続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「焼肉 黄金の牛」【宮原】

◆「焼肉 黄金の牛」【宮原】

 …昨晩。
  永い一週間も漸く終わり、此の日、火曜日は僕にとっての週末。
  何とか二〇時に仕事を切り上げ、そそくさとドロンする。
  気付けば、つい此の前、マッカーサーが来たと思ったら、もう師走だ。
  道理で歳を取る訳だ…。
  此の日は個人的な記念にと、豪勢に焼肉でも行こうと試みる。
  先日、御近所さん達と出掛けるも、改装中で閉店ガラガラだった此方に初潜入。
  宮原と言えば、「炭火焼肉&ダイニング 池田屋」しか御邪魔した事が無いが、
  選択肢が広がれば喜ばしい事だな。
  時刻は二〇時四十五分、店内に入れば、他に客は居ない様で、些かの不安も感じられる。
  取り敢えず、席に通され、ヨッコイ、ショーイチ。

 ◎「ヱビス樽生(中)」五〇四円
 …先ずはさて置き、一週間の労を労い、疲労困憊の身体を癒すべく、ルービー発注。
  先週は久し振りに二日連続で酒を抜いたが、今週は元通り。
  多少、ストレスが減ったのか、鳩尾辺りの鈍痛も無くなり、少しは健康的だ。
  と言う訳で、心置き無く、じっくりと麦酒を味わおう。
  ジョッキは余り大きいとは言えないが、普段は頂けないモノホンのルービーだ。
  肌理の細かい泡が、呑み慣れた雑酒との格の違いを見せ付けて呉れる。

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 ◎「キムチ(白菜)」二九四円
 …肉を炙る前に、軽く摘める物を。
  大韓民国は反吐が出る程に嫌いだが、朝鮮漬けを頂いてみよう。
  白菜、胡瓜、大根が有るが、白菜が無難で良いな。
  然し、味に関しては、何だろうか、旨くて止まらないと言う事は無く、
  可も無く不可も無い味で、辛味の中にじんわりと浮かび上がる甘味、旨味が欲しい所。

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 ◎「厚切り塩タン」一三四四円
 …さて、じっくりと腰を据えて肉を炙ろうかしらね。
  矢張り、手始めはベロが良い。
  そう、牛とデープキッス…。
  鉋で削った様な薄っぺらな牛タンよりも、厚味が有り、食べ応えの有る方が好きだ。
  正方形に切られた其れは、厚さが五ミリメートルは有ろうかと言う代物。
  表面に火が通ったなと言う位で、檸檬汁に浸けてから頂く。
  牛タン特有のさっくりと言うか、コリッと言うか、何とも言えない歯応えが堪らない。
  噛めば肉汁、旨味が溢れ出し、此れぞ牛タンの真骨頂だ。
  卓上の岩塩を振り掛けて頂けば、尚更、肉の旨味が際立って最高に旨い。

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 ◎「さがり」九二四円
 …焼肉屋に来たら、牛タンと並んで、カルビは無くても良いから、必ず発注するのが腹身。
  此方では、塩ホルモンの様に、「さがり」と呼ぶ様だ。
  他に「熟成ハラミ」と言うのも有るが、此方の方が高いので、恐らくは旨いのだろう。
  言わずもがな、牛の横隔膜だが、背中側を「カクマク」、肋骨側の厚い部分を「サガリ」と言うらしい。
  とても内臓肉とは思えない旨さで、僕はカルビよりも好きだ。
  此の「さがり」は自家製のテレレに漬け込まれた物の様で、此れを丹念に炙って頂く。
  少々、揉みダレの味が濃いのか、肉の味が誤魔化され勝ちなのが残念。
  軟らかく、蕩ける様で旨いのだが、もっと肉本来の味を堪能出来る方が良いな。

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 ◎「ホルモン盛合せ」一〇二九円
 …ホルモン教徒としては、プリン体を摂取しない訳には行かない。
  例え、足の親指が悲鳴を上げようとも、旨味の成分であるプリン体は欠かせない。
  と言う訳で、内臓肉四種類の盛り合わせが有ると言うので発注。
  先ずは、写真左の物から炙って頂けば、此れが何とも言えない旨さ。
  口に入れるなり、トロットロに蕩け、口内一杯に脂の旨味が拡がり、あっと言う間に消え去ってしまう。
  恐らく、単品でも有る「絶品とろホルモン」と言う物で、部位で言うと「ギアラ」だろうか。
  お次は順を追ってレバーを。
  レバ刺しが消えてから、すっかり焼肉屋での存在感が薄くなったが、焼いた物も旨いものだ。
  火を通した時の特有の粉っぽさが有るが、其れが良かったりする。
  続いては高級品のミノ。
  焼き過ぎると硬く成ってしまうので、適度に炙って頂く。
  コリコリ、シャキシャキとした歯触りが良く、噛み切れないと言う感じは無く、新鮮なのだろう。
  最後の物は何だろうと訝しげにしていると、此れはタンの味噌漬けだろうか。
  どうせなら、タンは塩焼きで頂き、他のホルモンが良かったと思わなくもないが、まあ良い。
  タン塩のさっぱりとした味わいとは逆に、タレの濃厚な味で頂くのも悪くない。

 ◎「マッコリ(グラス)」六〇九円
 …麦酒も空いた所で、酒を替えてみよう。
  折角なので、モッコリ、もとい、マッコリが有るので頂こう。
  すまんね、昼はシンセツ、夜はワイセツ、昼はうっかり、夜はもっこり八兵衛なもので…。
  此の手のヨーグルトジュースは際限無く、クイックイ行っちゃうので困るわね。
  甘酸っぱく、微かな炭酸の感じが心地好い。

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 ◎「ランプ」八一九円
 …そろそろ佳境に差し掛かり、〆へと雪崩れ込もう。
  脂の乗った物を堪能したので、赤身の旨さを確認しようかね。
  メニューを捲り、「赤身として貴重」と記されている「ランプ」と言うのを発注。
  調べてみると、腿肉の特に軟らかい部分で、ビフテキとして使われると言う。
  ロース等に比べてサシが入り難いが、肉質自体が軟らかく、肉汁も豊富と言うから良い。
  然し、出て来た肉を見れば、綺麗にサシが入り、実に綺麗な見た目にうっとりしてしまう。
  肉の脇に山葵が添えられている事から、此れは岩塩で頂いた方が良さげだ。
  サッと炙り、卓上の岩塩を振り掛け、山葵を多目に乗せて頬張る。
  すると如何だろうか、何とも言えない旨さに襲われる。
  岩塩が肉の甘味を引き立て、洪水の様に肉汁が溢れ出て、山葵のピリッとした辛味が絶妙だ。
  思わぬ伏兵の出現に、思わずマッコリを御替わりしてしまう。

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 ◎「熟成ハラミ」七一四円
 …さあ、大団円へ迎えるべく、「ライス(大)」を発注し、御数の肉は矢張り、腹身に限る。
  先程の「さがり」ではなく、「熟成ハラミ」が気に掛かる。
  見た目、「さがり」よりも安っぽさが有るが、此れが御飯の御数には丁度良いのだ。
  御飯を掻っ込むのに、余り良い肉は向かない。
  白米に焼肉のテレレをぶっ掛け、腹身を炙り、一心不乱に喰らうのみ。
  軟らかさの中に、程好い噛み応えが有り、内臓肉にしておくには勿体無い旨さだ。
  下手なカルビよりも数段旨いのに。
  テレレ御飯を頬張り、其の合間にマッコリを啜り、参っちゃったよ堪んないね。

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 ◎「しそ冷麺(小)」五〇四円
 …さて、確りと〆た所で、デザートの冷麺に移行しよう。
  そう、冷麺は別腹だしね…。
  和風スープを謳う通常の冷麺の他に、「梅冷麺」、「しそ冷麺」と言うのが有り、大いに迷う。
  悩んだ結果、「しそ冷麺」に決定。
  出て来た物を見て、紫蘇があしらわれているだけかと思いきや、ルーシーを啜れば、
  あら吃驚、ちゃんと紫蘇の風味がするではないかいな。
  強過ぎず、弱過ぎず、適度に紫蘇の存在感を醸し出し、奥床しさを感じる。
  麺も強靭な腰と弾力の有る物で、「炭火焼肉&ダイニング 池田屋」の其れよりも旨い。
  具としては簡素だが、さっぱりと締め括るには良いな。
  総じて、アルバイト店員の接客態度と、会計後にガムを呉れない点は改善の余地が有ろうが…。