◆「大宮酒場 もつ焼きエビス参」【大宮】
…金曜日。
もう、此の三連休だけを生き甲斐に、此の一週間を過ごしたと言って良い。
胃が痛くなり、心がぞみぞみする毎日に怯え、わなわなと戦慄いて震えている。
能力の限界…、気力も無くなり、引退する日も近いのかも知れない…。
一週間を終え、金曜日は十八時過ぎに、いそいそと逃げる様に退社し、
高崎線の通勤快速に乗車し、生意気にも一等車に席を取り、細やかな御褒美。
缶麦酒をグイッと呷り、二十六分間の束の間の贅沢な時間。
三連休の幕開けを祝し、大宮駅でぶらり途中下車し、御馴染みの此方へ。
四月二十七日以来、二ヶ月半振りの訪店…。
…木戸を開けて店内に入ると、御店主が「おおっ、御帰り！」と出迎えて呉れる。
店内は賑わっており、止まり木の隙間に挟まり、ホッピーを発注。
車内の缶麦酒で準備運動は出来ているが、仕切り直しで独りで乾杯。
致死量に近い焼酎が注がれたホッピーは、矢張り、ガツンと来るわね。
御通しは前回に続き、甘藍、胡瓜、人参の漬物。
…御店主から「タン？」と訊かれたので、「レバ、タンで」と御願いする。
低温調理済みの肉刺し的な物だが、実に魅惑的だ。
「レバ刺し」は胡麻油と塩のテレレで頂く。
ぷりんとした弾力と、コリッとした歯触り、濃厚に蕩ける味わいが秀逸で、
噛んで居ると肝臓の甘味がじんわりと広がり、ホッピーが進んで仕方無い。
「タン刺し」は醤油味の特製のテレレで頂く。
しっとり、むっちり、コリッと、幾つもの食感、口当たりを堪能出来るので、
個人的には豚とデープキッスをするのが大好きだ。
嗚呼、何て素敵な華金なんだ…。
…肉刺し的な物を堪能し、ホッピーも三杯目に差し掛かったので、次の発注を。
前回、初めて頂いた此方が秀逸だったので、今回も発注。
勿論、蛋黄酱付きで御願いをする。
豚バラ肉は厚味が有り、確りとした存在感。
表面はカリッとして、噛むとさっくりと千切れ、脂身の旨味が迸る。
朝鮮漬は辛味も控え目だが、蛋黄酱が円やかにして呉れ、コクが増して良い。
白米が欲しくなるが、代わりにホッピーで流し込む。
◎「レバ刺し」四八〇円＋「タン刺し」五五〇円
…愈愈、本格的に機関発動機が掛かって来てしまい、肉刺し的な物を御替わり。
此の日の出来は素晴らしく、筆舌に尽くし難い旨さなので致し方無い。
延々と食べて居たいと思う程で、ホッピーが捗って如何しようも無い。
以前は頻繁に御邪魔していたが、最近は外で呑む事に疲れてしまい、
すっかり御無沙汰しているが、其の事を悔やむ位に最高だ。
ホッピー六杯をかっ喰らい、二十二時半過ぎに退店し、ふらふらと街へと消える。
