続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「つけ麺 弐★゛屋~にぼしや~」【日進】

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◆「つけ麺 弐★゛屋~にぼしや~」【日進】


 ◎「濃厚煮干しつけ麺(特盛)」七八〇円+「半肉増し」一五〇円

 …昼間っからさんざっぱら酒を呷り、ふらふら出掛けて日中は過ごす。
  既に時間は二〇時に差し掛かる頃なので、晩御飯を済ませて帰る事にする。
  と言う事で、選択肢も無いが、此方以外に行きたい店は無い。
  昨年八月に開店し、今と成ってはすっかり人気店と成り、待ち時間も発生している様子。
  昨年は足繁く通ったが、今の混雑を見てしまい、自然と足が遠退いていた。
  節分を過ぎた今頃に成って、漸く今年の初訪店を果たす。
  待ち客は居ないものの、生憎の満席だが、腹を括って入店する。
  券売機で食券を購入し、今回は久し振りなので「濃厚煮干しつけ麺」を特盛にし、
  更には「半肉増し」と豪気に出てみる…。
  席が空くのを、入口付近に突っ立って、腕組みをし乍ら待つ。
  カウンター一〇席の内の六席を、町内会の寄り合いでしこたま呑んだ後に寄った様な、
  赤ら顔の初老の集団が占拠しており、瓶麦酒を居酒屋感覚で遣っている。
  人目も憚らず、大きな声で喋り、呂律も大して廻っていない。
  正直、此方のつけ麺はこんな状態で頂く様な代物ではないし、第一、味なんて分かるまい。
  其れ以前に、「中華蕎麦とつけ麺って違うの?」等と話し、其れで良くもつけ麺を発注しているものだ。
  つけ麺を啜り乍らも、「此処は『六文銭』とは関係有るの?」とか、
  「大栄橋の所にも旨い店在るよね」とか、競合である同業他店を引き合いに出し、
  店主に問い質す無神経さが堪らなく癇に障る。
  酔っていれば何でも許されると思っているのが、僕には相容れない…。
  そんな酔っ払いを尻目に、席が空いたので着席すると、直ぐにつけ麺が提供される。
  前もって食券を手渡していたので助かる。
  二ヶ月振りに対面するつけ麺は、相も変わらず如何にも旨そう。
  箸で麺を手繰り、濃厚なつけ汁にサッと潜らせてから啜る。
  煮干しの風味がプーンと軽く漂い、鶏や豚骨を炊き出したスープはとろみが有る。
  ポタージュスープの様な粘性で、動物系の甘味が強く感じられる。
  麺にしっかりとつけ汁が纏わり付き、啜ると唇が紅を差した婦女子の様に成る…。
  他の客との会話で、毎日、同じ味を維持するのが難しいと店主が言っているが、
  其の努力が垣間見える、十分に美味しく、変わらぬ旨さだ。
  麺は腰の強い極太麺で、小麦の味が感じられる完全国産小麦麺。
  強烈なつけ汁には、此れ位に力強い麺でないと負けてしまう。
  「半肉増し」にした叉焼は、バラ肉を巻いた物だが、一部、ロースの部位も入っている様に感じる。
  パサパサ感は無く、脂身、赤身共に旨い。
  麺麻は枕木の様な極太の物が二本。
  最後はスープ割りはせずに、何時もの通り、原液の儘、ヅヅヅイと飲み干す。