◆「横浜家系ラーメン 壱七家」【本厚木】
◎「ラーメン」六八〇円
…月曜日。
今週は月曜日から三日間、ＢＯＯＫ厚木で最後の蟹工船乗船。
此の過酷な蟹工船乗船生活も、約四年を迎え、間も無く終えようとしている。
此の四年間で随分と老け、疲労し、有らゆる物を磨り減らした。
未だ、確りと頭髪が残っているだけ有り難い…。
さて、話は遡って月曜日。
朝からＢＯＯＫ厚木に入り、残務を熟し、正午も廻ったので、
昼過ぎからの蟹工船乗船を前に、腹拵えだけはして置こうかしら。
川っ縁へと歩いて出掛ける気力も無く、如何も、敬遠し勝ちだ。
とは言え、実際に頂けば、心躍る程に美味しく感じるのは間違い無いが、
其処に至る迄の気力が湧かないと言うか、要するに、遠くてね…。
と言う訳で、安価に、無難に、満足度の高いラーメンが頂ける此方へ。
六月三〇日以来、約五ヶ月振りの訪店。
店内に入り、食券を購入し、端っこのカウンター席にヨッコイショーイチ。
食券を回収され、味の好みを訊かれるが、「普通で」と御願いする。
冷水を受け取り、グイっと呷り、出来上がりをヂッと待つ。
一〇分弱でラーメンが配膳され、昼時は無料の白米を装いに立ち、
先ずは蓮華を手に取り、プースーから啜ろう。
プースーは「濃まろ豚骨スープ」を謳い、豚骨を一〇〇パーセント使用し、
じっくり炊き出したと言うスープは、まったりとした滑らかな口当たりで、
口内に一気に円やかな味わいが拡がり、思わず唸ってしまう。
「壱六家」の系統を汲み、乳化したコクの有るプースーが特徴。
豚骨を炊き込んだ寸胴には、素材の旨味と技術が詰まった比類無き味わいと謳う。
最近は、同系列の「横浜家系ラーメン 魂心家」が随分と勢力を拡大しているが、
其方は未食だが、同様のまったりとした味わいなのだろうか。
麺は「長多屋製麺」の特注の中太麺だと思っていたが、カウンター席の脇に、
堆く積み上げられた麺の入った段ボールには「魂心製麺」と記されてあり、
系列の「横浜家系ラーメン 魂心家」で使用されている麺なのだろうか。
「魂心家」の麺は、「切り刃十八番」を謳っているが、此方も同じか如何かは、
ラーメンヲタクでも、美食家でもないので、僕には分からない。
唯一分かるのは、麺を硬めで発注しなくとも、十分、モッチリして旨い事だけ。
叉焼は以前より幾らか改善された様な感じで、豚臭さも無く、
むっちりと、しっとりとした食感で、ロース肉だろうか、良さが堪能出来る。
海苔は確りとプースーを吸わせ、白米を巻いて頬張る。
此方で、御飯に合う家系ラーメンと言うのを教えて貰った。
具は他に、鶉の玉子、菠薐草。
最後はプースーを飲み干すも、僕特有の運の無さか、女店員氏に気付かれず、
「まくり証明書」は貰えず、大人しく退店する、何処迄も駄目な社会不適合者…。
