続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「手打蕎麦 木挽庵」【北大宮】

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◆「手打蕎麦 木挽庵」【北大宮

 

 ◎「天付そば」一七六〇円

 

 …遂に一年のどん突き、大晦日

  毎日毎日、辛く永く感じたが、過ぎ去ってしまえばあっと言う間。

  そうやって年老いて、衰えて、枯れて、朽ちて死んで行くのだろう…。

  此の世に長居は禁物だ。

  そうは言っても、簡単には死ねない様なので、こうして大晦日を迎えている。

  一〇時に家を出て「角上魚類」に向かえば、随分と手前から渋滞。

  年末年始の買い出しにと、寿司、生牡蠣、蟹、鮭卵、鱈子、海鼠、鮪、間八、

  雲丹等々を散財して、帰宅して冷蔵庫に詰め込んだら、さて昼御飯だ。

  昨年に続いての此方へと、九月二十九日以来、三ヶ月振りの訪店。

  十一時半過ぎの為、駐車場も空いており、重厚な木戸を開けて店内へ。

  片付けるのを待ち、食卓席にヨッコイショーイチ。

  移転前は、大晦日と成れば引っ繰り返る様な忙しさで、其の煽りを喰い、

  一昨年は「天付そば」を発注して、肝心の天麩羅を忘れられる憂き目に遭ったが、

  移転後はゆったりと時間が流れており、落ち着いて過ごせるので助かる。

  献立表を捲り、昨年は「天付鴨汁そば」を頂いたが、今回は「天付そば」に回帰。

  発注を済ませ、冷茶を啜り、出来上がりをヂッと待つ。

  厨房内はと言うと、平時よりは人員配置は多いが、移転前の比ではない。

  十五分程で、天麩羅を忘れられる事も無く、盆に乗せられて配膳される。

  蕎麦つゆに薬味の山葵、大根卸、葱を投入したら、蕎麦を手繰って啜る。

  冷水で確りと〆られ、蕎麦はポキポキと音がする程に腰が効いている。

  如何も、本格的な蕎麦屋では温かい蕎麦を頂く気に成れず、冷たい蕎麦に限る。

  手打ちらしい不揃いな感じも良く、鼻腔を蕎麦の薫りが駆け抜けて行く。

  蕎麦粉は信州は戸隠産の物を使用しているとの事で、信州産とは嬉しい。

  蕎麦に関しては門外漢、珍紛漢紛で分からないが、此方はと言うと、

  「浦和一茶庵」から暖簾分けをし、其の大本は「足利一茶庵本店」と言う。

  するすると喉の通りが良く、清涼感が有り、ペロッと行けてしまう。

  蕎麦つゆは甘からず、辛からず、旨からず、言う様な事は丸で無く、

  何方かと言うと大人し目と言うか、やや甘目で、もう少し強めでも良いか。

  天麩羅は獅子唐辛子、南瓜、茄子、湿地、海老の五種。

  特に海老は大振りで、噛り付けば衣はサクッと、身はブリンとして甲殻類の旨味。

  外で頂く天麩羅は、如何してこんなにも軽い仕上がりで旨いのだろう。

  最後は蕎麦湯を堪能し、年越し蕎麦を平らげる、来年は大殺界の駄目人間…。