◆「中華ソバ ビリケン」【浅草】
◎「濃厚カキつけ麺(味玉入り)」一〇五〇円
…昨日。
此の日は運良く独りぼっちで昼御飯を摂る機会に恵まれ、彼是と思案。
安心、安定の「らーめん 改」でも良いのだが、其の二号店の此方は如何かと、
呟きを確認すれば、此の日から限定一四〇食で「濃厚カキつけ麺」を提供とな。
此れはもう、牡蠣偏愛者、亜鉛中毒患者としたら、矢も楯も堪らず現場に急行。
十四時前で、店外に待ちも無く、空席も有り、木戸を開けて店内に吸い込まれる。
券売機で件の食券を購入し、止まり木にヨッコイショーイチ。
食券を手渡し、冷水を汲んで呷り、束の間の自由な時間に酔い痴れる。
新規開店から四ヶ月半経ち、「らーめん 改」の二号店と周知もされた様で、
本店に負けず劣らずの人気店に成りつつあるが、大行列に成られても困る…。
さて、一〇分強でつけ麺が配膳されるが、つけ汁の色を見て歓喜する。
煮干しつけ麺に引けを取らない、見事な迄の鼠色、洋灰色をしており、
尾籠な喩えで恐縮だが、吐瀉物の様な、牡蠣の腸、内容物たっぷりの亜鉛汁。
麺の上の鶏胸肉の叉焼をつけ汁に退避させ、麺を手繰り、ドヴンと浸して啜る。
麺にべっとりと纏わり付く粘度の高さだが、動物系の出汁不使用と言うから驚き。
大量の広島県産の牡蠣を溶かし込んだと言い、もう、牡蠣其の物。
バファリンの半分は優しさで出来ているが、此のつけ麺の八割は牡蠣で出来ている。
魚介系の出汁と牡蠣の組み合わせなので、濃厚なのに上品で、重たさは丸で無い。
麺は平打ち麺で、もっちりとして、言わずもがなの出来栄え。
細麺でも、太麺でもなく、平打ち麺と言うのが絶妙に合う。
鶏胸肉の叉焼は、湯上りの若い婦女子の餅肌の様なしっとり感。
尤も、湯上りの若い婦女子と触れ合った事は無いので、飽く迄も想像で…。
つけ汁には麺麻、刻み紫玉葱が入り、味付け玉子は安心、安定の旨さ。
甘目の味付けで、黄身がどぴゅっと飛び出す半熟度合いが素晴らしい。
具は他に刻み海苔、春菊、酢橘。
後半はつけ汁が減ってしまうも完食し、牡蠣の越幾斯を残らず摂取し、