続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「パンとステーキ キットチェント」【七里】

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 ◎「サーロインステーキ(150g)」二一六〇円+「ライス」二一六円

 …昨日。
  漸く、やっとの思いで漕ぎ着けた週末の休日。
  とは言え、何ら愉しい用事は無く、休日と言うのに早起きして、
  心の臓の塩梅が思わしくなく、紹介状を書いて貰ったので、
  二年前も診て貰った大きな病院へと出掛ける。
  受付をし、自分で体温、血圧を測らされ、問診を受け、症状を伝え、
  ヱレキテルを通電されて心電図を取り、軽く被曝してX線を撮影される。
  生憎、症状が出ていないので、「問題無し」と判断されてしまう…。
  超音波検査や、運動負荷検査をしても異常は出難いと言われ、最後の手は、
  造影剤を注射し、冠状動脈のコンピューター断層撮影をするしか無く、
  火曜日と木曜日の午後しか実施していない為、先に腎機能の検査をすると、
  看護婦さんに血管が細いと嘆かれつつ、血を三本も抜かれる始末。
  一時間待って血液検査の結果を聞き、一先ず、来週も通院する事に。
  平日に休みを取得する事が出来ないのに、如何しよう、死のうか…。
  さて、早起きと検査疲れで腹も減ったので、昼御飯を済ませて帰ろう。
  何でも、見沼区に良さ気な洋食屋が在ると聞き、現場に急行する。
  東京環状から脇に入り、住宅街を彷徨うも、中々見付からない。
  不審車の様に走って何とか見付ければ、住宅街の一軒家の洋食屋と言った趣き。
  扉を開け、更に扉を開けて中に入れば、先客は一組四名のみ。
  厨房をぐるっと囲む様に、コの字の白木のカウンターからは清潔感が漂い、
  調理工程が具に見て取れる造りからは、味への自信が窺える。
  御夫婦で切り盛りされている様で、御主人が調理、奥方が接客担当の様だ。
  献立表を受け取り、表紙を開けば、「ランチメニュー」のコースが有る。
  野菜、プースー、米か麺麭、飲料、甘味が付く「ハンバーグステーキ」、
  「牛フィレ角切りステーキ」なんてのも有る様だが、次の頁の「焼料理」に、
  「サーロインステーキ」と言う文字列が目に入り、色めき立ってしまう。
  先々週は「ステーキ 宮」、先週は「いきなり!ステーキ」を頂き、
  すっかり、週末は肉を喰らう流れが出来てしまっているので…。
  値は張るが、「和牛のロースを使って此の値段は絶対に御得です」と書かれては、
  其の味を味わってみたいと思うのが人情だ。
  「ライス」国務長官も発注し、出来上がりをヂッと待つ。
  御主人がサーロインの肉塊から丁寧に脂身を取り除き、一五〇瓦分を切り出す。
  サシの入った、見事な肉質である事は、素人目にも分かる程。
  フライ鍋でじっくりと焼き上げられ、妥協の無い仕事振りが感じ取れる。
  そして、奥方が配膳して呉れ、きちんと内容を説明して呉れる。
  肉の上に乗っているのは「ガーリックスプラウト」と言う様で、
  大蒜の芽の若い物だと言い、週末の大蒜摂取は有難い。
  そして、テレレが別容器で二種類用意され、何れも醤油が基本の大蒜の物と、
  卸醤油が有り、自家製の自慢の物の様で期待が持てる。
  一五〇瓦なので、随分と小さく感じるが、もう、量は食べられないので、
  旨い物を少量頂ければ満足なので、丁度良かろう。
  肉切りと肉刺しを不器用に駆使して、六切れ程に切り分け、先ずは、
  大蒜のテレレを掛けて頂けば、表面はかりっかりに香ばしく、さっくりとして、
  歯を押し当てれば、夥しい量の牛肉の脂が溢れ出し、宛ら、口内は大洪水だ。
  諄くない、上品で上質な脂は執拗くなく、肌理細やかな口当たり。
  大蒜の香ばしさがパンチを与え、甘味の中にも刺激が有り、其の儘、
  卓上の桃色の岩塩を白米に振り掛けて頬張れば、旨いとしか言い様が無い。
  米は自家製米と言うから、微に入り細を穿つ拘りだ。
  一方の卸醤油のテレレも素晴らしく、さっぱりとした清涼感が印象的だ。
  残念乍ら、此の腕白デヴ中年に掛かっては、一五〇瓦なんてあっと言う間だ。
  先週の「いきなり!ステーキ」の様に三〇〇瓦も頂こうと思ったら、
  五〇瓦で六五〇円上乗せと言うから、更に二一〇六円課金が必要な高級品。
  石油を掘り当てたら頂く事にしよう…。
  付け合わせはじゃが芋サラダ、湯掻いた莢豌豆、素焼きの人参と茄子。
  献立表には「ビーフシチュー」、「牛タンのシチュー」等、蠱惑的な物も有り、
  此れは是非再訪したい、隠れ家的な名店だ。