◆「塩そば専門店 桑ばら」【池袋】
◎「焼き煮干しポン酢の冷たい究極な卵ご飯に変わるそば(〆ごはん付き)」
九五〇円
…金曜日。
颱風の影響に因る涼しさも、ほんの一時で、又しても酷な暑さが戻って来る。
天気が回復するや否や、AS SOON AS、池袋の街はゆとり世代塗れ。
其処等中、こんな繁華街に入り浸り、不純異性交遊に勤しむ非行少年少女だらけ。
親は一体、何をしているのか。
こんな猥雑な街に行かせるだなんて、何を考えているのか。
朝はレディオ体操、午前中は宿題、午後は自由研究を遣らせないのか。
餓鬼を拵える行為が好きなだけで、実に怠慢だな…。
此の日の昼御飯は、華金だし、翌日からは休みだし、少しは豪勢にと、
自動昇降機から降りる事も無く、即座に地上に戻り、他を当たる。
第二候補にと検討していた、此方の「裏そば」にしよう。
店に着き、店外の券売機の上には、未だ白板が出ており、売り切れていない様だ。
「本日の裏そば ◎焼き煮干しポン酢の冷たい究極な卵ご飯に変わるそば
(〆ごはん付き)¥950」としてあり、同額の食券を購入して店内へ。
食券を手渡し、「裏で」と告げ、ヨッコイショーイチ。
冷水を呷り、出来上がりをヂッと待つ。
前回、七月十三日は「アサリの冷やしガーリックまぜそば」で美味だったが、
今回のは一体全体、どんな感じなのかと、期待にAカップの胸が躍る。
最近、太り過ぎでBカップではないかと言う噂が実しやかに有るが…。
さて、一〇分と掛からず、ひんやりと冷たい丼が差し出される。
食べ終わったら御飯を投入するとの事で、食後に給仕して呉れる様だ。
何とも、見た目にも涼やかで、清涼感が有るが、腕白中年の心を満たす量も有る。
茶色くふるふる揺れるのが「焼き煮干しポン酢」の様で、酸っぱいフルーチェか。
テレレは醤油ダレと思われ、此れに生玉子が入り、此れ等をざっくりと、
混ざり過ぎない様に、全体を撹拌した所で、さあ、頂こうではないか。
麺は冷水で確りと〆られた、冷やしでは御馴染みの平打ち麺。
此れに、煮干しの風味がふんわり薫り、ポン酢の酸味が伝わって来る。
更には、丼の底に沈んだ生玉子がヅルッとして、黄身の円やかさが心地好い。
塩味、酸味、甘味が三位一体で均整が取れ、此れ又、素敵な「裏そば」だ。
麺は凛として、腰と弾力が効いており、きりっと冷えている。
もちっとしているが、歯を押し返さんばかりの食感に、箸を持つ手が止まらない。
其れで居て、しっとりとしていて、皮はぷるんとして、濃厚で旨い。
以前に頂いた「よだれ鶏の冷やし和えそば」も凄かったが、実に素晴らしい。
具は他に揚げ玉葱、麺麻、長葱、紫蘇。
麺を食べ終え、具を少し残し、〆の御飯を打ち込んで貰う。
蓮華で攪拌すれば、成る程、テレレ代わりの生玉子が絡んで「卵ご飯」に成る。
生玉子にポン酢の酸味が加わる事を危惧していたが、杞憂に終わる。
さっぱりとして、煮干しの風味、鶏の旨味と相俟って、最高の〆だ。
汗を掻く事も無く、すっきりとした心持ちで食べ終えて炎天下へ…。