続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「麺処 花田」【池袋】

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◆「麺処 花田」【池袋】

 ◎「味噌つけめん」八九〇円

 …火曜日。
  寄る年波には抗えないのか、又、後厄だからか、如何も、体調が芳しくない。
  先週の胸焼けから始まり、胃痛、胃凭れ、食欲不振と続き、仕舞いには、
  深く呼吸をする度に左肺に痛みが走り、其処へ来て、仕事の繁忙が重なる。
  矢張り、もう若くはないなと痛感し、人生の終焉を感じずには居られない…。
  身体が容易じゃないと、心も何だか萎えて行く。
  尤も、年柄年中、萎えているが…。
  さて、話は遡って火曜日。
  昼時に成ると、一応は腹の虫が喚くのだが、食べたいと言う欲求は然程無く、
  食べずに遣り過ごせなくはないのだが、気分転換の外出も兼ねて、
  外気を吸いに、池袋の街を彷徨く。
  定点観測も兼ね、ラーメン店が犇めく一画へ向かうと、おっ、空いている。
  何時もの御馴染みの見慣れた光景である大行列は無く、すんなりと入れそうだ。
  此れは、食欲は無くとも食べよ、と言う思し召しだろうと勝手に解釈し、
  先月十九日以来、二週間振りの此方へと突撃する。
  以前は常に大行列、大混雑の為、昼休憩に御邪魔する事は困難なので、
  自然と回避していたが、最近は偶に、こう言った日が有るので助かる。
  店内の券売機で何時もの食券を購入し、二、三名の待ちの後続に接続し、
  女中さんが食券を回収に来て、「野菜、半ライスで」と御願いする。
  どうせ勧められるのだから、其れを鮸膠も無く断るのは本意では無いので、
  ならば、端から御願いしようと言う、自分なりの気遣いだ…。
  数分の後、席が空いた様で促され、中華鍋近くの席にヨッコイショーイチ。
  社長氏は居らず、変な緊張感は無く、店員氏も伸び伸びと労働している感じ。
  中華鍋から立ち上る火柱の赤をぼんやりと眺め、一〇分程で配膳される。
  最近は定期的に頂く事が出来ているが、何度見ても心躍るわぃ。
  さて、蓮華を麺の器へと除け、麺を手繰り、つけ汁に浸して啜ろう。
  新規開店当初の二〇一〇年から何度と無く通い、混雑の為、数年の空白の後、
  今年、七月以降、四度御邪魔して頂いているが、何度頂いても旨いわね。
  粘度が高いドロドロのつけ汁は、大蒜のパンチが微かに伝わり、
  厳選された拳骨、鶏ガラ、モミジを合わせて煮込んだ後、豚足、
  背脂を入れたスープに細かく切った玉葱、人参、長葱の青い部位、
  じゃが芋、出汁昆布を加え、野菜を潰し乍ら六時間以上煮込み、
  スープを一日冷やして完成させると言う、「花田系」と謳う濃厚な味わい。
  粘度が高く、ともすると、重たく感じ勝ちだが、野菜が多く含まれている所為か、
  胃袋にヅシンと来る様な重さは無く、何処か優しみすら感じられる。
  麺は「三河製麺」製の太麺で、茹で時間に一〇分を要する。
  噛むとミシミシと音がしそうな程で、ギュッと引き締まって、詰まった感じ。
  高気密で、弾力が強く、強靭な腰が力強さを感じさせ、噛んで愉しい麺だ。
  具の炒め野菜で口を火傷しつつ、刻み叉焼を御数に御飯を頬張る。
  即席の味噌叉焼丼は素敵だ。
  其れにしても、同時に右隣に着席した独りぼっちの女性客は豪快で、
  「味噌つけめん」に「チャーシュー」、「バター」を追加した様で、
  食べ始めてから、此の味に嵌ったのか、「半ライス」を呉れと催促する程。
  店側の無料の厚意とは言え、端から御願いすれば良いのに。
  世の中、結構、自由なのね…。
  そんな隣客を尻目に、つけ汁を飲み干し、そそくさと店を出る太っちょおぢさん。