続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「市場食堂 花いち」【吉野原】

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◆「市場食堂 花いち」【吉野原】

 

 ◎「海老フライ スペシャルわがまま丼(カニ汁付)」二八五〇円

 

 …其れにしても、昨夜の颱風は中々に強敵で、起きている間に通過するのは久し振り。

  風雨は凄かったが、建て付けも悪くないので事無きを得たが、

  甚大な被害が出た地域も有る様で、心より御見舞い申し上げたい。

  三連休の中日の今日は元々、先月に続いて、父親の故郷でもある上田へと、

  玉子を探し求めに出る予定だったので、朝一で高速道路の状況を確認すれば、

  通行止めも無い様なので、八時半前に出立。

  途中、荒川に架かる上江橋を通れば、河川敷の運動場や孔球場は跡形も無く、

  全て濁水の下に沈み、見た事の無い光景に被害の大きさを思い知り、

  遠くに綺麗に見える富士山との対比が何とも皮肉だ…。

  国道二五四号線を北上すると、突如、東松山市に入る手前の交差点で通行止めに。

  脇道から迂回を試み、途中、再度、高速道路の状況を確認したらば、

  何時の間にか、関越自動車道上信越自動車道が通行止めに変わっている。

  当たり前だが、此れは無理だと諦め、突然、今日一日が暇に成る…。

  上田市も国分付近で千曲川が氾濫したと聞くので、此ればかりは致し方無い。

  当てが無く成り、思い付きで秩父方面にとも思うが、御多分に洩れず、

  国道二九九号線も通行止めで、今日は大人しく、ぶらっとして帰ろうかね。

  どうせなら昼御飯を済ませて帰ろうと、遠出で金を使う事も無くなったので、

  何か旨い物を豪勢にと、思い付いたのが大宮総合食品地方卸売市場内の此方。

  一〇年以上前に一度だけ御邪魔した事が有るが、様々な媒体の取材を受けており、

  地元では有名で、昼時は大概、大行列が出来ているが、今日は流石に、

  十一時半過ぎと時間が早く、颱風一過の病み上がりの様な日だけに空いている。

  店内に入り、食卓席にヨッコイショーイチし、献立表を眺める。

  此方は海鮮丼と巨大な海老フライが有名なので、其の両方が味わえる物が良い。

  第一希望は「海老フライ うに丼カニ汁付)」だが、如何せん、三三〇〇円…。

  石油を掘り当てるか、皇室関係でないと無理なので、敢え無く断念。

  止むを得ず、我が儘にも「海老フライ スペシャルわがまま丼(カニ汁付)を発注。

  すると女将さんから、海老フライは有頭だと一本、無頭だと二本と言われ、

  目刺でも柳葉魚でも尾頭付きが縁起が良いので、有頭海老で御願いする。

  厨房内は男性の板さん一名、後は複数名の女性店員氏で切り盛りしているが、

  熟女の中に、金髪のギャルギャルしい感じの若くて綺麗な女性店員氏を発見。

  言っちゃ何だが、如何してこんな所に!?と言う程で、おぢさん、ほの字…。

  目が♡に成っていると、十五分程で女将さんが配膳して呉れる。

  ギャルが良かった…。

  気を取り直し、盆の上に集中すれば、何とも華やかで豪勢で賑やかだ。

  海老フライに檸檬を搾り、卓上の中濃ソースをぶっ掛けた後、

  海鮮丼にも誤って中濃ソースを掛けない様に確認し、醤油をぶっ掛ける。

  先ずは蟹汁で喉湿しをし、丼を持ち、「スペシャルわがまま丼」に取り掛かる。

  構成は鮪の中落ち、甘海老二本、蟹の解し身、飛び子、鮭卵、雲丹、錦糸玉子、

  貝割れ大根、葱、そして別皿で鮭卵が付き、此りゃ良いわぃ。

  鮪は剥き身で、脂の乗りは多くはないが、ねっとりとして鮪の旨味が感じられる。

  甘海老は尻尾を取り、ぷりっとした身を堪能したら、頭をチウチウと吸い、

  海老の脳味噌、脳漿を残らず吸い取り、海老味噌を存分に味わう。

  蟹の解し身はしっとりとして、甲殻類の旨味、プリン体が滲み出ている。

  飛び子は細かな粒々が口内で忙しなく弾け飛び、此れ又、足の親指が悦んでいる。

  鮭卵は醤油漬けで、別皿の物も山葵を溶かして、追い鮭卵宜しく、ぶっ掛ける。

  出汁醤油の味わいと、ぷちぷちと、プリン体の爆薬が次々に誘爆する食感が快感。

  巷では若い婦女子が挙って、芋の木の塊根入りの牛乳紅茶を飲んでいる様だが、

  個人的には、芋の木の塊根の代わりに鮭卵を入れた方が美味しいと思うのだが…。

  雲丹は身が小さく控え目だが、明礬臭さは丸で無く、甘味の有る上質な物。

  さて、海老フライはと言うと、頭からヴァリヴァリと、髭や目玉諸共に齧る。

  口内が血だらけに成らない様に慎重に、頭蓋骨、脳味噌、脳漿をじっくり味わう。

  身は安心、安定の甲殻類なので、弾力が有り、ぶりんぶりんしている。

  中濃ソースとタルタルソース、練り辛子の競演が実に美味しい。

  海鮮丼もぺろりと平らげてしまい、件の金髪美人ギャル店員氏が会計をして呉れ、

  ギンギラギンにさり気無く、冷めた仕草で熱く見て、釣りは要らないとは言えず、

  ちゃんと受け取るポンコツおぢさん…。