続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「伊藤天ぷら店」【西岐阜】

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◆「伊藤天ぷら店」【西岐阜

 ◎「B定食(えび7本)」九〇〇円

 …二泊三日の中部地方出張も最終日を迎え、昨晩から岐阜市に入っている。
  二週間振りの岐阜の為、何と無く親しみ深い物が有る。
  岐阜と言えば、件の、色々と顔を変えちゃって逃げてた人が岐阜の羽島出身だとか…。
  しょっ引かれて、大阪から護送される当日に僕は、名古屋駅目の前の宿に泊まっており、
  テレヴィヂョンの中継で名古屋駅が映し出された時は、窓を開けて駅を見ようかと思った…。
  そんな容疑者談義は兎も角、最終日の仕事もしっかりと熟し、
  十三時半過ぎに昼御飯を摂りに外へと出る。
  仕方無く、「餃子の王将」で済まそうかと八割方考えていたが、
  前回訪れた際に、住宅街の中の一画に天麩羅専門店が在るのを確認していた。
  其の辺りの抜かりは無い…。
  今回、三人して、其の天麩羅専門店へ導かれる様にして訪ねてみる。
  凡そ、こんな住宅街には似つかわしくない様な場所に此の店は在る。
  プレハブの様な造りで、大き目のイナバ物置の様な感じで、住居と繋がっている。
  磨り硝子越しに店内を覗くと、客が居る気配は丸で感じられない…。
  怪しさ満点の天麩羅屋だ。
  「旨い店は、こう言う路地裏の目立たない場所に在るんだよ」と言う店よりも目立たない…。
  意を決して入ってみると、案の定、客は人っ子一人居らず、仕方無いので席へと座る。
  厨房内の照明は点いておらず、若しかしたら、此の日、初めての客かも知れない…。
  店内を見廻すと、壁にメニューが貼られており、メニューは四つしか無い。
  ・「A定食(えび3本、ホタテ、いか、なす、ピーマン、のり)」一一〇〇円
  ・「B定食(えび7本)」九〇〇円
  ・「天丼(えび2本 たまごとじ)」七〇〇円
  ・「天玉丼(えび1本 たまごとじ)」六〇〇円
  潔い迄の天麩羅専門店だ…。
  プリン体フェチの痛風患者としては、迷う事無く「B定食」だな。
  海老が七本も付くと言うが、何だろうか、此の極端なメニュー構成は。
  其の中間は考えられなかったのだろうか…。
  さて、其の「B定食」が運ばれて来る。
  海老七本とは謳っているが、他に茄子と海苔の天麩羅も付いている。
  天つゆに大根卸と卸生姜を溶き、先ずは余計な茄子から片付ける。
  まあ、油を吸った紫色の野菜としか言い様が無い…。
  海苔は磯の風味が感じられ、先ず先ずの味わい。
  さあ、主役の海老に取り掛かろう。
  海老は小振りで、甘海老の親方みたいな大きさ。
  前歯で齧り付くと、カリッとした歯触りで、衣はやや固め。
  然し、奥歯で噛むとサクサク感が伝わる。
  海老は甲殻類特有のプリプリとした食感で、可も無く不可も無い旨さ。 
  此れが七本も有るから嬉しくなっちゃう…。
  残念なのが、天つゆが薄い。
  非常に薄い。
  此れは西の文化圏だからなのだろうか。
  関東の様に、真っ黒い色でないと、血圧もおちおち上昇出来ないではないか。
  まあ、海老七本に免じて多目に見よう…。
  定食には、冷奴、御香香、御飯、赤出汁の味噌汁、蜜柑が付く。
  そして、完食して出っ張った腹を摩っていると、天麩羅屋とは不釣合いにも、
  食後に珈琲が出される。
  何だかなぁ、小父さん、妙に寛いじゃうなぁ…。
  珍風景に迷い込んで、天麩羅喰って、珈琲飲んで、落ち着いてしまう…。
  岐阜駅に着いた時、海老を七本も頂き、急激にプリン体を摂取した所為か、
  足の親指がヅキヅキと疼き、足を引き摺り気味に歩き、岐阜の街を後にする…。