
最近はずっと「つけチャーシュー」に御執心なのだが、以前は券売機に、
ちゃんと「つけチャーシュー ９８０円」の釦が有り、食券を購入出来たが、
前回から、夏季限定の「冷しめん」の釦に差し替わってしまい、
仕方無く「つけめん ７３０円」の釦を押し、食券を手渡す際に、
「つけチャーシュー」に変更したい旨を伝えたら、一〇五〇円なので、
追加で三二〇円と言う事で、あれ？九八〇円ではなかったのかなと、
懐疑的に成ってしまったので、今回は無難に、つけ麺ではなく不本意だが、
釦がちゃんと有る「よし丸チャーシュー」で妥協する…。
ラーメンは麺の茹で時間が三分の為、麦酒を急ぎ目で呷る。
麦酒を三分の二程を呷った所で、「よし丸チャーシュー」の御出座し。
丼を覆い尽くした叉焼の大きさが圧巻で、たじろいでしまう。
此方のラーメンを頂くのは、鶴ヶ島時代を含め、初めてではなかろうか。
いざ、蓮華を手に取り、プースーから啜る。
無化調を売りにしているだけ有り、優しい味わいで、えげつなさが無い。
「よし丸らーめん」は魚介と豚骨の合わせ技で、此方の一番人気と言う。
此方の豚骨スープは、豚の頭のみを使用し、只管、スープと睨めっこで、
丁寧な灰汁取り作業、火加減、スープの色、匂い、蓋の開閉を調節し、
豚の頭が砂状、粉状に成る迄、丹念に煮込んで混ぜると言う。
魚介スープは拳骨をコトコト八時間以上煮込み、此れも火加減の調節を行い、
魚をぎゅうぎゅうに押し込み、出汁が出たら急冷保存し、
豚の油に魚の香り付けをし、此の油でプースーに蓋をし、香りと旨味を保ち、
其の両方を合わせたプースーで、何とも滋味深い。
麺はと言うと、店内奥の「栗原製麺室」で打たれる自家製麺。
国産最高級小麦二種類を使用し、特別な粉末梘水を使用し、
準強力粉と中力粉の配合で、ツルツル、モチモチ感を意識していると言う。
麺の量は二五〇グラムと言うが、太さが有るので、もっと量感が有る。
表面はツルツルし過ぎず、程好いざらつきが心地好く、粉の風味も強い。
さて、ド迫力の叉焼だ。
特大バラ肉使用し、普通は板状のバラ肉を四分の一に切ると言うが、
此方では二分の一、即ち、倍の大きさで、厚さも極厚、一センチメートル有る。
二倍の大きさで肉をじっくりと、時間を掛けて煮込むとトロトロに成り、
肉を緩く巻き、煮込んでいる間に更に大きくさせると言う。
原価超過と言う圧巻の叉焼は、前回の「ネ申月豕」には及ばないが、
ブリンとした大きな、肉厚な、軟らかく蕩ける物。
具は他に、極太の麺麻が二本、叉焼のタレで煮ると言う味付け玉子が半個、
海苔、葱が加わり、満足度の高い一杯だ。
最後は健康的なプースーも飲み干し、存分に堪能して表参道に向かうポンコツ…。
