…昨晩。
日中は外出したものの、最近は出掛けると直ぐに疲労してしまい、
帰宅後はぐったりと、病人の様に動けず、非生産的に過ごし、廃人も同然。
昼間の「らーめん よし丸」の「つけめん」+「全部のせ」が胃袋に居座り、
空腹感は丸で無く、時刻は十九時半に成り、如何しようかと悩む。
此の週末は奮発して、旨い物を喰おうと意気込むも、上手く噛み合わない。
然し、何も食べずに遣り過ごすのも勿体無いので、勇気を振り絞って動き出す。
最近は呑み歩く事も、誘われて呑む事も無くなったので、交際費と言うか、
外食費が大きく減ったので、其の分を回して、悲願の焼肉を頂こう。
と言う事で、二〇一五年五月十七日以来、二年十一ヶ月振りに此方へ。
◎「エクストラコールド」五二九円
…空席も有り、何とかヨッコイショーイチ出来、先ずはルービー発注。
此方では「エクストラコールド」と言う、余分にチンカチンカに冷やっこい、
暑がりには堪らないルービーが有るので、先ずは其れから頂いてみよう。
とは言え、実際に呷ってみると、そんなに冷やっこくはないのだが。
「三丁目 にしや食堂」さんの凍った大型の洋杯で頂く方が格段に冷やっこい。
然し乍ら、外でルービーを呷る事自体、滅多に無いので旨い。
◎「センマイ刺し」七四五円
…さて、摘みはと言うと、無難に朝鮮漬けでも良いのだが、矢張り、
肉らしい物が有れば、殊更に良いので、牛の第三胃袋を頂こう。
涼やかな皿に盛り付けられ、上には胡麻油と塩で和えた葱が塗され、
此れを別皿の辛酢味噌を付けて頂けば、ざくざく、こりこりとした歯触りで、
臭味も無く、食感が素敵で、麦酒が進んで仕方無い。
◎「極上ハラミ」一七一七円
…発注したクーニーは、最初に此れから来てしまう。
「厚切り上タン塩」から来て欲しかったが、まあ、仕方有るまい。
個人的に、焼肉ではカルビは無くても良いが、腹身が無いのは困る。
横隔膜、即ち、内臓で此れ程迄に旨いのだから、十分な気がする。
炭火で炙り、焼き過ぎずに頂けば、何なんだ、此の馬鹿みたいな旨さは。
噛まずとも、とろんと蕩ける様な感覚で、思わず「あ゛ー、旨い!」と唸る。
霜降りで軟らかい和牛の腹身で、稀少な部位と謳うに相応しい、絶品の肉質。
◎「厚切り上タン塩」一七一七円
…最初に発注したが、一向に来る気配が無いので確認すれば、見事、忘れられ。
何処に行っても、僕はこう言う運命に有るのだな…。
そして、やっと運ばれて来て、満を持して炙ろう。
食感の良い厚切りの上タンで、焼き上がりを早くする為、隠し包丁を入れている、
と言う触れ込みで、焼き過ぎない様に注意し、いざ頬張る。
食感の良い、と言うより、歯が要らない程、吃驚する位に軟らかく、
身悶えして、頭が可笑しく成ってしまいそうで、矢張り、肉は偉大だ。
◎「まるしんろーす」一七一七円
…もう、余り量を食べられないので、良い物を少しずつで十分。
然も、脂っこいのは厳しいので、赤身肉を頂いてみよう。
「マルシン」と言えば、ハンバーグしか知らないが、ロース肉が有ると言う。
「芯芯」とも呼ばれ、腿肉の中心に有り、軟らかい肉質が特徴と言う。
大きな切り口の物が二枚、厚味も一センチメートルは有り、鋏で切って頂く様だ。
サッと炙り、山葵を塗し、卓上の岩塩を挽いて、少し付けて頂く。
しっとりとした口当たりで、上質な赤身肉で、さっぱりの中にも肉の旨味が有る。
◎「厚切りハラミ」一〇六九円
…もうおぢいちゃんなので、十分なので〆に向かう。
最後は、高くない肉を御数に御飯を喰らう、此れに限る。
最後もカルビではなく、腹身で行こう。
ジューシーで赤身の濃い国産の腹身と謳っており、「極上ハラミ」とは違い、
霜降りは控え目で、赤身の程好い噛み応えが堪らない。
脂っこいのは二、三切れも頂けば十分で、後は、脂の少ない赤身が良い。
◎「ビビンバ」七四五円
…御飯は普通に白米でも良かったのだが、其処は其れ、堪え性の無さが顔を出し、
具の乗った、朝鮮混ぜ飯にしてみる。
然も、石焼きなんぞ、女子供が喰う物なので、男は矢張り、簡素な此れ。
具は、菠薐草、萌やし、薇の胡麻油和え、膾、素朧、刻み海苔。
此れ等を、混ぜ蕎麦の要領で、ぐちゃぐちゃに卑猥に掻き混ぜる。
無論、混ざり過ぎない様、全体がざっくりと攪拌されれば良い。
腹身を御数に、此の混ぜ飯を掻っ込めば、〆としては最高だ。
麦酒二杯、黒烏龍ハイ一杯、酎ハイ二杯も頂けば十分で、プクマンで帰宅する。