◆「つけ麺 椿」【池袋】
◎「つけめん」八〇〇円
…毎回、僕の睡眠状況の報告をしている様で申し訳無いが、昨晩は二十三時半過ぎに就寝。
午前零時前には眠りに落ち、すっかり寝入ってしまっただろうか。
そして、不意に家の固定電話の着信音が一度だけ鳴り、其の音で叩き起こされる。
こんな真夜中に一体誰だと思う怒りを抑え、時間を見れば、午前零時五〇分。
たった、一時間も寝ていないのに、如何して、こんな事で起こされなければならないのだ。
数年前から、こうして夜中に一度だけ電話が鳴る事が有り、其の度に叩き起こされている。
何年か前、夜中に鳴った其の刹那、受話器の通話釦を押して出るも、直ぐに切れてしまい、
犯人を突き止めるには至っていないので、今度、着信番号表示が出来る様にしようかと、
本気で考えているのだが、どうせ、そう言う輩は、「184」を付けて掛けているに違いない…。
電話の音で叩き起こされた序に雪隠で小用を済ませ、釈然としない儘、再度、確りと寝入る。
こんな調子じゃ、只でさえ熟睡出来ないのに、快眠なんて夢の又夢だ。
今朝も寝起きは良い筈が無く、ぐったりとして目を覚まし、新しい朝を迎える。
今日も今日とて、時間通りに走らない窮屈な電車に押し込められ、池袋へと向かう。
昨日の仕事の続きに取り掛かり、十一時過ぎに外出する。
仕事に没頭し、十三時に昼休憩を挟み、一息入れる事にする。
今日も別段、特に行きたい店が有るじゃなし、彼是と行き先を考える気力も無い。
取り敢えず、偶には池袋駅の反対側に渡ってみようと、隧道を潜り、北口へと出る。
如何わしい桃色繁華街に引き寄せられそうになりつつ、ふらふらと彷徨う。
すると、流石は池袋。
ちょいと歩けば、数々のラーメン店が目に入り、其の中で、此方に初めて御邪魔する。
屋号だけは知っていたが、中々、いざ行こうと言う気にも成らず、漸く、今回の訪問と相成る。
何でも、西新井に在る「中華そば 椿」と言う店の支店らしい。
木戸を開けて入ると、何とか空席も有り、事無きを得る。
先ずは券売機で食券を購入するのだが、つけ麺専門店と言う事なので、無難に普通の「つけめん」に。
八〇〇円と割かし高価で、然も、大盛りにするには更に一〇〇円増しと値が張る。
此りゃ、庶民には手が出まいと、普通盛りの二五〇グラムの麺で我慢、我慢…。
角っ子のカウンター席に腰掛ければ、麺は太麺の為、茹で時間を要すると但し書きが有る。
十二~三分して、待望のつけ麺がやっと出来上がる。
つけ汁は濃厚茶褐色、麺はやや黄色で、麺の上に叉焼、海苔があしらわれている。
具をつけ汁に投入し、早速、麺を手繰り、濃厚なつけ汁に浸して啜る。
ドロッとした粘度の高いつけ汁なので、麺にべっとりと纏わり付く。
つけ汁は昨今の流行りの濃厚魚介系豚骨で、言わずもがなの「あの」味。
魚粉を中心とした魚介系の味わいと、動物系のとろみの有る甘味、そして、柚子の酸味が微かに香る。
麺はと言うと、此れが此方の売りの様で、タピオカの粉を練り込んでいると言う。
其の麺は、噛むと歯を押し返さんばかりの弾力で、モッチリとした密度の高い麺で、
ツルツルとした喉越しで、此れは中々に出来栄えが良い。
表面がザラザラしたボソボソ麺も良いが、此の弾力ならば悪くない。
具の叉焼は、厚さが一センチメートル弱も有る分厚い物で、つけ汁に浸せば、角煮の様にトロットロ。
脂身のプルンとした食感が印象的で、赤身の部位も柔らかくて秀逸だ。
具は他に、つけ汁に沈んだ麺麻が有るが、此れは細く、特筆すべき点は見出せない。
〆は、卓上にスープ割り用のポットが置いてあるので、普段は絶対にしないプースー割りを。
つけ汁の器の底には魚粉が沈殿し、東京湾の汚泥の様だが、胃袋が温まってホッとする…。
午前零時前には眠りに落ち、すっかり寝入ってしまっただろうか。
そして、不意に家の固定電話の着信音が一度だけ鳴り、其の音で叩き起こされる。
こんな真夜中に一体誰だと思う怒りを抑え、時間を見れば、午前零時五〇分。
たった、一時間も寝ていないのに、如何して、こんな事で起こされなければならないのだ。
数年前から、こうして夜中に一度だけ電話が鳴る事が有り、其の度に叩き起こされている。
何年か前、夜中に鳴った其の刹那、受話器の通話釦を押して出るも、直ぐに切れてしまい、
犯人を突き止めるには至っていないので、今度、着信番号表示が出来る様にしようかと、
本気で考えているのだが、どうせ、そう言う輩は、「184」を付けて掛けているに違いない…。
電話の音で叩き起こされた序に雪隠で小用を済ませ、釈然としない儘、再度、確りと寝入る。
こんな調子じゃ、只でさえ熟睡出来ないのに、快眠なんて夢の又夢だ。
今朝も寝起きは良い筈が無く、ぐったりとして目を覚まし、新しい朝を迎える。
今日も今日とて、時間通りに走らない窮屈な電車に押し込められ、池袋へと向かう。
昨日の仕事の続きに取り掛かり、十一時過ぎに外出する。
仕事に没頭し、十三時に昼休憩を挟み、一息入れる事にする。
今日も別段、特に行きたい店が有るじゃなし、彼是と行き先を考える気力も無い。
取り敢えず、偶には池袋駅の反対側に渡ってみようと、隧道を潜り、北口へと出る。
如何わしい桃色繁華街に引き寄せられそうになりつつ、ふらふらと彷徨う。
すると、流石は池袋。
ちょいと歩けば、数々のラーメン店が目に入り、其の中で、此方に初めて御邪魔する。
屋号だけは知っていたが、中々、いざ行こうと言う気にも成らず、漸く、今回の訪問と相成る。
何でも、西新井に在る「中華そば 椿」と言う店の支店らしい。
木戸を開けて入ると、何とか空席も有り、事無きを得る。
先ずは券売機で食券を購入するのだが、つけ麺専門店と言う事なので、無難に普通の「つけめん」に。
八〇〇円と割かし高価で、然も、大盛りにするには更に一〇〇円増しと値が張る。
此りゃ、庶民には手が出まいと、普通盛りの二五〇グラムの麺で我慢、我慢…。
角っ子のカウンター席に腰掛ければ、麺は太麺の為、茹で時間を要すると但し書きが有る。
十二~三分して、待望のつけ麺がやっと出来上がる。
つけ汁は濃厚茶褐色、麺はやや黄色で、麺の上に叉焼、海苔があしらわれている。
具をつけ汁に投入し、早速、麺を手繰り、濃厚なつけ汁に浸して啜る。
ドロッとした粘度の高いつけ汁なので、麺にべっとりと纏わり付く。
つけ汁は昨今の流行りの濃厚魚介系豚骨で、言わずもがなの「あの」味。
魚粉を中心とした魚介系の味わいと、動物系のとろみの有る甘味、そして、柚子の酸味が微かに香る。
麺はと言うと、此れが此方の売りの様で、タピオカの粉を練り込んでいると言う。
其の麺は、噛むと歯を押し返さんばかりの弾力で、モッチリとした密度の高い麺で、
ツルツルとした喉越しで、此れは中々に出来栄えが良い。
表面がザラザラしたボソボソ麺も良いが、此の弾力ならば悪くない。
具の叉焼は、厚さが一センチメートル弱も有る分厚い物で、つけ汁に浸せば、角煮の様にトロットロ。
脂身のプルンとした食感が印象的で、赤身の部位も柔らかくて秀逸だ。
具は他に、つけ汁に沈んだ麺麻が有るが、此れは細く、特筆すべき点は見出せない。
〆は、卓上にスープ割り用のポットが置いてあるので、普段は絶対にしないプースー割りを。
つけ汁の器の底には魚粉が沈殿し、東京湾の汚泥の様だが、胃袋が温まってホッとする…。