◆「塩そば専門店 桑ばら」【池袋】
◎「必殺牡蠣ミキサー」一一〇〇円
…木曜日。
先週土曜日からの五連休も、容赦無く、呆気無く終焉を迎え、
此の日から、有り触れた日常へと戻され、心身が中々追い付かない。
出社し、電子的書簡を開けば一〇〇通を超えており、気を失いそうになる…。
たった五日間だが、夏季休暇前の記憶を呼び起こす様に、徐々に慣らし、
溜まりに溜まった残務を遣っ付けつつ、社会復帰を果たして行く。
心身、脳味噌が鈍っており、何だか、終始、薄ぼんやりしている感じだ。
そんな中、昼御飯はちゃんとした物を頂こう。
夏休みで浮かれ気分のゆとり世代や、御上りさんが多いと予想して回避。
毎度の此方の「裏そば」を検索すれば、真夏だが、牡蠣を使用した物と言う。
此れは、是非とも行けと言う思し召しだろうと、一四時の一〇分前に到着。
店外の券売機の上には、未だ「裏そば」を記した白板が出ており一安心。
「本日の裏そば ◎必殺牡蠣ミキサー ¥1,100円」としてある。
同額分の食券を購入するが、満席の様で、二名の待ちが発生している。
五分程待ち、声が掛かり、漸く白い暖簾を跳ね上げて店内に入り、
食券を手渡し、「裏そばで」と御願いし、ヨッコイショーイチ。
冷水を受け取り、グイっと呷り、出来上がりをヂッと待つ。
後客の「塩そば」に二、三杯追い抜かれ、一〇分程で丼を受け取る。
てっきり、温かいラーメンかと思ったが、冷やしラーメンの様だ。
食べ終わったら御飯を投入するとの事で、食後に給仕して呉れる様だ。
さて、先ずは蓮華を手に取り、プースーから啜ろう。
ひんやりと冷たいプースーは、おおっ、正に、牡蠣!
神田の「塩生姜らー麺専門店 MANNISH」の御店主から牡蠣を貰い、
其の名の通り、牡蠣を撹拌機に掛けたとの事で、牡蠣の旨味が強烈に突き抜ける。
牡蠣の内臓の鼠色や緑色っぽい感じが妙に生々しく、牡蠣好きには堪らない。
此の牡蠣のドロドロに、鶏清湯のプースーを加えた物なのだろう。
清涼感が有るのに、旨味や濃厚なコクも併せ持ち、牡蠣の風味も強くて良い。
麺はと言うと、冷やしでは御馴染みの平打ち麺。
冷水でキリっと〆られ、笊で確りと水切りされているので、腰が効いていて、
モッチリ感が凄く、此の弾力、噛み応えは心地好く、凛々しい麺だ。
具の鶏肉は相変わらず、吃驚する程に高品質で旨く、恐れ入谷の鬼子母神。
其れで居て、しっとりとしていて、皮はぷるんとして、濃厚で旨い。
以前に頂いた「よだれ鶏の冷やし和えそば」や、先週金曜日に頂いたばかり、
「焼き煮干しポン酢の冷たい究極な卵ご飯に変わるそば」でも凄かった。
味付け玉子は黄身はねっとりと濃厚で、具は他に麺麻、海苔、鳴門、葱。
プースーと具を少し残して麺を平らげ、〆の白米を打っ込んで貰おう。
すると、御飯と共に、ポン酢の煮凝りを乗せて呉れ、宛ら、牡蠣ポン酢風味。
最後迄飽きさせない食べ方の提案に敬服してしまう…。