続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「味の牛たん 喜助」【仙台】

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◆「味の牛たん 喜助」【仙台】

 ◎「牛たん炭火焼定食(しお味1人前)」一五〇〇円+「山芋とろろ」一五〇円

 …今週末は休日は昨日の土曜日のみで、今日、日曜日から動き出す。
  先週水曜日に部長から泣きの電話が入り、日曜日から仙台に行って呉れるかと。
  仕事なのだから断る道理は無く、喜んで買って出る。
  あの大震災以降、初めて甚大な被害を受けた被災地に行くと言う事で、
  少なからず心に期するものも有り、同時に、身が引き締まる思いもする。
  大宮駅から「やまびこ」二五九号に乗車し、一路、仙台を目指す。
  約二時間弱で仙台駅に到着したのが十三時二十九分。
  仙台を訪れるのは、昨年六月以来、丁度一年振りだ。
  天井が落下したと言う新幹線ホームは修繕途中だが、危険な感じは受けない。
  改札口を出ると、以前の様な活気、賑やかな雰囲気で溢れており、
  昼御飯を頂こうと、「エスパル」と言う駅に直結しているビルヂングに入ると、余計にそう感じられる。
  丸で、何事も無かったかの様な活況で、ホッと胸を撫で下ろす。
  勿論、沿岸部の方が酷い状況であろう事は重々に承知している…。
  地下の飲食店街を徘徊すると、何処も彼処も行列が出来ており、復興の早さに感動すら覚える。
  さて、活気を取り戻しつつある仙台に来たのだからと、先ずは牛タンだろう。
  然し、行列が多く、此れは無理かなと諦め掛け、飲食店街のドン突きに辿り着く。
  すると、行列の出来ていない、牛タンの名店である此方を見付け、重たい荷物を転がし乍ら入店。
  重たい荷物を入口近くに置いて良いと優しく言われ、カウンター席に通される。
  メニューを開き、麦酒を呑みたい気持ちをグッと堪え、耐え難きを耐え、忍び難きを忍ぶ。
  此処は定食で我慢し、「牛たん炭火焼定食(しお味1人前)」を発注。
  冷水を呷り、火照った身体を冷却した所で、少し冷静に成り、牛タンには無くては成らない、
  牛丼に生玉子、カレーにチーズと並ぶ組み合わせの「山芋とろろ」を追加発注。
  危ない、危ない…。
  目の前で炭火で網焼きされる牛の舌を見ていると、自然と食欲もそそられる。
  そして、テールスープ、麦飯、とろろ、牛タンの順に配膳され、全てが揃う。
  先ずはテールスープから啜ると、あっさりとした塩味で、胡椒のピリッとした辛味が良い。
  次に、麦飯にとろろをぶっ掛ける。
  此のとろろには予め、出汁味が付いていると言う。
  そして、主役の牛タンに取り掛かる。
  一枚一枚、昔乍らの手振り塩で味付けをし、更に熟成させて余分な水分を取り除くと言う製法。
  表面は軽く網目の焼き目が付き、見るからに香ばしそう。
  一切れ頬張れば、予想通りの香ばしさと、サックリとした歯触り、
  噛み進めると柔らかさや、ギュッと強く噛み締めたくなる感じも有り、仙台ならではの味わい。
  塩加減も絶妙で、此れこそ良い塩梅と言う事だろう。
  嗚呼、旨い!
  今回の大震災で此方の工場も被災したと言うが、此の復旧、復興の早さに脱帽、感謝だ…。
  牛タンを味わい、麦とろ御飯を慌てて掻っ込むと、此の組み合わせは最高だ。
  トロたく巻きを考案した人と同じく、ノーベル賞で授与して称えるべきだ。
  山芋は青森県産と言う事で、出汁で多少は伸ばしているのか、粘り気は無いがとろろの良さは薄れない。
  ヅルヅルと卑猥な音をさせつつ、麦御飯をワサッと頬張れば、最高の幸せ…。
  付け合わせは胡瓜の漬物と、御決まりの南蛮の漬物。
  此の胡瓜の漬かりが良く、味も宜しく、御飯と良く合う。
  恐らく、麦酒を発注していたら、酒の当てとして其の役目を終えるであろう…。
  久し振りに頂く本場の牛タンは、震災復興の後と言う事も有り、何だか感慨も一入だ。