◆「魚がし天ぷら」【吉野原】
◎「魚がし定食」八四〇円
…三連休も早くも中日。
とっくの疾うに、重苦しいサザエさん症候群が圧し掛かって寝込みそうだ。
とは言え、寝込んでいる訳にも行かず、天皇陛下の御誕生日を御祝いしないと。
七時過ぎに起き出し、風呂に入って身を清め、午前中は極めて自堕落に過ごす。
十一時に成り、御誕生日の祝賀晩餐会の食材の買い出しに大宮の街へ出る。
軽く第一弾の買い物を済ませ、主役の買い出しの為に北上する。
其の前に昼御飯を摂ろうと、大宮魚市場近くの「名物とんかつの店 豚珍館」か、
市場内の此方に初訪店するかの二択に定め、何と無く、天麩羅気分で此方へ。
一〇月二十八日に初訪店した「いさば寿司」と同じ系列で、出入口は別だが、
暖簾を跳ね上げ、木戸を開けて店内に入り、券売機で食券を購入する。
日替わり魚介二種、野菜四種、かしわ天、玉子焼きの「天ぷら定食」にするか、
日替わり魚介四種、野菜四種、玉子焼きの店名を冠した「魚がし定食」か、
海老三本、野菜四種、玉子焼きの高級感が漂う「えび天定食」が良いか、
かしわ天三枚、野菜四種、玉子焼きの「かしわ天定食」の四択。
初めてなので無難に、「魚がし定食」にしてみようと、釦をポチっとな。
此方にどうぞと促され、コの字型の白木のカウンター席にヨッコイショーイチ。
食券を手渡し、冷茶を汲みに立つと、既に天つゆが配置されている。
冷茶を呷りつつ、食べ放題と言う卓上の自家製惣菜で時間を繫ぐ。
鶏のそぼろ煮、大根の柚子風味の漬物、萌やしの朝鮮風和え物。
特に、鶏そぼろ煮は自信作の様で、味も宜しく、此れは御飯が欲しくなる。
そうこうして居ると、初っ端は薩摩芋と甘唐辛子が配給される。
まあ、こう言う野菜はとっとと遣っ付けようと、天つゆにどっぷりと浸し、
冷めない内に片付けるべく頬張り、御飯で味を緩和する。
続いては、魚介が四種類割り当てられる。
種を説明し乍ら置いて呉れるが、磯辺の衣の白身魚だけゴニョゴニョ言って、
聞き取れなかったので、先ずは其れから頂こう。
青海苔の風味が馨しく、身の軟らかい魚で、何だろう、鱈の様な感じで美味だ。
青魚からは鯵で、身が引き締まって、光物特有の風味が独特だ。
海老は一本と心許無いが、大振りではないが軟らかくも有り、弾力も有る。
勿論、尻尾もヴァリヴァリと噛り付く。
主役を堪能した後は、又しても野菜の苦行。
シャキシャキとした蓮根と、油を存分に吸った茄子を頂けば、腹がくちい…。
最後は玉子焼きとの事だが、出汁巻き玉子の薄切りの天麩羅とは。
天つゆにたっぷりと浸す様にと指南され、食事の〆の茶菓の様な感覚で頂く。
卓上には抹茶塩、カレー塩も配されているが、其れを使う暇も無く完食。
尤も、天麩羅は天つゆが一番だと思っているので構わないが…。
満腹に成った後は、魅惑の楽園・御伽の国「角上魚類」で晩餐会の買い出しへ。