続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「天下一品」【大宮】

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◆「天下一品」【大宮】

 ◎「こってり中華そば(並)」七〇〇円

 …昨晩。
  数日前から、週末は春の嵐が襲来し、外出を控える様にとさえ報道されていた。
  然し、僕には行かねば成らない所が有る。
  そう、花見だ。
  例年、四月の第一土曜日辺りに設定しているので、今年も其の予定で居たのだが、
  如何せん、此の陽気で桜はとっくに咲き、葉桜、否、新緑と言って良い程だ。
  況してや、悪天候の予想に中止も想定したが、幹事が決行すると言うので、
  七時前に起床し、毎年恒例の飛鳥山公園へと向かう。
  雲間から時折陽射しも顔を覗かせ、一縷の望みに託す。
  幹事のペー氏と八時四〇分に合流し、場所取りをする。
  流石、此れだけ暴風雨に成ると予報されているにも拘わらず、そして、大して花も残っていないのに、
  僕等と同じ様な考えの人は少ないが居て、既に二組が酒盛りをしている。
  染井吉野は散ってしまっているが、他の品種の桜は未だ残っており、其の下に陣取る。
  先ずは、九時から二人で麦酒を呷りつつ、徐々に人も集まり始め、酒宴の開始だ。
  ゼーカーはヨイツーだが、気温が高目なのが救いだ。
  然し、正午を廻った辺りから雨粒がポツポツ落ち出し、先を見越して退散する。
  宴も酣、タケナワプリンスホテルだっただけに残念だ…。
  全員でぞろぞろと移動をし、レッド・ウィング、赤羽へと漂流する。
  昼間から呑める居酒屋に飛び込み、更に酒を呷り続ける。
  其れからカラオケへと雪崩れ込み、十八番の「勝手にしやがれ」、「二億四千万の瞳」を歌わされる。
  其処で解散と成り、大宮組は四次会を開催するべく大宮へと移動する。
  当ても無いので、「いづみや第二支店」で密造酒の様な酒を呷り、肝臓を傷め付けてみる。
  其れにしても、本当、朝から呑みっ放しの呑み通し。
  雨脚も強く成り始め、普通ならば此処で帰るのが常識の有る人間だが、
  殊に酒と成るとだらしないので、御近所さんと三人で五次会へ。
  〆のラーメンを啜るべく、南銀座の入口に在る「天下一品」へ。
  此方は直営店ではなく、フランチャイズ店の様で、「アトラス&カンパニー」と言う会社が母体の様だ。
  テーブル席に着き、此処へ来ても未だルービー発注。
  もう、頭が可笑しいとしか言い様が無い…。
  そして、麦酒を呑み終わり、さて、腹拵えと行こう。
  御決まりの「こってり中華そば」を発注する。
  真っ赤な丼で登場した其れは、さんざっぱら呑んだ後でも実に蠱惑的に映る。
  とろっとろのプースーを蓮華で啜れば、ポタージュスープの様なとろみが染み渡る。
  鶏と十一種類の野菜を時間を掛けて煮込んだと言う特製スープはコラーゲンたっぷり。
  こってりと濃厚で濃密な味わいなのだが、胃袋を優しく包んで呉れると言うか、
  まったりとした深いコクが心地好く、満腹でもスーッと入って来る。
  諄さが無く、良質なコラーゲンを摂取出来るのが有り難い。
  とろみの有るプースーがべっとり纏わり付いた麺は細麺で、腰云々は求めないが、柔らか目の部類か。
  具は叉焼、麺麻、葱。
  プースーは全て呑み干し、肌の事を気遣ってみる。
  何せ、女優は肌が命だから…。
  店を後にして、三人して六次会として再度カラオケに行き、轟沈し、殆どを寝て過ごす。
  最終電車も無くなり、シータクで帰宅する。
  早く帰れば良いのに…。