◆「ラーメン二郎 池袋東口店」【池袋】
◎「ぶた入りラーメン」八〇〇円
…火曜日。
洩れ伝え聞いた話では、如何やら、梅雨が明けてしまったらしい。
大して雨も降らず、況してや、こんなに早く酷暑に突入だなんて。
事前に電話の一本でも呉れれば、もう少し、心の準備が出来たのに。
此の先、四ヶ月も、狂った様な暑さが続くなんて、考えただけで虫唾が走る。
僕の中では、一〇月も夏なので…。
さて、話は遡って、梅雨明け前の火曜日。
月曜日は此方の定休日の為、火曜日に真っ先に御邪魔しないといけない。
二十二日の金曜日に頂いて、四日振りだが、禁断症状が現れる。
食べ物の事を考えると、此方のラーメンばかりが思い出されてしまう。
末期かね…。
十三時四十五分に店着すれば、先客六人の為、店外で待機。
然し、ものの一分で店内に入れるが、前の中年女性が馬鹿なのか、
入口を塞いでいて中に入れず、堪らず店員氏からも指導が入る始末。
如何して、周りを見ないのか、訳が分からない…。
さて、邪魔者が退いたので、券売機で何時も食券を購入する。
其れにしても、夏季限定の「つけめん」が大いに気に成るが、
「ぶた入りラーメン」+脂増しの客で通っているのに、替える訳には行かない。
厨房内は何時もの組み合わせで、変わらず、熟練のマスクの店員氏が助手で、
調理の関係で、件の中年アベックを追い越し、独りぼっちの僕が前に入れられる。
何たる幸運。
こう言う店は、金魚の糞みたいに複数人で来ちゃ駄目だね…。
冷水を汲み、蓮華を取り、一分足らずで着席出来ると言う高回転。
店着から三分でヨッコイショーイチと言うのは、実に有難い。
食券を提示し、最早、麺の硬さも訊かれず、出来上がりをヂッと待つ。
無料の乗せ物も訊かれず、助手氏から「ブー、脂」と、調理担当氏に指示が入り、
着席から五分で丼を受け取ると言う、此れ又、早業と言うべき職人芸。
先ずは蓮華を手に取り、プースーから啜ろう。
色味からすると、乳化が進んだ感じだが、実際は微乳化程度の円やかさ。
醤油ダレの切れも効いていて、均整が取れた味わいで、最近の傾向。
微妙な違いは有るが、安定した味わいで安心感が有る。
評論家気取りの高名なラーメンヲタクやヂロリヤンではないので、十分。
続いては、最早、趣味と言って良い、味付け脂を御数に野菜を頬張る。
ぷるぷるのもつ鍋のもつの様な味付け脂は、濃い味で絶妙。
野菜のさっぱり感を味付け脂が補完し、味付け脂のこってり感を野菜が中和する。
此れならば、嫌いな野菜でも際限無く食べられそうだ。
麺を引っ張り上げれば、濛々と湯気が立ち上り、熱熱なのが分かる。
ぬるっとした滑りが唇に触れ、此のぬるぬるが何とも卑猥で良い。
噛むと腰と弾力が効いているので、ぬちっと音がしそうな勢い。
粉の風味も馨しく、硬めで発注せずとも十分な腰が癖に成る。
一心不乱にわしわしと頬張る様に啜ってしまう。
豚はと言うと、此方も安定していると言って良かろう。
程好く脂身も入り、赤身の部位はきゅっと引き締まって、程好い噛み応え。
噛むとぢんわりと醤油ダレの味わいが染み出し、ほろっと解れる。
今週は一回しか頂けないが、週二回は頂きたい身体に成ってしまっている…。
~御負け~