続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「ラーメン二郎 三田本店」【三田】

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◆「ラーメン二郎 三田本店」【三田】

 ◎「ラーメン」六〇〇円

 …昨日。
  流刑地での蟹工船乗船生活も、御役御免と言えば聞こえは良いが、
  言ってみれば惨敗で、血尿が噴出する思いで頑張ったにも拘わらず、
  報われない事と言うのは、世の中には有るのだなと、意気消沈気味だ…。
  さて、話は遡って昨日。
  此の日も朝から池袋に出向き、残務処理を熟す。
  十三時を過ぎ、届け出関係の用事も有り、赤羽橋へと出掛ける。
  赤羽橋…。
  田町、三田が近いな。
  と言う事は、彼処、行っちゃう?
  回教の聖地は黙加だが、「ラーメン 二郎」の聖地と言えば三田。
  二〇〇七年十二月十七日以来、九年九ヶ月半振りに巡礼に訪れる。
  そうは言っても、別段、ラーメンヲタクでもヂロリアンでもないので関係無いが。
  十四時の五分前に到着すれば、店外には一〇人の待ち。
  此れならば、全く以って御の字だと、暑さが戻って来た中をヂッと待つ。
  其れにしても、夏を思わせる陽気で、ラーメン日和とは言い難い。
  そして、十五分程の後、漸く食券を購入する段に成り、約一〇年振り、
  折角の聖地なので、「ぶた入りラーメン」にしようと思うも、
  一〇年前の三十一歳なら兎も角、今や満身創痍の初期高齢者だ。
  大人しく、「ラーメン」の青い食券を購入し、其の後、食券を提示する。
  程無くして、一番端っこのカウンター席に膝送りで入れて貰って着席。
  食券を置き、冷水を受け取り、厨房内の様子を眺める。
  創業者氏は端っこで見守っており、若手二名で主に切り盛りしている。
  一〇分程で、「大蒜入れますか?」と訊かれ、「無しで、脂、辛目で」と。
  もう、野菜を増す程の腕白さは消え失せ、大人しく身の程に合った量で十分。
  野菜増しを御願いしていないが、盛り付けの最後に野菜を一山増され、
  野菜の山を手で抑え乍ら、プースーを少し捨てられてから差し出される。
  約一〇年振りのラーメンは、神々しく、雄々しく、存在感が有り、
  其れと同時に、脂に塗れて丼はヌルっとぎらついている。
  蓮華の備えが無いので、滑る丼を慎重に持ち上げ、傾け、口から御出迎え。
  プースーを啜れば、表面の油層が雪崩れ込み、口内は一気に油塗れ。
  油層を追い掛ける様にして、乳化した、円やかでコクの有る、
  何とも言えない、暴力的で蠱惑的な、パンチの効いた味わいに打ちのめされる。
  嗚呼、最高だ…。
  豚の旨味が此れでもかと、存分に染み出し、迸る豚の滋養に平伏す。
  野菜の山に取り掛かれば、湯掻き立てではなく、冷めているので、
  猫舌には非常に有難く、熱さを緩和するには丁度良い。
  クタッとした茹で加減も好みで、辛目にした醤油ダレの味わいも良い。
  麺はと言うと、デロンとした太い平打ち麺で、粉の風味も強く感じられる。
  プースーを吸い、油分を吸い、旨さを増し、次第に軟らかさも増して来る。
  最近は「池袋東口店」の腰の効いた、ミシっとした麺に慣れてしまったので、
  何だか妙に新鮮で、病院食の様なデロっとした感じも悪くないなと。
  其れにしても、気温の高さと、一番奥の席で空気の吹き溜まり、
  熱が籠る場所と言うのも相俟って、汗が噴き出して止まらずに難儀する。
  浴用タオルが必要な程で、旨いのは良いのだが、暑いのでストレスが溜まる。
  気を取り直して豚だ。
  一センチメートル程の厚味の物が二枚入り、此れを齧れば、
  フワッ、トロン、ホロン、と言う擬音がぴったりな出来で、正に「ネ申月豕」。
  「ぶた入りラーメン」にすれば良かったと後悔するが、此の劣悪な環境じゃ、
  ゆっくりと味わって頂くのは不可能なので、又食べたいと思う位が良かろう。
  汗だくで不快だが、ラーメン自体は至って美味しく頂き、大満足。
  今から一〇年程前は、極めて近くで労働していたので、何度か頂いたが、
  今と成っては敷居が高く、二の足を踏んでしまうが、ヂロリアンではないので、
  次は又、一〇年後かしら…。