続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「手打蕎麦 木挽庵」【大成】

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◆「手打蕎麦 木挽庵」【大成】

 ◎「天付そば」一七〇〇円

 …愈愈、今年も押しに押し迫り、どん突き、大晦日だ。
  大晦日だからと言って、ドラえもんを観る予定は無い…。
  昨日から年末年始の休暇に入り、年明けの四日迄、ゆっくりとさせて貰おう。
  今年は元日から六連勤で、正月もへったくれも無く、人間の尊厳を考えた程。
  今年は一先ずと言うか、兎に角、骨休めをさせて貰っても罰は当たるまい。
  いっそ事、骨休めから、其の儘、骨に成ってしまっても良い…。
  昨日は、心の父・大滝詠一師匠の命日なので、大人しく故人を偲び、
  今朝は七時過ぎに起床し、大掃除をする訳でもなく、極めて自堕落に過ごす。
  一〇時に成り、徐に動き出し、買い出しに大宮駅へと出掛ける。
  百貨店で帰省用の菓子折りや、魚屋で今夜と元旦の酒の肴を買い求め、
  余りの人混みに、精神緊張、心労、心的苦痛を味わう。
  十一時も廻り、取り敢えず、年越し蕎麦を啜りに出掛けよう。
  二〇一四年の大晦日以来、三年振りに此方へ。
  生憎、駐車場は満車だが、他に当ても無いので待つ事に。
  五分強で空き、駐車し、店内に入れば満席で、此れ又、五分程待って席へ。
  いやはや、店内、厨房はごった返し、てんやわんや、しっちゃかめっちゃか、
  盆暮れ正月が一遍に来た様な慌ただしさで、従業員の心中は察して余り有る。
  さて、そそくさと発注を済ませ、贅沢にも天麩羅を付けてしまおう。
  其れにしても、蕎麦屋の一年で一番の書き入れ時だが、可哀想に成って来る…。
  茶を啜りつつ、出来上がりをヂッと待つが、長丁場を覚悟する。
  先に蕎麦つゆ、薬味が配膳されるが、厨房は引っ繰り返る様な忙しなさ。
  十五分程で蕎麦が運ばれ、天麩羅は後からだろうか。
  揃う迄、ヂッと待とう…。
  五分経っても、一向に来る気配が無く、蕎麦が徐々に乾涸びて行く。
  此れは若しや、僕御馴染みの入れ忘れられだろうか。
  何せ、永平寺蕎麦屋で「天おろしそば」を発注し、天麩羅を忘れられたり、
  「ジャンクガレッジ」で何度も何度も大蒜を入れ忘れられたり、
  「よかろうもん」では醤油ダレを入れ忘れられたり、輝かしい実績が有る。
  勇気を振り絞って確認すると、案の定、忘れ去られていた様だ。
  如何して、僕の人生は何時もこんななのか…。
  矢張り、生まれて来てはいけなかったのだろう、逆子だし。
  目の前で渇いて行く蕎麦を忍びない気持ちで眺めていると、御詫びにと、
  胡瓜の漬物を振る舞って呉れ、螽斯の様に、ポリポリと食んで待つ。
  其れから更に一〇分弱で、待望の、念願の、悲願の天麩羅がやっと揃う。
  蕎麦つゆに大根卸、葱、山葵を投入し、先ずは蕎麦を手繰る。
  表面はやや渇いてしまい、蕎麦と蕎麦がくっ付いてしまったが、
  蕎麦つゆに浸して啜れば、ポキポキと腰が効いて、ひんやりと冷たくて旨い。
  蕎麦粉は信州は戸隠産の物を使用しているとの事で、信州産とは嬉しい。
  蕎麦つゆは甘からず、辛からず、旨からず、と言う事は無く、
  何方かと言うと大人し目と言うか、やや甘目で、もう少し強めでも良いか。
  蕎麦に関しては門外漢、珍紛漢紛で分からないが、此方はと言うと、
  「浦和一茶庵」から暖簾分けをし、其の大本は「足利一茶庵本店」と言う。
  ラーメンで言う「二郎系」、「家系」、「大勝軒系」みたいなものか…。
  天麩羅は大振りな海老が一本、南瓜に獅子唐辛子。
  海老は頬張るのも容易じゃない程で、衣のカラッと揚がったサクサク感と、
  ブリンとした甲殻類の食感が秀逸で、尻尾もヴァリヴァリと喰らい尽くす。
  最後は蕎麦湯で割り、グイっと飲み干し、食材の買い出しの続きに戻る…。