2009-09-30

「横浜点心師万葉亭」【さがみ野】

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◆「横浜点心師万葉亭」【さがみ野】

　◎「醤油ラーメン＋半チャーハン」七〇〇円

　…座間での仕事も四日目にして最終日。
　　随分と永かった様な印象だが、其れにも増して、矢鱈と喰い散らかした感が強い…。
　　生憎の雨模様で、其の機体の姿は雲に隠れて見えないが、米軍機の爆音だけが響いている。
　　此の一帯は、厚木基地とは切っても切れない縁なのだな…。
　　そんな、耳を劈く様な轟音轟く雨の中、十三時に昼御飯を摂りに出掛ける。
　　例によって、食事を摂れる店の選択肢が少なく、昨日の街の寂れた中華屋の気分ではなく、
　　国道二四六号線沿いに、中華料理屋と言うか、ラーメン店が在ったのを思い出して歩き出す。
　　以前、此の地区を担当していた折、何度も其の前を通り、存在だけは認識していた。
　　其の場所に、確かに店が在った…。
　　其の名を「横浜点心師万葉亭」と名乗り、如何にも高級そうな風情を漂わせているが、
　　外から中を覗き込む限り、残念乍ら、そう言う趣きは感じられない。
　　ランチメニューが卓上に置かれており、其の値段迄しっかりと目で確認したからだ…。
　　店内に入ると、街の中華屋と言うには広過ぎ、本格的な中華料理屋と言うには安っぽく、
　　言うなれば、店の造りだけで言えば、郊外型の安価なラーメンチェーン店の様な感じ…。
　　コの字型のカウンターが三つと、横並びのカウンター席が有り、コの字型のカウンター席に座る。
　　件の卓上のランチメニューを見て即決する。
　　「醤油ラーメン」、「塩ラーメン」、「とんこつラーメン」の三種類のラーメンと、
　　「半チャーハン」、「半チャーシュー丼」の二種類の御飯物が組み合わせられるらしい。
　　と言う事で、昨日に引き続き、醤油ラーメンと半炒飯のセットを発注する。
　　其の際、ラーメンの麺が細麺、太麺から選べると言うので、細麺で御願いする。
　　其れにしても、「横浜点心師」と大仰に謳う割りには、焼売しかメニューに無いのが腑に落ちない…。
　　阿藤海宜しく「何だかなぁ」と悩んでいると、先に「半チャーハン」が運ばれて来る。
　　昨日の物よりは期待が持てそうだ。
　　蓮華で掬い上げて頬張ると、口の中でパラパラと米粒が散らばって行く様が感じられる。
　　刻み叉焼、葱、人参を具に、玉子と一緒に良く炒め合わされている。
　　味付けも適度な塩分で、外で食べる炒飯らしい味わいで好感が持てる。
　　付け合わせに搾菜が付いているのが嬉しい。
　　此れも麺麻同様、子供の頃に嫌いで、今は大好きな食べ物の一つだ…。
　　程無くして、「醤油ラーメン」も遣って来る。
　　此れ又、見事な迄に正統派の街の中華屋の醤油ラーメン。
　　味の想像も概ね付く。
　　先程迄、炒飯を掬っていた蓮華をスープに沈めて啜ると、味も又、予想通りの味わい。
　　化学調味料の効いた、ラーメンが御馳走だった子供の頃に食べたあの味。
　　うん、昨日に引き続いて、此れで良いのだ…。
　　麺は細麺で御願いした通りで、緩やかな縮れの有る嫋やかな細麺。
　　口の中で踊る様な感じで、スープの絡みも良く、意外にも旨い。
　　あっさりした醤油味のスープには、此れ位の細麺が実に良く合う。
　　スルスルと通りが良く、あっという間に胃袋へストンと収まって行く。
　　具は、意外にも脂身のプルプル感が悪くなかった叉焼、麺麻、菠薐草、海苔、玉蜀黍。
　　玉蜀黍が入っているのは、餓鬼の食べるラーメンっぽくて苦手だ…。
　　すっかりスープも粗方飲み干し、化学調味料塗れに成ってみる。
　　良いのだ、此れで…。
　　否、此れが良いのだ。
　　極端に悪い言い方をすれば、「必要悪」なのかも知れない…。

万葉亭　[ ラーメン ] - Yahoo!グルメ