◆「大宮酒場 もつ焼きエビス参」【大宮】
…金曜日。
九連休明けの一週間を乗り切り、十八時過ぎに退勤し、華金を愉しもう。
上野駅からは生意気にも一等車に乗車するも、孰れの席も全て窓側が埋まっており、
態々、七七〇円を払ったのに、見知らぬ人の隣りに接近するのは嫌なので、
出入口付近に立ちんぼで、三五〇竓の缶麦酒をグイッと呷る。
七七〇円を無駄遣いして、大宮駅でぶらり途中下車の旅。
めっきり、仕事終わりに呑んで帰る事も無くなったが、偶には良かろう。
歳を取り、手足が縮んで行く一方なので、せめて羽は伸ばしたい。
向かう先は、七月十二日以来の此方へ…。
◎「ホッピーセット(白)」五〇〇円
…木戸を開けて店内に入ると、御店主が「御帰り!」と迎えて呉れる。
運良く、止まり木の端っこが空いているので、席を占めてヨッコイショーイチ。
「白セット?」と訊かれ、御願いする。
若い店員氏が持って来て呉れるも、焼酎を入れ忘れられると言う不運は専売特許。
御店主に其の旨を告げて注いで貰い、仕切り直しで独りで乾杯。
致死量の焼酎がガツンと効き、五臓六腑に染み渡る。
御通しは前回に続き、甘藍、胡瓜、人参の漬物。
◎「青とうやっこ」三八〇円
…一通り摘みを発注し、先の到着は「青とうやっこ」。
此れも、此方ならではの逸品で、一時期は毎回必ず発注する定番の献立。
青唐辛子の醤油漬けが乗り、此の辛さが、冷奴の冷たさと相俟って旨い。
一〇〇円の「青とうネギ」も有るが、流石に辛いのが駄目な僕には厳しいか。
こうも暑いと、冷奴の旨さを再認識する。
◎「レバ刺し」四八〇円+「タン刺し」五五〇円
…さてさて、毎度の御目当ては此れ。
低温調理済みの肉刺し的な物だが、実に魅惑的だ。
「レバ刺し」は胡麻油と塩のテレレで頂く。
ぷりんとした弾力と、コリッとした歯触り、濃厚に蕩ける味わいが秀逸で、
噛んで居ると肝臓の甘味がじんわりと広がり、ホッピーが進んで仕方無い。
「タン刺し」は醤油味の特製のテレレで頂く。
しっとり、むっちり、コリッと、幾つもの食感、口当たりを堪能出来るので、
個人的には豚とデープキッスをするのが大好きだ。
◎「レバ刺し」四八〇円+「タン刺し」五五〇円
…ホッピーも三杯を呷って空いたので、四杯目に突入。
したらば、肴も追加しないといけないので、今回も御替わりをしてしまう。
其れ程迄に、此れは絶品と言って良かろう。
「宮原元気酒場 もつ焼 エビちゃん別館」も悪くはないのだが、矢張り、
此方の方が一枚も二枚も上で、安心、安定の出来栄えで、仕込みの技が光る。
ホッピーを五杯頂いた所で、急に〆たく成ってしまったので、河岸を替えよう。