休日と言うだけで、相当、精神的に解放される。
重苦しい空気を吸わなくて良いと言うか、暫しの間、全てを忘れて静養に努めたい。
そうは言いつつも、早くもサザエさん症候群を患っているのは確か…。
昼間に「ジャンクガレッジ」でラーメンを啜り、其の後、水と酒を買いに行くと言うのも毎週の事。
決まった予定を熟し、家に帰れば、取り立ててする事も無い。
のんびりと、パーソナルコンピューターに向き合い、極めて自堕落に過ごす。
冷房も点けず、西日の射し込む中、暑い思いをして過ごす。
気付けばあっと言う間に十七時半を過ぎ、そろそろ、晩御飯の買い出しに出掛ける。
毎週水曜日は自炊をする様にしているが、如何せん、普段から自炊する習慣が無いので、
作れる物も、何を作って良いかの発想も限られてしまい、ネタ切れだ…。
一先ず、スーパーマーケットに赴き、其処で決めよう。
とは言え、頭の中ではぼんやりと決めてある。
手間暇を掛けるのが億劫なので、丼物が楽だ。
御飯に帆立貝を乗せると言う構想はずっと有り、過去にも試した事が有る。
幸いにも、養殖物乍ら、北海道産の帆立貝が有り、直ぐ様、購入。
帆立貝だけでは寂しいので、何が良かろうと思案し、和布蕪を思い付く。
余り、組み合わせとして聞いた事は無いが、同じ海の物ならば合うだろう。
更に、温泉玉子も乗せてみれば、見栄えも良くなるかも知れない。
帰宅後、麦酒を開けて一息吐いた後、食事の準備に取り掛かる。
米を研いで炊き、帆立貝を切り、米が炊ける迄、只管に酒を呑んで待つ。
炊き上がったら、直ぐでは米が熱いので、冷める迄、更に酒を呑んで待つ。
一頻り酔い痴れた後、丼に米を装い、帆立貝、和布蕪、温泉玉子を乗せるだけ。
山葵醤油をぶっ掛け、後は何も考えずに、一心不乱に掻っ込むのみ。
帆立貝は甘さが有り、プリッとして、しっとり感が有って良いな。
天然だろうが、養殖だろうが、味の違いなんて大して分かりやしない。
和布蕪はヅルッとして、此の手の粘粘する物は堪らない。
元気に成った気持ちに成り、無駄に精を付けてみる。
温泉玉子は黄身がコクを増して呉れ、地味な味に成るのを防いで呉れる。
矢張り、玉子は人を幸せにして呉れる。
嗚呼、休日初日ももう終わりだ…。