続・ROCK‘N’ROLL退屈男

続・ROCK‘N’ROLL退屈男 B面⇒https://twitter.com/RandR_taikutsu

「麺屋 六文銭」【宮原】

◆「麺屋 六文銭」【宮原】

 

 …昨日。

  今週も何とか四日間を乗り切り、二週連続の三連休に逃げ込む。

  今週は矢鱈と忙しく、四日間で五日分の仕事を熟すのは疲れるわね。

  此の三連休は給料日前なので、大人しく、ひっそりと暮らすしか無い。

  そんな三連休の初日の土曜日。

  せめて幕開けを華々しく飾ろうと、昼御飯は二週間振りの此方に決定。

  最近、此方に御邪魔すると決めたら、何だか嬉しく成ってしまう程。

  性格的に、嵌ると一辺倒で、食傷気味に成る迄食べ続けてしまうのが玉に瑕…。

 

f:id:taakun_latitude88north:20190922080003j:plain

 ◎「サッポロラガー中瓶」五五〇円

 …硝子戸を開けて店内に入り、先ずは券売機で食券を一通り購入し、

  女将さんに手渡し、何時もの端っこの止まり木にヨッコイショーイチ。

  減量も兼ねて、えっちらおっちら歩いて出掛けたのには訳が有る。

  そう、昼間っから、然も、正午の一〇分前に到着し、午前中からちょいと一杯。

  赤星の瓶と洋杯を受け取り、手酌で注ぎ、グイっと呷れば爽快な苦味が駆け抜ける。

  サッポロビールの前身・開拓使麦酒醸造所から、創業翌年の明治一〇年、

  一八七七年に発売された、現存する日本最古の麦酒銘柄ならではの安心感。

  熱処理麦酒の確りとした厚味の有る味わいが特徴で、苦味が心地好い。

 

f:id:taakun_latitude88north:20190922080638j:plain

 ◎「中盛もりチャーシュー」一二一〇円+「味付け玉子」一一〇円+「のり」六〇円

 …一頻り、麦酒の苦味に酔い痴れ、至福の時間を味わって居ると十五分弱で、

  待望の、愛しのつけ麺が配膳される。

  「もりチャーシュー」は四月二十七日以来、約五ヶ月振りと御無沙汰だが、

  此のデロンと寝そべっている巨大な叉焼は、圧倒的な威圧感が有る。

  さて、先ずは麺の上の叉焼、茹で野菜、海苔をつけ汁に移したら、

  後は心置き無く、存分に旨いつけ麺をじっくりと堪能しよう。

  麺を手繰り、茶褐色のつけ汁にドヴンと浸して啜れば、安心、安定の味わい。

  「東池袋大勝軒」譲りの甘酸っぱさが心地好く、其れで居て、動物系の出汁が、

  どっしりと効いており、魚介も程好く薫り、円やかで角の取れた味わい。

  国産素材のみを厳選した完全無化調に拘り、滋味溢れる旨味が迸る。

  動物系の出汁は、豚背骨、鶏胴ガラ、拳骨、鶏油、豚背脂、豚頭骨、鶏足、

  鶏頭から炊き出され、薄っぺらさの無い、重厚だか軽やかな口当たりが好きだ。

  麺は、旧「六文銭」、現「フレンチバル セゾニエ」で打たれた自家製麺

  昨年春頃から、既製の全粒粉から、自家製の全粒粉に変えたとの事で、

  玄小麦を仕入れ、より香ばしくする為に炒り、石臼挽きしていると言う拘り。

  澱粉等の混ぜ粉を使い、茹で時間を短縮し、もちもち感を出す事も出来るが、

  小麦本来の香り、風味が損なわれるので其れをせず、麺を口に入れた瞬間、

  広がる小麦本来の香りと風味全てを引き出す為、北海道産一〇割で、

  全粒粉を始め、四種類を独自に配合していると言い、麺自体に旨味が有る。

  実直な仕事振りが伝わる麺は、口の中で躍る様な食感で、噛んで居て愉しい。

  そして、御店主御薦めの食べ方を真似するのが今回の目的だ。

  別皿で提供される海苔で、麺を巻く様にして手繰って浸して頂く。

  海苔のパリッとした食感と磯の薫り、つけ汁の旨味と麺の粉の風味が味わえる。

  最近、ラーメンに於ける海苔の重要性を頓に感じている。

  さあ、具に取り掛かれば、巨大な叉焼火炎放射器で軽く炙られて香ばしい。

  つけ汁の熱で脂身がとろとろに蕩け、箸で千切って頬張れば、身悶えする旨さ。

  勿論、矢も楯も堪らず、麦酒を呷るのは当たり前。

  然し、寄る年波には抗えないもので、脂身はそうそう身体が受け付けないので、

  通常の「トッピングチャーシュー(40g)」の部位の方が丁度良いか。

  そうは言っても、此の那須高原豚の質の良さには目を瞠る。

  味付け玉子は安定の半熟度合いで、黄身がねっとりと濃厚で、御手本の様。

  最後はつけ汁を残らず飲み干し、良い心持ちで退店し、とぼとぼ帰るおぢさん…。