◆「ラーメン二郎 池袋東口店」【池袋】
◎「ぶた入りラーメン」八〇〇円
…昨日。
此の日は終日池袋での業務。
翌日からは四連休予定だからと、何とか堪えて残務を熟す。
十三時半を廻り、隙を見付けて、息抜きと腹拵えに外へ出る。
何だろう。
気を遣い乍らと言うか、隙を突く様にして昼御飯を食べる程に肩身が狭い。
独りだけ村八分の様な仕事をしているからな…。
さて、向かう先は唯一つ。
週に一度の御愉しみの此方の定点観測に向かわねば成らない。
休憩時間も限られているので、急ぎ足で南池袋へと急行する。
十二分掛けて到着すれば、店外に待ちは無く、先客は五名。
直ぐに店内に入ろうとするも、空気を読めないのか、列を詰めずに突っ立って、
店内は六人待ちと言う規則を知らない客が居り、入れずに苛々が募る。
席が回転し、何とか店内へと進み、券売機で何時も通りに食券を購入。
厨房内は何時もの若手二人体制で、ロケット団と同じ編成。
食券の改札を受け、麺の硬さを訊かれ、「普通で」と御願いし、
冷水を汲み、蓮華を手に取り、程無くして端っこの席にヨッコイショーイチ。
そして、店着から十二分で無料の乗せ物を訊かれ、「脂で」と告げる。
丼を受け取り、手元に下ろし、先ずはプースーから啜ろう。
前々日は同じくエヌエス・プランニング社の「新宿歌舞伎町店」で、
非乳化のすっきり系を久し振りに頂いたが、此方は安定の乳化傾向。
白濁し、表面に薄っすらと油層が構築され、味わいは円やかでコクが有る。
思わず、「ああ゛ー」と唸り声を上げてしまいそうな旨さだ。
此れだ、此れだ、此の味わいだ。
大して待たずに頂けるし、第一、長時間並んで何かを食べる気力はもう無い。
豚の越幾斯、旨味が迸る、躍動感すら感じられる。
野菜には卓上の醤油ダレをドレッシング感覚でぶっ掛けて頂く。
シャキシャキとクタクタの中間よりややシャキシャキ寄りの茹で加減。
此れも平常運転で素晴らしい。
味付け脂に成ってから二ヶ月弱だが、もう、此れでないと物足りないわね。
麺も至って通常通りのミシっとした噛み応えが秀逸な自家製麺。
粉の風味がふんわりと鼻腔を駆け抜け、絶妙な食感が口内を支配する。
さあ、豚だ。
最近は好不調の波が有ったが、今回は脂身と赤身の均整が取れた物。
端っこの部位は赤身がホロっと解れ、味が染みていて、脂身の部位は、
ブリンとして、トロントロンではないが、蕩ける感じは及第点。
後続も多数で、背後から圧を掛けられている様で落ち着かない。
十二分で食べ終え、丼を上げ、台拭きで拭き、「御馳走様でした」と伝え、
「毎度如何も、御粗末様でした」と返して呉れる。
十二分掛けて来て、十二分待ち、十二分で食べて、十二分掛けて帰る、
四十八分間の満足度の高い、忙しない昼休憩がこうして終わる…。