◆「塩そば専門店 桑ばら」【池袋】
◎「よだれ鶏の冷やし和えそば」一一〇〇円
…火曜日。
今週は何だか忙しなく、残業は良くないと知りつつも、すべき事が多く、
二〇時過ぎ迄労働する日が続き、自然と肩凝りも酷く成る。
帰宅して、風呂に入って食事をして、直ぐに寝ると言う暮らし振り。
家でゆっくりすると言う時間も無く、寝に帰るだけと言った感じ。
まあ、帰った所で、別段、何かをする気力も、したい気も無いが…。
さて、話は遡って火曜日。
未だ、週の初め、序盤と言う感じが強く、先が永く感じられる。
如何も、堪え性が無いので、昼御飯位は癒しを求めてしまう。
久し振りに此方の「裏そば」は何だろうなと検索してみると、
おっ、此れは良さ気だなと言うのに当たり、取り敢えず、現場に急行してみる。
外の券売機の上の白板には、確りと記されている。
「本日の裏そば ◎よだれ鶏の冷やし和えそば ¥1,100」と。
う~ん、一〇〇〇円超えは財布が傷むが、此処迄来たら引き下がれまい。
「塩ワンタンそば」一〇〇〇円と「半熟玉子」一〇〇円の食券を購入し、
全開の入口から中に入り、御店主に食券を手渡し、「裏で」と告げる。
厨房内は男性二人体制で、東京ダイナマイトと同じ編成。
冷水を呷り乍ら待つも、此方は調理の手際が良く、サッと出て来るので助かる。
案の定、冷やしとは思えない程に早く、五分程で提供される。
おおっ、何とも涼やかで、値が張るだけあって豪勢だ。
「良く混ぜてお召し上がり下さい」と御店主から指南を受ける。
箸を取り、具沢山の丼から零れない様に、慎重に、且つ大胆に掻き混ぜる。
混ざり過ぎない様に、味が疎らな状態で、いざ啜ってみよう。
麺はひんやりと冷たく、口当たりが清涼で、此りゃ良いわぃ。
言うなれば棒棒鶏の様な感じだが、其処に辛味も加わり、一筋縄では行かない。
芝麻醤に豆板醤を合わせた様な味わいで、コクと辛さが押し寄せる。
麺は平打ち麺で、モチッとした弾力と、ポキポキ、コリコリと言う歯応え、
強靭な腰が印象的で、冷水で確りと〆られている、抜かりの無い仕事振り。
太さも不揃いで、食感が面白く、飽きが来ない。
そして、主役は何と言っても鶏肉だ。
蒸し鶏でふっくらとして軟らかく、パサつきは皆無で、此れ又、皮が秀逸。
ぷるんとして、しっとりとした潤いが有り、其れで居て、ムチッとしている。
味付け玉子は、麺が冷たいので、黄身が蕩ける感じには成らないが、
ねっとりと濃厚で、確りと味が染み、其の色に相応しい味わい。
具は他に麺麻、鳴門、葱が入り、此れ等がしっちゃかめっちゃかに混ざり合う。
其の値段に恥じない旨さで、矢張り、此方の「裏そば」には光る物が有るな。
今夏は此方の冷やしの「裏そば」に期待したいわぃ…。