続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「そば処 万葉」【千葉】

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◆「そば処 万葉」【千葉】

 ◎「鶏天そば」四三〇円+「生玉子」五〇円

 …昨日。
  週末も瞬く間に駆け抜け、束の間の休日も終焉を迎える。
  又、何時もの日々が始まると思うと、辛くて涙が零れそうだ…。
  早起きをして、自分で食麺麭を焼いて頬張り、身支度を整えて家を出る。
  駅迄の道程を歩き、プラットフォームに滑り込んで来る満員電車に乗り込み、
  見知らぬ人間と肌触れ合う距離の中、やっとの思いで池袋に辿り着く。
  週明けなので、肩慣らし、試運転をし乍ら、徐々に身体を元通りにする。
  何でも行き成りでは身体に悪い…。
  残務を熟し、午後から千葉での仕事の為、十一時に四人して出掛ける。
  池袋駅から地下鉄丸の内線で東京駅に出、其処から総武本線で一路、バーチーへ。
  バーチーと言うと、津田沼には月に一、二度は出掛けるが、其の先にはとんと御無沙汰だ。
  十二時半の集合時間の前に、昼御飯を済ませる腹積もりだったが、千葉駅に着いたのが、
  集合の一〇分前で、ゆっくりと西洋人を気取って昼御飯を愉しんでいる余裕も無いので、
  仕方無く、千葉駅構内に在る立ち喰い蕎麦屋で甘んじ、とっとと済ませる。
  昼時とあって、店内は大盛況で、月給取りで犇めき合っている。
  先ずは券売機の行列に並び、食券を購入する。
  彼是と迷っている暇も無く、メニューをパッと見て、気に成った物に即決するしかない。
  如何も、数年前に厚木に在る「博多天ぷら なぐや」で鶏肉の天麩羅を頂いて以来、
  すっかり虜に成ってしまった様で、其の旨さは鶏の唐揚げに勝るとも劣らないと思っており、
  其の鶏の天麩羅が入った蕎麦が有ると言うので、其の釦を押し、更には、温かい蕎麦には、
  生玉子が入っていないと駄目な性分なので、五〇円を追加し、食券を連続購入する。
  小母ちゃんに食券を手渡すと、一〇秒程で目の前で調理され、直ぐに出来上がる。
  立ち喰い蕎麦は、忙しい時、月末で金が無い時の味方だ…。
  盆に乗せて席を見付け、と言っても立ち喰いだが、時間も無いので啜り始める。
  つゆは勿論だが、関東風の濃い色をしており、蕎麦や饂飩のつゆはこうでないと困る。
  話に聞くと、関西ではつゆが白茶けている様で、僕は間違い無く、西では生活出来まい…。
  駅蕎麦らしい、甘辛いつゆは香りも良く、プラットフォームに其の香りが漂えば、
  忽ち、鼻が過敏に反応するであろう出汁の風味が、安っぽいのだが妙に心地好い。
  蕎麦は予め茹でられており、提供する際にサッと湯通しして加温されるので、
  落語の「時蕎麦」宜しく、ポキポキや、シコシコと言った食感の表現は出て来ない。
  スルスルっと、喉を駆け抜け、胃袋へストンと納まれば万事良い。
  病人食の様な感じだが、此れは此れで良く、こう言う食べ物の存在も不可欠なのだ。
  さて、主役の鶏の天麩羅はと言うと、フリッターの様な衣の感じで、ガブっと齧り付く。
  鶏肉は唐揚げの様に下味が付けられている様で味付きで、思いの外、食べ応えが有り、
  てっきり、殆どが衣なのだろうなと思ったが、其れなりにちゃんとしている。
  時間と闘いつつ蕎麦を啜り、〆に残して置いたのは生玉子。
  此れをヅルッと一気に口内に入れ、つゆを啜った所で黄身を割って混ぜ合わせる。
  黄身が矢鱈と熱く、火傷しそうに成り乍ら、甘辛いつゆに濃厚な黄身が絡み合う旨さを堪能。
  玉子は人を幸せにして呉れる貴重な食材で、其の幸せが五〇円で買えるのなら願ったり叶ったりだ…。