続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「横浜家系ラーメン 壱角家」【蔵前】

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 ◎「ラーメン(並)」七三〇円

 …新年度が始まり、有りと有らゆる事が変わり、据わりが悪いと言うか、
  慣れないと言うか、遣り辛いと言うか、いやはや、もう既にヘトヘト…。
  只でさえ忙しい新年度、月初だが、会合やら会議やらで時間が割かれ、
  すべき仕事はたんまり残り、残業も出来ずに泣く泣く帰らざるを得ない。
  其の内、パーソナルなコンピューターを持ち帰って、帰宅後に只働き、
  と言う負の連鎖に陥りそうで、心がぞみぞみして、胸騒ぎしかしない…。
  そんな今日は、時間が足りず、昼御飯を遣り過ごそうかとも思ったが、
  外気を吸わずに籠った儘では、心がぢわりぢわりと蝕まれる自信が有るので、
  思い切って外に出て、諦め半分で「らーめん 改」へと向かうも、当然、
  店外には背広が何着か蠢いているのが遠目でも見えたので、即回避。
  時間が無いので、ちゃちゃっと済ませようと焦った結果、遂に、到頭、
  魂を売り渡し、其処等中に蔓延っている此方へと、初めて入ってみる。
  別段、此方は何も悪くなく、何の落ち度も無く、僕の勝手な偏見だ…。
  気乗りしないが店内に入ると、券売機の前で老人が女店員氏に介添えされ乍ら、
  麦酒だの菠薐草だの追加し、間誤付いて食券を購入している。
  時間が掛かりそうなので、此れを理由に帰り、「すき家」で済ますのも選択肢。
  然し、此処で逃げ出したら、「壱角家」に負けた事になる。
  負けない事、投げ出さない事、逃げ出さない事、信じ抜く事、
  駄目に成りそうな時、其れが一番大事なのを思い出して踏み止まる…。
  其れが一番大事だと思っていた間に券売機が空き、食券を購入する。
  最初で最後なので、無難に「ラーメン(並)」で十分だが、七三〇円もするのね。
  先日、建物の建て替えの為に閉店ガラガラと成ってしまった「六角家」姉妹店、
  「横浜らーめん 寿三家」は「ラーメン(並)」七〇〇円。
  うん、世の中は不条理に満ちているね…。
  止まり木にヨッコイショーイチし、食券を回収に来た女中さんに「普通で」と。
  冷水を呷り、束の間の息抜き、独りに成れる時間を愉しむ。
  そうそう悠長に過ごしては居られないが、そうこうして居ると、
  大陸系の男性店員氏が「ハイ、ラーメン、オマタセシマシタ~」と配膳。
  我が国の労働力不足、其れも重々承知しているが、何故だか悲しい…。
  涙を堪え、先ずは蓮華を手に取り、プースーから啜ろう。
  「濃まろ豚骨スープ」を謳い、プースーを仕込む前に気合を注入するそうだ。
  特殊な機材は一切使わず、寸胴一本と技術で勝負しているそうだ。
  麺に絡み付く、程好い濃度が癖に成り、最後の一滴迄旨いんだそうだ。
  濃厚でクリーミーなスープだそうだ。
  一度食べたら癖に成り、二度食べたら忘れられず、三度食べたら止められない、
  そんな味だそうだが、確かに、円やか過ぎる位に円やかだ。
  「壱系」と言えばそうだが、個人的には、資本系は確りと分けたい所。
  差別ではなく、区別なので悪しからず…。
  麺は、老舗中華麺製麺所の特注中太麺だそうだ。
  小麦の香りと味わいには、とことん拘ったそうだ。
  ごわごわとした食感と噛み応えは、初めて食べると硬いと思うかも知れないが、
  二度、三度と食べる内に此の硬さがきっと癖に成るんだそうだ。
  具に取り掛かる事にしよう。
  「軟らかしっとり叉焼」は、脂身の少ない厳選した素材をじっくり煮込む事で、
  軟らかく、しっとりとした状態に仕上げたそうだ。
  じっくり煮込んだ豚肉を、「壱角家」特製の醤油ダレに漬け込むそうだ。
  醤油ダレの香ばしさと、素材の旨味を凝縮し、煮込み時間、
  漬け込み時間に拘った、麺、プースーと最良の組み合わせなんだそうだ。
  豚臭さは多分に気には成ったが、其れはきっと、僕がいけないのだ。
  具は他に菠薐草、鶉の味付け玉子、海苔、葱。
  途中、卓上の刻み玉葱を投入して頂いたりしてみる。
  最後はと言うと、プースーをグイッと、残らず飲み干さない。
  僕の度量が狭いだけなので、此方には何の非も無い。
  店で仕込まず、集中調理施設で一括大量生産されたプースー、
  特に家系ラーメンに関しては、避けたいと思っていたが、何ともはや。
  家系ラーメンに嵌った頃は、こんな日が来るとは思わずに居た、
  Making good things better、いいえ、済んだ事だ…。