◆「ラーメン二郎 池袋東口店」【池袋】
◎「ぶた入りラーメン」八〇〇円
…昨日。
今週も何だかんだで、へとへと、くたくた、ずたぼろ、ズタボローフェアで、
此の日、金曜日に辿り着くが、華金なんて、呑気な気分にはさせて呉れず、
朝から忙しなく、そんな雰囲気がずっと続く。
中々、気分が晴れる様な、胸が空く様な事は何一つ無く、重苦しさが充満する。
一先ず、十三時半に成り、外気を吸いに、気分転換も兼ねて昼御飯に。
週の最終日に取って置いた訳ではないが、一番の御馳走の毎度の此方へ。
何時もより三〇分近く早い所為か、店に着けば、久し振りに店外に伸びる行列。
十一人がずらっと並んでいるが、普通であれば回転も早いので、まあ御の字だ。
十三時三十六分に到着し、グッと堪えて待つが、馬鹿に回転が悪い。
一〇分過ぎても未だに店内にすら入れず、苛々が募る。
十四分経ち、店内からぞろぞろと、習近平の手下が五、六人出て来る。
道理で回転率が悪化する訳だと、妙に納得する反面、忌々しく感じる。
やっと券売機で食券を購入すれば、其処からは早い。
一分で案内され、冷水を汲み、蓮華を取り、ヨッコイショーイチ。
食券を提示すれば、厨房内は此処最近の配置で、今回も若手の育成の場で、
熟練の店員氏が助手に回り、若手の店員氏が調理担当で鍛えられている。
着席から一〇分程で、「脂で良いですか？」と訊かれ、「はい」答える。
丼を受け取れば、相変わらず、松崎しげる色をした味付け脂がたっぷりと。
さて、先ずは蓮華を手に取り、プースーから啜ろう。
うん、安定した、何時もの味わい。
表面には油層が構築され、適度な乳化度が有り、すっきり感も併せ持つ。
もう、何度と無く、数え切れない程に頂いているが、立て続けに何口も啜り、
其の度に、「嗚呼、旨い！」と心の中で叫んでしまいそうだ。
評論家気取りの高名なラーメンヲタクやヂロリヤンが叩こうが、此の味は好きだ。
そんな評価は知ったこっちゃ無いし、何か言われる筋合いも無い。
プースーを啜って落ち着いた所で、今度は、野菜と味付け脂に取り掛かる。
ぷるんぷるん、とろんとろんの味付け脂を御数に野菜を遣っ付けるのが堪らん。
野菜のさっぱり感を味付け脂が補完し、味付け脂のこってり感を野菜が中和する。
卓上の醤油ダレをぶっ掛けなくなってから久しいが、此れが今の愉しみ方だ。
麺を引っ張り上げれば、濛々と湯気が立ち上り、此れが橘家圓蔵師だったら、
眼鏡が曇って、メガネクリンビューを塗らないと駄目な程だ…。
一口啜れば、ぬめっとしたぬるつきが心地好く、何かのローションプレイの様。
男は大抵、ぬるぬるした物が好き。
硬めで発注せずとも、十分に腰と弾力と張りの有る麺は、むっちり、
むにっとして、噛む毎に美味しく、粉の風味が存分に堪能出来る。
さあ、豚だ。
最近は叉焼と呼ぶべき薄切りに成ってしまい、今回は薄いのが二枚と、
端っこの部位のごろっとしたのが一つのみ…。
うん、入れ忘れられだね。
「ぶた入りラーメン」の割りには随分と寂しいなと思ったが、不慣れなのか、
まあ仕方無いが、此の程度で激高したり、苦情を入れる様な「き印」ではない。
御愛嬌だと海容な心で受け止め、じっくりと豚を噛み締める。
汗だくで食べ終え、何事も無かった様に、平然と何時もの様にふらっと退店。
～御負け～
二一七円。
