◆「元祖田舎っぺ 北上尾店」【北上尾】
…生きる希望の週末の休日も、あっと言う間に過ぎ去ろうとしている。
明日からの一週間を思うと、全身に鉛の重りを付けられた様な心持ち。
悪夢に魘され、夜中に何度も目が覚め、今朝は八時前に何とか起き出し、
午前中は極めて自堕落に過ごし、正午を前に漸く動き出す。
先週の「本手打ちうどん 庄司」と比べたくて、昔からの御馴染みの此方へ。
店外には二組の待ちが居り、名前を記入し、一〇分一寸待ち、やっとこ入店。
◎「名物きんぴら」二二〇円
…相席で何とか席にヨッコイショーイチし、一通り発注を済ませる。
其れから一〇秒一寸で配膳されるのが、此方の名物の金平牛蒡。
野菜嫌いの僕だが、此方の金平牛蒡だけは別格で、好んで頂く程。
牛蒡は軟らかく、丁寧な仕事が為されている事が窺え、胡麻油が香ばしく、
一味唐辛子の辛味は程好く、何とも香ばしく、旨味たっぷりで秀逸。
此れを摘みに一杯飲りたいが、通信販売で取り寄せるより手立ては無いわね。
◎「肉ねぎ汁(大盛うどん)」七七〇円+「ほうれん草」一一〇円
…さてさて、饂飩はと言うと、毎度の「肉ねぎ汁」。
武蔵野饂飩の基本と言って良いだろう。
此方では、限定三〇食と言う「なす汁」、名物と言う「きのこ汁」、
此の二つが推しの様だが、如何も、肉っ気が無いと寂しい性分なので…。
いざ、麺を一本手繰って浸したら、勢い良くつるっと啜る。
つけ汁は甘塩っぱく、豚バラ肉の旨味が染み出した、武蔵野饂飩の御手本。
炒めた葱の香ばしさも有り、深谷生まれとしては堪らない。
饂飩の「特大盛り」は「もり」の一.五倍の量と言い、「1kg」はと言うと、
「もり」と「大盛り」を合わせた量と言い、では、「大盛り」は何瓦?
丸で、算数の問題の様だが、此れを解いてみよう。
算数が苦手なので合っているか如何かは分からないが、「もり」は約四四四瓦、
「大盛り」約五五五瓦、「特大盛り」約六六六瓦、「重ね盛り」約八八八瓦か。
五五五瓦と言う量は、数字だけ見れば随分と多く感じるが、麺一本一本が太く、
重さが有るだけなので、量感としてはそんなには無いと言う印象。
小麦粉の美味しさを最大限引き出した、究極の饂飩作りを追求しており、
打ち立て、出来立てを提供する事が最大の拘りと謳っている。
生地を仕込み、熟成させ、 一番美味しく食べられる頃合いは、
ごく短い時間だと言い、水の配合分量を変える事で、四段階に仕込みを分け、
各時間帯で一番良い状態に熟した生地を延ばして麺を作っていると言う。
其の拘りに恥じない、粉の風味が感じられ、強烈で強靭な腰が心地好い。
表面はややザラッとして、太さが不揃いなのが食感を愉しませて呉れる。
噛むと、口の中であうんあうん言ってしまいそうな程。
前回に続いて、追加で菠薐草も付けてみる。
此の手の醤油味のつけ汁には滅法良く合い、相性は抜群で、柚子の香りが良い。
最後は茹で汁での饂飩湯割りはせず、つけ汁を其の儘に飲み干して御馳走様。
埼玉県人は此の手の粉物が大好きだが、道理で肥える訳だ…。