続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「よし臓別館 銭場精肉店」【大井町】

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 ◎「黒毛和牛100%ハンバーグランチ(160g)」一〇〇〇円+「40g増量」無料

 …心休まる週末もあっと言う間に終焉を迎え、新しい一週間が始まってしまう。
  つい此の間、マッカーサーが来たと思ったら、もう八月だ。
  道理で歳を取る訳だ。
  此の暑さの所為で、歳を取る速度も早く、犬並みで加齢している気がする…。
  週明けの重たい身体を引き摺る様にして、今日は大井町へと出掛ける。
  又もや、行き成りJRさん御得意の電車の遅延。
  初っ端から足元を掬われる様な感じで、月曜日から良い気はしない。
  ゆとり世代の若者を随え、山と溜まった仕事を黙々と熟し、汗だくで邁進する。
  十三時に成り、唯一の愉しみの昼御飯を摂りに出る。
  大井町と言えば、選択肢は豊富で、何を頂こうかと迷ってしまうのだが、
  携帯電話故障中の七月十五日に、以前から気に成っていた店に訪れ、甚く気に入ってしまった此方へ。
  「よし臓」と言うホルモン屋の別館として今年開店した店で、夜は溶岩焼き肉を売りにしており、
  昼間はハンバーグとステーキを出しており、肉を味わうには持って来いだ。
  細い階段を上り、二階に上がると、店内は薄暗く、黒で統一されており、
  バーカウンターも有り、洋酒や葡萄酒がずらっと並び、非常に小洒落ており、据わりが悪い。
  昼間っからキャバレークラブに来たかの様だ。
  一番奥のテーブル席に通され、発注するメニューと言えば、一〇〇〇円のハンバーグ。
  此れが一番安いので、此れを差し置いて他は無い…。
  前回訪れた際のサーヴィス券が有効と言うので、肉を四〇グラム増量して貰う。
  其れより何より、此方の凄いのは、出て来るのが只の冷水ではなく、黒烏龍茶
  高級な特定保健用食品で、肉の脂肪分の吸収を抑えると言う気配りが良い。
  「ジャンクガレッジ」に行っても飲まないと言うのに、此方では素直にがぶ飲みする。
  十五分程で、ヂウヂウと音を立てて、鉄板が運ばれて来る。
  コロンと丸い形のハンバーグが焼き上げられ、鉄板の上に鎮座している。
  此れを店員が半分に切って呉れ、半生なので、好みの焼き加減に仕上げて食べる様に教授して呉れる。
  そして、ドロッとしたビーフシチューの様なテレレも掛けて呉れ、飛び跳ねる油を避けて頂く。
  牛肉は店で挽いた物だと言い、「黒毛和牛100%」と謳うだけ有り、
  玉葱も入っておらず、繋ぎは玉子のみと言い、殆どが牛肉と言う豪華さ。
  肉汁がドバッと溢れ出し、鉄板を肉汁の海へと変えて行く。
  一口頂くと、正に「肉肉しい」感じで、モソモソとするも、肉以外の味がしないので旨い。
  黒毛和牛の雌牛に拘って仕入れをしているらしく、去勢牛に比べサシは入り難いが 
  肉質が肌理細かく、甘味が有るのが特徴と言う通り、肉の旨さを堪能出来る。
  御飯には勿論、卓上の岩塩を塗して掻っ込み、ハンバーグと塩御飯と言う絶妙の組み合わせ。
  テレレはじっくりと炒めた玉葱を基本に、数種類の野菜を煮込んだと言う。
  付け合わせは揚げじゃが芋、プロッコリー、玉蜀黍で、余りに揚げじゃが芋が熱く、
  思わず上顎を火傷し、皮が捲れると言う苦難にも遭うが、旨けりゃ許せる…。
  御飯とプースーの御替わりが自由と言うのも有り難く、腕白中年の聖地の様な店だ。