続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「支那麺 はしご 銀座四丁目店」【東銀座】

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◆「支那麺 はしご 銀座四丁目店」【東銀座】

 

 ◎「拃菜担々麺(ざあさいだんだんめん)」九〇〇円

 

 …水曜日。

  業務上の所用でザギンに出掛けるのも今回が最後。

  一〇時からの用事を済ませれば、既に時刻は正午に迫ろうと言う。

  帰社前に、滅多に来ないザギンで昼御飯を済ませて帰るのが得策だろう。

  前回は「みそか矢場とん」で「ロースとんかつ定食」を頂いたが、

  如何せん、財布の中はすってんてん。

  月給日と言えど、自動現金預払機で出金前なので、味噌カツは無理だ…。

  安価に「博多長浜屋台 やまちゃん」で長浜ラーメンをと思うも、

  生憎、正午前と言うのに二、三人の待ちが発生しており、駄目だ此りゃ。

  次行ってみようとばかりに、斜向かいに位置する第二候補の此方へ。

  此処最近、何だか担々麺を身体が欲していたのと、今から十五年近く前、

  「谷中店」で初めて頂いた際に感じた、麺のしなやかさが印象的だったので。

  待ちも無く、自動扉を開けて中に入ると、大陸系と思しき女中さんが居り、

  独りぼっちの旨を告げ、止まり木の間に挟まる様に促されてヨッコイショーイチ。

  卓上の献立表を一瞥し、流石に此方の名物である「排骨担々麺」はと言うと、

  千円もするので無理なので、搾菜の入った「拃菜担々麺」を発注。

  すると、御飯を付けるか訊かれ、無料か如何かを確かめる事も無く御願いする。

  万一、五〇〇円もしたなら、皿洗いをして帰らないといけない。

  四〇も過ぎて、餓鬼の財布の中身みたいなのは困るわね…。

  冷水を呷る暇も無く、二、三分で丼が配膳される。

  自棄に早いなと、前の客の残りじゃないかと訝るが、そうでもなさそうだ。

  さて、先ずは蓮華を手に取り、赤々としたプースーから啜ろう。

  此方のは、世間に溢れる練り胡麻で味を誤魔化している様な陳腐な物ではなく、

  サラッとした粘度の低い清湯スープの醤油味で、あっさりしているがコクが深い。

  初っ端から、理事長ではない方の八角が強烈に薫り、風味が実に馨しい。

  昔の記憶を呼び起こす様に、一気に此方の味に魅了されてしまう。

  そして、しなやかな印象が残っていた麺は、素麺かと思う様な細麺で、

  啜ると口内で躍る様な感覚で、するすると通りが良いが、バツっと千切れる様な、

  確りとした腰が効いていて、流麗なのに芯が一本通っている様な印象の麺。

  此の麺も又、卑怯で狡い麺だ…。

  搾菜は細切りで、ポリポリとした食感で、此れを御数に御飯を頬張るのも良い。

  卓上の沢庵は不要で、搾菜⇒御飯⇒プースーの三角食べで十分。

  担々麺と言うと、挽き肉だけで寂しい思いをする事が屡々だが、

  嬉しい事に、此方のは叉焼はちゃんと入っており、「太肉」と呼ばれ、

  一日以上煮ると言うだけあり、軟らかく、蕩ける味わい。

  具は他に青梗菜。

  中盤以降、卓上の酢を廻し入れれば、辛さの角が取れて円やかに変化させる。

  仄かな酸味も心地好く、此れで身体が柔らかくならないもんかと願ってみる…。

  最後はプースーを残らず飲み干し、最後のザギンを堪能して帰社するぽんこつ