続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「伝説のすた丼屋 大船店」【大船】

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◆「伝説のすた丼屋 大船店」【大船】

 ◎「ホエー丼」七三〇円

 …昨日。
  毎晩、帰宅してから食事を済ませ、仕事をし、風呂に入り、仕事をし、
  午前零時過ぎに何とか片付け、翌日に障るので眠る様にしているが、毎日へとへとだ。
  日中の仕事だけでさえ、精根尽き果てて、一杯一杯だと言うのに、
  帰ってから、溜まった電子的書簡に目を通し、報告書を作成し、残務を熟す。
  分かっちゃ居るが、心身共に疲労困憊。
  道理で寝起きが悪い訳で、寒さも相俟って、目覚ましが鳴ってから二〇分は動けない。
  スクール・エスケイパーの気持ちが分からなくはない…。
  然りとて、シャネルズ宜しく、ランナウェイ出来る訳も無く、此の日も仕事に出掛ける。
  湘南新宿ラインに揺られ、横浜市の最南端、大船へ。
  白衣観音に出迎えられ、御加護を受けた気はしないが、仕事へと雪崩れる。
  腰の状態は可も無く、不可も無く。
  勿論、最悪の状態は脱しているものの、地味な疼痛が体力、気力を奪って行く…。
  こう成ると、唯一の愉しみは昼御飯だけだ。
  何を頂こうか考える事に命を懸ける。
  大船と言えば、「つけめん KOKORO」か「日の出らーめん」と言った所で、
  他には多数在る家系ラーメンが無難な所。
  普段は何をさて置いてもラーメンなのだが、今一、決め手に欠ける。
  こんな時は回避し、偶には御飯物でもと思い、一時期、善く御世話に成った此方のチェーンへ。
  暴力的の極みの「すた丼」を看板メニューに据え、腕白の御用達、聖地と言っても良い。
  さて、何時もならば其の「すた丼」を頂いてさえ居れば高い満足度が得られるのだが、
  何でも、二月と三月の期間限定で、「ホエー丼」と言うのを出していると言う。
  北伊太利亜産のホエー豚を導入してから三周年と言う記念らしい。
  店に入り、券売機で「ホエー丼」の食券を購入し、カウンター席に腰掛ける。
  豚肉を使用した「すた丼」には随分と胃袋を支えて貰ったので、大いに期待してみる。
  そして待つ事、一〇分足らずだろうか。
  期待に溢れる丼が運ばれて来る。
  丼から豚肉が食み出さんばかりの見た目からして頼もしい。
  いざ、此の豚肉に立ち向かおうと丼を持つと、想像よりも軽くて拍子抜け。
  丼がプラスティック製と言うのも有ろうが、食べ物に関しては軽量化しなくても良い…。
  豚肉を箸で摘めば、帯広名物の豚丼の其れよりも遥かに薄っぺらく、豚しゃぶ肉の様だ。
  帯広で頂いた「元祖 豚丼のぱんちょう」で頂いた物と比べると心細さは否めない。
  「ホエー」とは「乳清」の事で、チーズを作る際に固形物と分離された水溶液で、
  高蛋白、低脂肪で栄養価が高い為、プロテインサプリとしてもよく使用され、
  豚に飲ませる事で健康状態が良くなり、美味しくなると言われているらしい。
  此方のは北伊太利亜産で、日本では一日三リットル、若しくは生後から五〇リットル以上飲ませるが、
  北伊太利亜では体重八〇キログラム迄は一日六リットル、八〇キログラム以上は十五リットルを飲ませ、
  肥育期間も通常六ヶ月の所を九ヶ月間掛けて肥育しているので、相当な量を飲んでいると言う。
  豚も、決して好きで飲んでいないにしろ、そんなに飲んだら腸の調子も良いだろう…。
  此の豚肉を、甘辛ダレで軽く焦げ目が付く程度に香ばしくジューシーに焼き上げ、
  ホエー豚の旨味を閉じ込めたと謳うだけあり、期待を寄せる。
  喰らい付くと薄いだけあり柔らかく、簡単に噛み切れる。
  表面は焼き目が香ばしく、テレレは甘味が強めだが、隠し味に林檎酢を使用してると言い、
  すっきりとした味わいに仕上げられている。
  上には葱、紅生姜が乗るが、半熟玉子が有ると最高だろうな。
  豚肉の荒々しさは感じられず、聊か残念な心持ちだが、特別価格ならば致し方有るまい。
  矢張り、此方に於いては「すた丼」さえ有れば良いな…。